マスクを外そう!実践編

 6月としては異例の暑さが続いた。その影響で最近マスクをしていない人が増えてきた。僕は通勤時、最寄りの駅から会社まで徒歩5分くらいの距離なのだけど、何気なしにノーマスクの人はどのくらいいるのだろうかと数えたりしていた。以前はだいたい2〜3人だったが、ここ数日は10人を超え、25人という日もあった。確かに増えたが全体的な印象としては、まだほとんどの人がマスクをしているという感じである。

 僕は未だにマスクをしている人の気持ちが全くわからない。どういうつもりなんだろうと考えてしまう。感染を恐れているのか?周りの目を気にしているのか?それとも何も考えていないのか?改めて自分の頭で物事を考えない日本人に呆れてしまうが、そんなことばかりを思っていても仕方ない。ただ、ストレスを溜めるだけである。そこで自分自身、可能な限りマスクをしないことにした。

 とはいっても、僕は以前から屋外ではほとんどノーマスクだった。唯一マスクをしていたのは、会社の最寄り駅を降りて、会社に行くまでの約5分の道のりだけだった。朝の通勤時は同じ会社の人間を会う可能性の強いため、電車内と通勤路はマスクをしていたのである。電車を降りて会社までわずか5分、マスクを外すのが面倒臭いという思いもあった。しかし、今週から電車を降りたら、すぐにマスクを外すようにした。この暑さである、上司とばったり出くわしたとしても、言い訳はできる。

 屋外でマスクをつけることは皆無となったが、問題は屋内である。屋内を具体的に列挙するとバス、電車、会社内、コンビニ、スーパー、飲食店などである。この中でマスクを外すのが難しいのは、まず会社内だ。会社内ではマスク着用がほとんど義務化されている。マスクを外していれば、即、上司から注意を受ける。以前、ノーマスクで伝票の処理をしていたら、「マスクはどうした?」と叱責を受けたことがある。

 まあ、最近の猛暑で上司が外していたりするため、自分の席でPC作業をしている分には長時間でなければ何もいわれなくなったが、ノーマスクで闊歩というのはまだまだ先のようである。グローバルダイニングのように従業員の健康を考えて、任意ということにしてほしいのだけど、ウチの会社はそんな先進的な組織ではない。周りを見回して…という極めて日本的は会社だ。

 次に難しいのはバスである。車内は狭く、席に座る場合は隣の人と密着状態になるため、つい臆してしまう。ここ一か月くらいの間で、ノーマスクでバスに乗っていた人は僕の見た限りでは2人だけだった。ただ、注意をされるということはほとんどないといっていい。立って乗る分には問題ないが、始発なのでほとんどの場合座れてしまうのである。

 電車はノーマスクでほとんど問題ない。実は昨年の今頃、電車はほとんどノーマスクで乗っていた時期があった。この頃も屋外ではマスクはしていなかったけど、電車内ではマスクをしていた。ある日、ノーマスクで電車を待っていると前の方で並んでいる男性でノーマスクの人がいた。どうするかな?と思っていたら、入線してきた電車にそのまま乗り込んでいった。もし、僕がマスクをして電車に乗り込んだら、何となく彼に対する裏切り行為になりそうな気がして、僕もそのままで乗った。

 そうしたら、何だか気分がよかった。必要ないバカげたことをやらないというのはストレス軽減になる。しばらくの間はノーマスクのまま乗り続けていた。その後、夏にもかかわらず陽性者は増加し、東京オリンピックも無観客になった。僕もだんだんと同調圧力に耐えきれなくなり、またマスクをして電車に乗るようになった。

 一年経った今、当時とは明らかに空気が違っている。ノーマスクで電車に乗ってもストレスを感じなくなったのである。それはほとんどの人がノーマスクを気にしなくなったことが原因ではないかと思う。さらに電車内でノーマスクの人たちもちらほらと見かけるようになってきた。他人の目を気にして必要ないと思いながらもマスクをし続けている人たち、自分たちが思っているほど他人は気にしていない。

 店舗はお店によって対応はバラバラである。コンビニではほとんど何も言われないが、飲食店の中にはまだ「マスク着用をお願いします」とか「ご協力ください」といってくるところもある。入店拒否というところも(僕はされたことはないが)あるらしい。そういう場合は自分の気持ちに素直に従えばいい。あくまでもマスクを着けたくなければそのまま出ていけばいいだけだし、お店に入りたければマスクをつければいいだけだ。始めからトラブルを想定して、それを回避することばかり考えていると、やがて自分を無くしてしまう。

 マスク着用した方がいい場合は風邪の症状の出ている人が病院にいくとか、スーパーに買い物に行くとか、ようするに他人と会う場面である。健康な人が付ける必要は全くない。こんなことを書くと、「いや、コロナは無症状でも他人に感染するのだ」という声が聞こえてくるが、本当に無症状感染はあるのだろうか?

