パートさんの65歳定年制が5月から施行され、該当者の4名が退職した。(6人いたが2人は何故か定年を猶予された)その余波なのだろうか、30〜40代のパートさんが次々と辞めて行っている。30代女性2人、40代女性1人が辞めたが、それ以外にも数人が退職を考えている。その理由は主に二つで一つは給料、もうひとつは将来性である。 最近は賃上げのニュースがよくテレビで流れているが、うちの会社はほとんど最低時給の低迷している。その上、以前は出勤日だった土曜日と祝日が休日になったため、パートさんの給料は実質的にはかなり減ってしまった。僕の入ったとき時給は最低時給よりもそれなりに上だったが、現在はそれを睨みながらそのちょっと上に設定するようになっている。以前あったボーナスもコロナ禍を機に何のアナウンスもなく、なくなってしまったし、パートさんの不満はじわじわと溜まっていた。 パートさんの65歳定年制は会社の業績の悪化のためだと思われる。そのため若い人たちは会社の将来性にかなり懐疑的になっていて、30代のうちにパートという非正規ではなく正社員として就職したいと考える人が多くいる。もともと非正規ということで不安に思っていた人が、他のパートさんたちとの良好な人間関係もあり続いていたものが、業績不振が表面化し転職といった方向に動いたようだ。 それに加えて会社側のパートから社員への登用の基準が不透明で、推薦する社員の恣意的なものがあるように感じている人が多く、一時かなり問題になり会社側とパートさんの話し合いの行われた経緯があった。その後、社員に登用された女性が突然退職するといった事態に発展してしまった。一部の社員とパートさんの関係は険悪な状態になっていた。 働きの悪くなったと思われる年配のパートさんを定年制ということで解雇したが、それによって不安を覚えた若手のパートさんも次々と辞める状況になってしまった。定年制で辞めたパートさんは4人、その後、30〜40代の若手で辞めた人は先の社員さんも含めて4人で、さらに8月に2人の退職が決まっているから、この数か月だけで10人もの人が会社を去ることになる。 従業員を大切に扱ってこなかった会社の責任といってしまえばそれまでだが、果たしてどうなるのだろうか?止めていた新規募集を再開するか、時給を上げてこれ以上の人の流出を防ごうとするか。とりあえず最低時給をクリアしていればいいやという感覚では、まわりを見回せば1400円前後の時給が目に入る昨今、果たしてどれだけの人が応募してくるのだろうかという疑問がある。先の厳しい状況は続きそうである。(2025.6.15) |