人材不足

 昨年の暮れからの会社でのゴタゴタは、同じ部署で働いていた社員さんが急に出社しなくなってしまったため、現在は小康状態となっている。閑職への移動、勤務時間の短縮など、いろいろと圧力をかけてきたNさんだが、ここのところはいたって静かである。しかし、彼の‘ご乱行’が止んでしまったというわけではなく、彼の近くで働いているパートさんからは嘲笑ともとれる苦情が聞こえてくる。

 Nさんは、一月中旬に行われた部署の短期アルバイトの送別会を兼ねた新年会で、またセクハラ行為を行ったという。部署の新年会といっても参加したのは社員三人と短期のアルバイト一人と長期契約に切り替わったパートさん二人の合計六人だけで、他の人は誰一人として参加しなかった。Nさんが年のいったパートさんと自分の嫌いなパートさんには声をかけなかったため、他のパートさんも面妖なものを覚え総スカンということになってしまったそうである。この会でNさんは短期アルバイトの女子大学生Mさんの体をそれとなく触り続け、さらには二次会でカラオケに連れていこうとしたそうである。

 Mさんの「たすけて!」というアイコンタクトに気づいた新人パートのAさんが「いっしょに帰ろう」と機転をきかせて強引に駅の方向に引っ張っていったために、Mさんは難を逃れたそうであるが、それにしても、最後の最後にこうようなことをされたMさんの心境を思うと、居た堪れなくなる。

 もともと、Nさんにとって、この新年会はMさん狙いであったらしい。なかなか都合のいい日がなく、ベテランのパートさんが「金曜日の昼にランチ形式の会を行えば、もっと多くのパートさんが出席することができる」と告げると、「それだったら、Mさんが出席できないだろ」と声を荒げていわれたという。Mさんは夕方からのアルバイトだったのである。

 そして、四月に入ってからは以前からお気に入りの若くて可愛い感じのパートさん二人に対して、集中的にいろいろと仕事を教えているそうである。いろいろな仕事を教えること自体は、問題ではなく、社員さんがひとりいなくなってしまったのだから、いいことだとは思うが、彼女たちより前に入った三十代の女性パートさんには、一番初歩の仕事しかさせていないらしい。

 さらに、ご執心になっているふたりのパートさんが、いつも遅くまで仕事をさせられるものだから、「おなか減ったねぇ〜」と帰りたいことを匂わせたら、あわてて会社近くのコンビニに走り、ロールケーキを買ってきてふたりに渡したそうである。部署内にはまだ他に残っている人もいるのに、その人たちには何もなしだったらしく、その場にいた人は「呆れるのを通り越して、笑ってしまった」という。

 セクハラ、パワハラさらに特定の人への贔屓、僕もいろいろな人と仕事をしてきたが、Nさんほど低レベルな人はいなかった。そういう人が大手を振って社内で幅を利かせているのだから、呆れ果ててしまう。Nさんの人間性を知っている社員さんも三、四人はいるはずなのに、Nさんに諫言したり、この状況を改善しようとする人はいない。自浄作用は期待できないということなのだろうか?とにもかくにも、仕事のしづらい状況は、しばらく続きそうである。(2014.4.28)




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