ミニコンポを買う

 長年使っていたミニコンポが壊れてしまった。DENONのD-MS3という機種で、2002年くらいに買ったから、もう15年以上使っていたことになる。初めて買ったステレオは、機種名は忘れてしまったが、ビクターの製品で確か1984年に購入したのだった。何故、正確に購入年を覚えているかというと、初めに買ったCDがブルース・スプリングスティーンのBORN IN THE USAで、この作品は1984年に発表されたからである。これ以前のアルバムはレコードで買っていて、弟のステレオを借りて聴いていたのだった。

 20年近く使っていたビクターのステレオは、いくら掃除をしてもCDの音飛びが酷くなり、最終的には読み込めなくなってしまった。家電量販店に新しいステレオを買いに行き、販売員さんから「一番音質のいいのはDENON」と薦められ、発売されたばかりだったD-MS3にしたのだった。会社でオーディオに詳しそうな人にそのことを話すと「いや、一番音質のいいのは、ONKYOだよ」といわれた。

 しかし、音質に関しては、全くといっていいほど、不満に思ったことはなかった。ただ、それ以外の問題がいろいろと起きた。まず、勝手に電源が落ちてしまうことが続いた。CDを聴いている最中に、いきなり電源が落ちてしまうのである。また、入れ直すと普通に最後まで聴けたりするのだが、そういうことが頻繁に起きた時期があった。不思議なことに、いつの間にか、この現象はおさまった。

 次は、音飛びである。CDの汚れや、CDを読み取るレンズの汚れもあったと思うが、機械的に不安定なところがあったようだ。内部から、何か引っかかるような音が、聞こえていた。そして、ある程度してから、音に雑音の混じることがあった。或る音域になると、不快な雑音が入り、音楽に集中できなくなってしまった。

 そして、今回、CDトレイの開閉ができなくなった。調べてみると、CDトレイの開閉に関わるゴムが切れてしまったらしい。修理に出せば、簡単に直りそうだったが、購入してからすでに15年経っていることも考えて、新品を買うことにした。ネットでいろいろと調べ、価格と性能のパフォーマンスを考慮して、ONKYOのX-NFR7TX(D)に決めた。前のミニコンポを買ったときに、当時の同僚の言った「一番音質のいいのは、ONKYO」という言葉も頭の中にあったのである。

 ネットで木曜日に注文して、土曜日の朝に品物が届いた。早速、CDを聴いてみた。DENONと比べ、ボーカルがやや前面に出る印象である。また、今まで聴こえてこなかった音も再現され、とても満足している。ただ、シンバルの音はDENONの方が、味わいのあった気がする。

 音の好みなどというものは、個人的な要素が大きいような気がする。主に聴く音楽だって、ロックとヒップホップ、ジャズまたはクラシックなど、それぞれ違うだろうから、どれが一番というのはなかなか難しい。要は自分が気に入ればいいのである。

 最近ではミニコンポを買う人は少なくなっているそうだ。ネットによる音楽配信が主流になり、CDの売り上げは激減している。僕は、音楽を聴くのは、家だけなので、やはりモノを持っておきたいという気持ちが強い。ネット全盛の現在、レコードが再び復活してきているようで、うれしい限りである。音の良さからいったら、やはりレコードが一番だと思う。

また、音楽のある生活に戻ることができた。これからは、ゆっくりと新しいミニコンポの音を楽しんでいきたい。(2017.11.25)




皆さんのご意見・ご感想をお待ちしています。joshua@xvb.biglobe.ne.jp

TOP INDEX BACK NEXT