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金曜日、朝から喉に違和感があった。痛いというほどではないのだけど、唾をのみ込むと引っ掛かるような感覚があった。それ以外は特に症状はなかったので会社には出勤したが、駅に歩いていく途中で何となく倦怠感を覚えた。でも、それは週末のせいだろうと思うことにした。 仕事を始めると喉の違和感は、あまり変化はなかったが、倦怠感は酷くなった。ただ単に疲れの溜まっているせいでない感じになってきた。昼の近づくにつれ熱っぽくなってきて、明らかに風邪の症状のように思えた。昼食は会社近くの沖縄食堂屋さんのゴーヤチャンプルー弁当を買って会社に持ち帰り、自分の席で食べた。 午後になると発熱感はさらに強くなった。体温計で計っていれば、37℃は有に超えていたように思える。また、足や腕などに筋肉痛の症状が現れ、ただの風邪というよりはインフルエンザの様相になってきた。仕事は午後三時から退社するまでが一番忙しくなるためきつかったが、どうにか持ちこたえた感じだった。コロナ禍の頃、会社の入口に設置され、そのままになっている自動体温計で計ってみたら36.5℃でこの器械は当てにならないなと思った。 この日は食事当番だったため、会社近くのスーパーで食材を買って家に向かった。足の筋肉痛はさらに酷くなり、電車の中で立っているだけでも苦痛だった。自宅近くの長い坂道も何とか乗り切り、ようやく家に着いた。体温計で熱を計ろうかと思ったが、とんでもない数値が出たら気持ちが負けてしまうかもしれないので止めた。 アスパラガスの肉巻き、サラダ、茹でた枝豆の夕食作り、妻と食べた後、体温を計ってみると37.5℃だった。喉の違和感は変わらなかったが、筋肉痛と倦怠感は強く、体調が悪いからと言って午後8時前だったが、寝ることにした。夜中に何度も目が覚めて、その都度、検温を行なった。熱は38℃まで上がったが、最高でも38.2℃でインフルエンザにしては低いような気がした。ただ、鼻水とか喉の痛みとかの症状の出る前に発熱するというのはインフルエンザの特徴で筋肉痛も同じである。 翌朝も熱は38℃で下がらなかった。それにしても発熱と筋肉痛と倦怠感以外はほとんど症状のないのは不思議だった。いつもなら、喉が痛くなり、鼻水や痰もでるはずだがそれが全くない。昼食のうどんを食べた後、お風呂に入った。とはいっても湯船に浸かるだけである。体温を上げることによって、ウイルスの死滅する速度を早くしようと思ったのである。ただ、全くといっていいほど効果はなかった。 夕食は妻がガーリックライスとトリ鍋をしてくれたが、ほとんど食べることができなかった。8時前に床に就いたが、トリ鍋で多少からだが温まり、汗をかいたのがよかったのか、体が少し楽になったように思った、しばらくしてから体温を計ると37.5℃に下がっていた。この夜も早く床についたため、夜中に何度も目覚め、その都度体温を計った。37.5℃が続き、朝方には37.2℃まで下がった。筋肉痛はほとんどなくなった。 日曜日、体温は37.2℃、37.0℃と順調に下がり。10時過ぎに36.5℃まで下がり、平熱に戻った。熱は下がったので、昨日できなかった一階の掃除をした。昼食は八分くらい食べることができ、あまりうれしいことではないが月曜日から出勤できそうな雰囲気になってきた。いつもなら熱が下がり、体調がよくなってくると咳が増え、鼻水や痰が出るのだが、それがほとんどなかった。前に熱が出たのは2019年の9月だったから、約四年ぶりの発熱だった。 コロナ禍前、僕は毎年2〜3回くらいの割合で発熱をして、仕事を休んでいた。熱はだいたい2日間くらい続き、良くなってくると咳や鼻水が出始めるといった具合だった。だけど、今回、熱は1日で下がってしまい、咳や鼻水の症状はほとんどなかった。熱の感じや筋肉痛のあったことから風邪だとは思うが、それだったら随分と軽く済んだものである。 コロナ禍の4年間は一度も発熱をしなかった。何となく熱が出そうだなという気分の悪さは感じたことはあったが、翌日になると何ともなくなっていた。コロナ禍によって体調の悪い人たちが休むようになったことが最大の要因だと思っている。以前、製薬会社の調査で熱が何度を超えたら会社を休みますかという問いに平均で38.5℃という驚くべき数値が出ていた。37℃台で休む人は少数派だったのである。僕のように37℃を超えたら休むという人はほとんどいなかった。 それがコロナ禍になり、熱がなくても少し体調が悪ければ休むという人が多数になった。ウチの会社でも咳込んでいるだけで帰された人がいる。そのため、風邪を引いている人が出歩いているという状態は大変少なくなったように思うのである。 そして、四年ぶりの風邪…。最近は電車内で咳込んでいる人も増えてきている。日常が戻ってきたのはうれしいことだが、無理して出勤するのは…戻らない方がいい。(2024.2.20) |
