北海道旅行記 2001 その2


出航

 乗船して自分のベッドに荷物を置いた後、一番初めにすることは風呂に入ることだ。出航は11時50分だから乗船してすぐに風呂に入ると出航までには上がることができるし、乗船直後は風呂も空いている。フェリーの風呂は豪華で湯船は7〜8人くらい入れるものが2つあり、そのうち1つはジャグジーが付いている。また、10人程度が入れるサウナもあり人気が高い、シャワー室も5つくらいはあるだろうか。初日は確か1時くらいまでは入浴可能だと思ったが、出航してから入る人が多いと思う。バイクで何回もフェリーで北海道に行っている旅人は乗船して風呂に直行する人が多い。僕もまず風呂に直行して、サウナなどを楽しんだ。

 普通は風呂から上がった後は甲板にでてフェリーが港からは離れ出航するところを見学するのだが今年は酔い止めの薬を飲んですぐにベッドに横になった。それというのも台風の影響でかなり揺れることが想像されたからできるだけ体を休めようと思ったのだ。台風は遥か北の海上に去ったのだが、波はまだかなり高くフェリーはかなり揺れることになるらしい。先程、船内アナウンスで船長から話があった。

 台風には昔、自転車で友達と北海道に行った帰りにあったことがある。その時も酔い止めの薬を飲んでいたが、あまり効果がなかった。とりあえず寝ていれば吐き気が襲って来ることはないのだが、レストランに行った時など料理が出てくるのを待っている間に気持悪くなり、結局何も食べることができなかった。友達は船に強いようで大丈夫だったが、レストランで同席した人も吐き気を我慢しているのがわかった。揺れ出したらもうひたすら寝ているしかない。その時に比べれば今年はまだましのようだけどね。

 北海道に行くのにフェリーは最適だと思う。大洗からだと時間も19時間かかる。この時間が長すぎると敬遠する人もいるが、この時間はそれまでの疲労をとってリフレッシュした状態で北海道の上陸するためには必要な時間なのだ。仕事をしている場合は出発の前日または当日まで仕事をしている人が多いと思う。仕事が終ってその足でという人もいるだろう。そういった人にはフェリーは最適の休憩の場所と時間を提供してくれるのだ。とにかく体を思いっきり伸ばしていくらでも寝ていることができる。こんな交通機関は他にない。最近は年をとったせいかなかなか疲れが抜けないばかりか、時間差で疲れがやってきたりする。

 11時50分を過ぎ、フェリーは出航した。フェリーが動き出したことが振動から感じられる。初日は興奮しているからなかなか寝つけないのだが、今回はすぐに寝てしまった。しかし、夜中に船のきしむ音で目が覚めた。どうもかなり揺れているようだ。ただこうして寝ていればまず船に酔うことはない。揺れに身を任せて目を閉じた。翌日は8時くらに目が覚めたが、船が揺れているため朝食をとるのを止めてゆっくり昼くらいまで寝ていることにした。ベッドの横になるとまたうつらうつらとしてきて眠りに落ちてしまった。

 さすがに昼が近づいてくるとお腹が減って目が覚めた。12時になるのを待ってレストランに行った。レストランも始まってすぐは空いている。ただフェリーも空ベッドもかなりあるようで乗客もそんなに多くないのかもしれない。レストランのメニューはそんなには多くはない。それに料金のわりにはおいしくない。食べる物もだいたい決まってしまう。ご飯は食べられる時には多くの量を食べていた方がいいと思うのでハンバーグ定食を注文した。船の揺れは昨日の夜に比べればだいぶおさまって来たがまだ時々いやな揺れ方をする。昼食をとったあとはまたベッドで寝た。行きのフェリーではいつもはそんなに寝ないのだが今年はとにかくよく寝た。ほとんどの時間寝ていたといってもいいくらいだ。(つづく)


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