クリスマスプレゼントにネックレスがほしいと妻がいった。どんなのが欲しいのか訊くと通信販売のカタログを取り出した。金のチェーンに真珠ひとつとアクセサリーのついたもので金額は1万円ちょっとだった。ネックレスで1万円というのは安いのか高いのか判断の分かれるところだが、カタログの写真から判断するとまあそんなものかな？と思った。

　よくよく考えてみると、旅行へいったときのお土産以外に何かアクセサリーを買ってあげたという記憶がない。恥ずかしい限りで、クリスマス〜お正月と出費の多くなる時期だが、買ってあげようと思った。ほんとならもっと高級なものをプレゼントしてあげたい気がした。これくらいのもので喜んでくれる妻の健気さが心に響いた。

　クリスマスの一週間前、ネットから注文した。配達日をみると2日後にはもう届くようで、クリスマスの集まりには間に合いそうなのでよかったと思った。実際のモノはどんなものかと届くのを楽しみにしていた。

　2日後に配達業者によってネックレスが届けられた。妻の帰宅を待って包みを開けると2本のネックレスが入っていた。よくよくカタログを見ると確かに写真に写っていた。別物かと思っていたが、説明のところをよく見ると2本セットになっていた。もう一つの方は真珠が十数個並んでいるデザインになっていた。こちらの方は、妻はあまり気に入っていないようだったが、フォーマルのときには良さそうだった。

　2本で1万円だから、単純に1本は5000円ということになる。妻はデザインが気に入っていたのか、あまり価格にはこだわっていないようだった。ただ、チェーンの長さが妻の求めていたものとは違ったようだった。妻は真珠が十数個入っている方のデザインのものを見ていたようで、好きなデザインのモノはやや短かった。

　ネット通販などでモノを買った場合、写真や画像と実物の差異に戸惑うことがよくある。特に服やアクセサリーなど身に着けるモノではサイズや色、仕立てなどいろいろと不満の原因になる箇所が多い。妻の場合、ネックレスのチェーンが妻の思ったよりも短かったのだが、一般的には標準的だったので使えないということはなかった。

　妻は金属アレルギーがあるので質の悪い金属だと肌がかぶれてしまったりする。それで直接肌に触れないようにと考えていたようである。今まで数回使っているが、かぶれたり赤くなったりはしなかったので、とりあえずは大丈夫そうだが、時間の経過と共に劣化するのでこれからどうなるかはわからない。

　つき合っていたときにプレゼントした腕時計は金属アレルギーのことを聞いていたので、チタン製のものを買った。十数年大丈夫だったが、最近になり腕がかぶれたりするようになってしまった。チタンが劣化するのかと疑問だったが、どうもチェーンの部分のチタンではなく、それを繋いでいるピンの部分の金属が長年の汗などで劣化してしまったらしい。

　やはり実物を見て買った方が間違いはない。貴金属のお店に行って、じっくりとアクセサリーを選べるようになりたいと思う年の瀬であった。(2022.12.31)