空が眺められない露天風呂なんて

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 どこへ行っても忘れずに入るのが露天風呂だ。昔は道路沿いにあって入れなかったこともある(『風呂嫌い』の4ー1「入れなかった温泉」に掲載しています)。でも、最近はためらわなくなった恥じらいなどとっくに消えてしまったからではない。外から見えないように囲われているからのびのび入れる。

 スーパー銭湯でも真っ先に露天風呂へ向かう人が多い。内風呂に慣れた人には露天風呂の解放感が心地よいのだろう。そのために出向くのは我が家も同じである。多少の雨が降ろうと寒風が吹きさらそうと露天風呂に入る。それが愛好家の心意気である。

 ところが、露天風呂に屋根をつける暴挙を行なう施設がある。強い日差しを避けて肌を守るとか雨天や強風でも入浴できるための気くばりだろうが余計なお節介である。雷のときは屋根があっても役にたたないだろう。ま、そんなときに入浴するのは命知らずの阿呆だから問題外である。

 そのうちに、客のご機嫌とりにエアコン付きのサンルーム風の全天候型の露天風呂も登場するだろう。また、屋根を付けてプラネタリウムにしたり、どこぞのホテルのような怪しい雰囲気を演出するのかもしれない。そうすれば天候に影響を受けず入場客をいっそう集められる。でも、それは邪道ではないか。

 日焼けが気になるなら露天風呂に入らなけらばいいだけだ。また、日陰は屋根でなく樹々で覆えば風情をもった施設に映る。そういうことを無視し、空を眺めて風呂に入る楽しみを奪うこともあるまい。月や星を眺めて入浴する者がいることも忘れてほしくない。【2007/05/19】