マイクロマネージメント

 年末が近づき仕事が忙しくなると、上司のUさんが何かと作業に口出しをするようになる。どの作業を優先させるかということについて従業員の裁量に任せず、最近では細々と指示を出すようになった。それが的確ならまだいいのだけど、却って効率の悪くなるような指示なので厄介である。何故、効率の悪くなるような指示を出すのかというと、全体の仕事をみているのではなく、自分の管理している顧客の仕事を優先させているためである。

 このように上司が細々と指示を出し、部下の仕事に過度に干渉することをマイクロマネージメントという。マイクロマネージメントが行われると、大きな支障をもたらすことが多い。常に上司に監視され、細々とした指示を出されるため、自主性が失われ、自由に業務を行なえなくなる。酷くなると、仕事にやりがいを感じられなくなり、精神疾患の危険性も上がる。

 僕の場合、朝、作業をしていると「それはもうしなくていいから、○○をやってくれ」などといわれる。○○が急ぎの仕事で量も多いというのならまだわかるのだけど、全くそんなことはないのである。普通にやっていれば、十分にこなせるのだけど、最優先にやってもらわないとUさんは不安になるらしい。何かと口を出してくるので煩わしくて仕方ない。

 問題はどうやってマイクロマネージメントに対処するかということである。まずは気にせず、指示通りに動くという方法である。言われた通りにしていれば、とりあえず上司は満足するので、人間関係は悪化しなくて済む。ただ、上司は満足でも、こちらにはかなりのストレスがかかるのでどこまで割り切れるかという問題は残る。表立っては指示通りに動いているようにみせて、ある程度自分の意思も入れて仕事の流れをつくるという方法も考えられる。ただ、これはよほどうまくやらないと、上司に睨まれるきっかけになりさらに監視の強くなる可能性がある。

 僕はどうしたかというと、上司の指示を半ば無視して、今まで通り自分のルーティンで仕事をした。なぜなら普通にやっても仕上がる仕事だったので、最優先にやらなくても問題ないと判断したからである。これは逆効果になってしまった。さらに細かく行動をチェックされるようになってしまった。30分程度で終わる仕事を朝一番でやることを強要されたりした。まあ、30分程度で終わってしまうなら、朝一でサッと済ませて後は自分の好きにやった方がいいとも考えられるが、強要されるというのはストレスが溜まる、

 マイクロマネージメントをされるとモチベーションが下がり、退職率は上がるというがその通りという感じがしている。上司を変えられないのなら、結局は自分の職場を変えるしかそこから逃れる方法はなくなる。上司が自ら自分の非に気づかない限り、改善するする可能性は低い。何でも話せるタイプの人ならいいのだけど、Uさんは全くそんな感じではなく、他人の助言を受け入れることは考えられない。

 問題の根幹はこの上司Uさんはプレイングマネージャーであるという点にある。営業部全体を管理しながら、自分担当の顧客を持っている。したがって全体の仕事状況を見て的確に優先順位を判断するということをせず、自分の顧客の仕事を優先させてしまう傾向が強い。Uさんがプレイングマネージャーから外れる予定はないようなので、絶望的な状況は年末まで続く。




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