 無症状感染の発端となったのはドイツで発表された論文である。「2020年1月29日、ドイツ人男性がPCR検査で陽性になった。彼は20〜21日、ビジネスパートナーの中国人女性と会議に同席した。24日に咽頭痛、悪寒、筋肉痛の症状が現れ、25日には39.1度の発熱があった。26日、夕方には症状は改善し、翌日には仕事に復帰した。女性は19〜22日、上海から渡独し、滞在中は感染の症状は見られなかったが、帰国の機内で体調が悪化し、26日にPCR検査をした結果、新型コロナ陽性が判明したため、ドイツ人男性も検査対象となった。」というものだった。

 この論文は誤りだったことが現在はわかっている。ドイツを訪れた中国人女性は無症状ではなかった。ドイツ滞在中から軽度の発熱や筋肉の痛みがあり、解熱剤を服用していたことが本人の聞き取りから判明したのである。

 この論文に誤りがあるからといって、無症状感染はないとはいえない。中国当局や米疾病対策センターは無症状の段階でも感染はあるとしている一方、スウェーデン公共保険当局は潜伏期間中の感染はありえないとしている。WHOの見解は、「少数のケースで無症状の患者から感染した可能性もあることは認識しているが、これはまれな例で、感染拡大の主な原因ではないかもしれない」というものである。この見解について反発する専門家も多い。少なくても当初、流布された無症状の元気な若者が感染を広めているというのは間違いである。

 7月に入り、再び新規陽性者数が増えてきた。案の定、テレビをはじめとするメディアは第7波と煽り始めた。朝、時計代わりに付けているテレビを見ていたら、いつもの「専門家」が出ていた。感染者増、ワクチンの抗体が減退、秋にはオミクロン株用のワクチンが出る、しかし、それを待たずにまだ3回目を打っていない人は打った方がいい…と結局、ワクチンに誘導していた、あまりにも悪徳商法そのもので笑ってしまった。

 他にも街頭インタビューの映像を流していた。相も変わらず、「感染者が増えて怖い」「最近はマスクを外している人が増えたから感染が増えた」など何の成長もない発言を繰り返す人たちがいた(もしかしたら、仕込みなのかもしれないけど)。

 マスクが感染予防に何の効果もない証拠として、マスクをして近くでタバコを吸ってもらえばいい。タバコの煙の臭いがしてくるはずである。煙の臭いがしてくるというのはマスクの中に煙の粒子が入ってきたからである。タバコの煙の粒子の大きさは1.0μm、それに対して新型コロナウイルスの大きさは0.1μm、煙の粒子さえマスクの中に入ってきてしまうのだから、その10分の1のウイルスは簡単にすり抜けてしまうのはわかると思う。

 政治家はいざ知らず、テレビに出ている専門家の人たちはこのようなことは知っていると思う。マスクで感染予防というのはざるで水を掬うようなものだと知りながら、何故マスク、マスクというのだろうか?それは二つの理由からだと思われる。

 一つは無症状感染だ。無症状感染に関してはいろいろな説があり、どれが正しいかはわからないが、それほど多くないということに関しては共通している。ただ、それほど多くないといっても、「それなりある」というのと「ありえない」というのではかなりの違いがあり、日本の専門家(特にテレビに出ている人)は前者を支持している人が多い。そのため、保険のためマスクは着けた方がいいという意見になる。

 もうひとつは症状の出ている人がマスクを着けやすい環境にするためである。もし、症状の出ている人以外はマスクの着用はしなくていいとなり、それをみんなが忠実に実行したら、マスクを着けている人は風邪の症状のある人でコロナ感染者かもしれないということになり、蔑視されたり、差別される可能性が出てくる。ノーマスク警察というのが現れて、「症状のあるヤツはステイホームしろ!」なんて攻撃されるかもしれない。また、それを避けるため市販の風邪薬などを飲んだりして、何とか感染していることを隠蔽しようとする人も出てくるだろう。しかし、みんながマスクをしていれば、そんなこと気にしなくて済む。木を隠すなら森の中というわけだ。

 一見よさそうに思えるが、感染を広げているのはテレビに出ている専門家たちのマスク着用を必要以上に誇張したせいのように思われる。前にも書いたが、マスクの機能というのは飛沫の拡散を防止するだけなのである。飛沫に含まれるウイルスはカットできるが、感染者の呼気から発出されるウイルスがすべて飛沫の中に閉じ込められているなどということはない。タバコの煙の臭いがしてくるということは、逆もありえるということで口から出たウイルスはマスクを難なくすり抜ける。

 マスクさえしていればウイルスをカットできると思っている人は多く、マスクすることによって大丈夫と考えてしまい、近くで会話もするだろうし、咳やくしゃみをするときも肩で口を覆ったりしない。よく、感染を広げているのは無症状感染者、ノーマスクの人たちだといわれるが、実はその逆なのではないか。感染を広げているのは有症状の感染者でマスクをしている人たちのように思う。感染を広げないためには、体調の悪い人は家でしっかりと休むということが重要であり、ただ唯一の方法なのではないだろうか?

 もっともオミクロン株になった新型コロナは恐れる病気ではない。普通に生活して感染したら、しっかりと療養すればいいだけである。(2022.7.9)




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