風邪を引く

 自己管理などという記事を書いたせいだろうか、風邪を引いてしまった。 木曜日、この日は会社の月締めの翌日に当たっていた。ここ数カ月、会社の業績はいいようで、月締めの前日と当日に仕上がった納品物の売上を翌月に繰り入れることになった。そのため、木曜日は溜まっていたそれらの納品書の発行と発送に追われ、大忙しとなった。午前中ですでにへとへとという状態だったが、午後になり、咳が出始め、やや体が熱っぽくなった。風邪の初期症状が見られたのである。

 実は、いっしょに仕事をしている女性社員が数日前から、さかんに咳をするようになり、熱も出ているようだった。しかし、彼女は、代わりになる人もいないということで、会社に出勤し続けていた。あまりに苦しそうな状態を見かねた他の社員から「休んだら?」といわれても、「人がいないから、休めないの」と答えていた。そして、同じ理由で病院にもいかなかった。どうも、その風邪が僕に移ってしまったらしい。

 梅雨ということで、一日の寒暖差の大きいことも原因だと思う。昼間は蒸し暑かったのに、夜、ソファーで横になっていたりすると、涼しいを通り越して寒いと感じるくらいの日もあった。しかし、昼の暑さの余韻が体に残っているせいだろうか、一枚、羽織るでもなく、薄着のまま寝続けて、何となく体がだるいなどということもあった。

 風邪は引いたものの、翌日、休むつもりはなかった。多少、体の調子が悪くても、一日行けば休みだし、何より、まだ、「風邪を引いた」というだけのレベルだったからだ。症状としては、喉にやや違和感があり、たまに咳が出て、少し熱っぽく、そして体がだるいという感じだった。家に帰ってから、体温を測ると37度ちょうどだった。

 いつものように夕食を取り、シャワーを浴びて、いつもより少し早く11時くらいに床に着いた。一晩寝れば、熱は下がり、体のだるさも軽くなるだろうと思っていたが、翌朝、目が覚めると体のだるさが酷く、無理をすればいけないこともなかったが、一日ゆっくり休もうと思った。

 会社に電話を入れた後は、昼までひたすら寝た。昼食は、冷蔵庫にひとつ残っていた賞味期限切れの冷やし中華を作って食べ、その後、また、ふとんに戻った。夕方、トイレに行きたくなり、起き上がったのだが、一歩、二歩と歩いているうちに腰が痛みだし、階段を歩いて降りられない状況になった。仕方なく、階段に腰をおろし、ずり降りるようにして一段一段降り、廊下を四つん這いになってトイレに向かった。

 何とかトイレに辿り着いたが、今度は便座に座ることもできない。腰が痛くて、立てないのである。壁やドアにしがみつき、何とか体を起こして、便座に座ることが出来た。便座に腰を下ろすと、痛みはなくなったが、用を足した後、また一苦労だった。便座からずり落ちるようにして床に降り、這ってリビングにいって、仰向けに寝て、腰のストレッチを行った。すると一時的に立つことが出来るようになり、何とか階段を上り、床につくことができた。

 それにしても、朝は妻が忘れた生ごみをゴミの集積所まで持って行けたのに、寝て起きたら腰が立たなくなっていたというのは、どういうわけだろう?どうも、寝ている間に、腰に負担がかかり、動けなくなってしまったらしい。こういうことは、比較的よくあることで、原因は寝返りをあまり打たず、同じ姿勢で寝続けてしまうことだそうだ。寝返りを打たない理由としては、柔らかすぎる布団が原因の場合が多いらしいが、うちは硬い煎餅蒲団のため、別の原因があるように思えた。

 寝床で入念の腰のストレッチを行ったら、‘立てない’という状態から、何とか家の中くらいは動けるようになったのが、妻が勤めから帰ってくるまで、寝入ってしまったら、元の状態に逆戻りしていた。寝ると腰が立たなくなり、布団に入るのが怖くなってしまった。

 ふつう風邪を引いて熱が出ても、2日くらいで下がるのに、4日もかかってしまった。年を取って、免疫力が下がったということなのだろうか?また、腰の痛みの原因もわかった。硬すぎる煎餅蒲団がよくなかったようだ。床に直接寝ているようなもので、腰の痛くなるのも当たり前だったのである。お客さん用の柔らかい布団を変えたら、痛みはなくなった。(2017.7.5)




皆さんのご意見・ご感想をお待ちしています。joshua@xvb.biglobe.ne.jp

TOP INDEX BACK NEXT