パソコンを買い替える

 10月上旬、ネットを観ていたら、突然パソコンが落ちた。画面が真っ暗になり、少しして再起動を開始したが、途中でフリーズした。電源ボタンを長押しして、強制的に電源を落とし、再び電源を入れると今度は立ち上がったが、ワードで文字を3文字入れたら、またフリーズしてしまった。

 次の日も同じでネットを観ていると、また、突然、パソコンが落ちた。その後、フリーズを繰り返し、そのたびに強制的に電源を落としていたが、ついに立ち上がらなくなってしまった。仕方なくセーフモードで立ち上げたら、何とか立ち上がったので、気休めにディスク・クリーンアップで、要らないファイルを消去した。

 これはもう壊れるのは時間の問題だなと思った。実は以前から、パソコンの調子はおかしくなっていた。とにかく、動作が遅くなり、文章変換のときなど、極端に待ち時間が長くなっていた。ただ、何となく使えていたものだから、それほど真剣に買い替えを考えてはいなかったのだが、2日連続で落ち、ちょっとのことでフリーズするようになっては、もう限界のような気がして、オンラインでDELLのパソコンを注文した。

 すると皮肉なもので、翌日からパソコンの調子が良くなった。気休めのディスク・クリーンアップが効いたのか、動作は相変わらず遅いが、落ちたり、固まったりということはなく、まあ、まあ、普通に使えるようになった。

 このパソコンを買ったのは、結婚したときだった。結婚し、転居にともなういろいろな手続きをするとき、電話関係は妻に任せた。それまでは、ダイアルアップでネットに繋いでいたのだが、「時代は光ですよ。それにそちらの方がお得です」というNTTの言葉につられ、妻が光回線の契約に変更したのだった。2007年のことである。

 それまでは、1999年に買ったWindows98のパソコンを使っていたが、LANポートがなく、ボートを買わなくてはいけなくなった。古いマシンで光回線に対応できるのだろうかという不安もあり、LANボードを買うのなら、いっそパソコンを買い替えてしまった方がいいと考え、Windows98からWindows Vistaに乗り換えたのである。

 それから11年、考えてみれば故障することもなく、よく持ったものである。持ち直したとはいっても、いつ壊れるかわからない状態であることには変わりない。仕事から帰った後、データのバックアップをとる作業が数日続いた。

 注文してから、約3週間後に新しいパソコンが届いた。今度は、Windows VistaからWindows 10への乗り換えである。インターフェイスの違いに前回以上に違和感を覚えた。また、Microsoft Officeも基本的にネットに繋いで使用するようになっていたりして、戸惑いはさらに広がった。

 ネットの接続、メールソフトの設定、FTPの設定、各種ソフトのインストールなど、使用環境を整えるのにもかなり苦労した。ネットの接続は、ほとんど何もしなくてよかったが、メールソフトとFTPの設定は、11年ぶりである。なかなかうまくいかず、エラーの連続だったが、古いパソコンを動かして設定を確認したりして、どうにか使えるようになり、現在はほぼ以前の環境と同じになった。

 パソコンが他の電化製品と違うのは、使っているうちに使用者の一部のようになっていくことだ。保存されているメールや写真、ネットのお気に入りや履歴などをみれば、本心の趣味・趣向、人間関係などがある程度わかってしまう。さらにEXCELなどを使って家計簿でもつけていれば、経済状態まで把握できる。したがって他人に譲るときなども、そういった個人データを消去してから渡さないと、自分の隠れた裏の顔がわかってしまったりする。ある友人は、それに不備があったため、レズ好きだということが露見してしまった。

 それをまた真っ新な状態から構築していかなくてはならないのだから、面倒くさいことこの上ない。さらに、パソコンは時代の進むごとに、複雑化していく。今までできなかったことができるようになる半面、今までできたことができなくなるということもある。しばらくの間、新しいパソコンとの格闘は続くことになりそうだ。(2018.11.10)




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