職場環境改善騒動顛末 その三

 一月中旬、前に働いていた部署に戻り、二日間、以前やっていた仕事をした。三日目、出勤すると、フロアの責任者Gさんから、「今までやっていた仕事はしなくていいので、荷物の荷受や在庫管理の仕事をやってほしい」といわれた。部長からは「以前の仕事をやるように」といわれていたので、「話が違いますが?」と訊くと、Nさんから、「Hにその仕事をさせるな!」と指示を受けたという。

 荷受や在庫管理の仕事が、たくさんあるというのなら問題はないが、たかが、一部署の在庫管理なので、そんなに仕事のあるわけがない。さらに、仕事のないときは、四時で上がってほしいという‘おまけ’までついてきた。明らかに仕事を与えないで、自主的に退職させようとする意図が感じられた。

 「話が違うから、部長と話します」とGさんにいい、部長のところにいったが、幸か不幸か部長はいなかった。Gさんも部長とNさんのいうことの違いに戸惑っているようで、「Nさんに、もう一度、訊いてきます」といって部屋を出ていった。

 戻って来たGさんは、「部長も僕の指示に従ってといっていましたよね」といい、僕に前の仕事をやらせるなといった理由として「同じ作業をしているパートから、僕が意識的に仕事をサボタージュしている」といってきた。

 部長は僕とNさんの関係が決定的に壊れてしまったのを知っていたので、Nさんから僕を切り離し、これからは「Gさんの指示に従うように」といっていた。それをNさんが、Gさんが自分のイエスマンであることをいいことに、逆手にとったというわけである。

 それにしても、よくも次から次へと事由を捏造するものだと呆れる思いがした。以前やっていた仕事で「僕がさぼっている」というのも、全く初めて聞いたことだった。もし、そのようなことがあったとしても、その時点で注意し、改善されなければさらなる措置をとるというのが普通だと思う。

 どうでもいいような気分になり、また、前の仕事に戻ったとしても、他のパートさんの仕事を取ってしまうことにもなりかねないので、在庫管理の仕事をすることにした。在庫管理といっても、少なくなった材料の発注は社員のGさんが行うので、僕は作業で使い少なくなったものを倉庫から出して来て補充したり、宅急便で送られてきた材料の荷受などをしている。当然、それだけでは、一日どころか半日ももたないので、あとは自分で考えて仕事作らなくてはならない。

 仕事の面はまだ何とかなるにしても、四時で帰らされると月に二万円以上の減収となり、土曜日の出勤のなくなったこととあわせて、苦しい状況に追い込まれる。妻も働いているから、すぐに困窮するというわけでもないが、精神的な苦痛は耐えがたいものになりそうだった。これは、時間の問題だなと思った。

 その日から、在庫管理の仕事をした。確かに、仕事はあまりなかった。僕の抗議したのがよかったのか、何とか五時まではできたが、家に帰ってからしばらくの間、何もする気が起きず、ただぼーっと座りこんでしまった。体の疲れというより、精神的な疲れだと思う。

 僕の年齢からして、次の仕事を見つけるまでは、かなり時間がかかると思う。それまでは、今の会社で何とか、続けるしかない。ただ、半月くらい経過した現在、想像よりはいろいろと仕事がでてきたので、何とかなると思って、ぼちぼちやっていくしかない。(2014.2.8)




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