日曜出勤

 現在、勤めている会社は、十二月になると日曜出勤する部署が増えてくる。十一月中旬から十二月下旬まで、忙しい日々が続くからだ。しかし、仕事のやり方をうまく工夫すれば、日曜日まで働く必要のある部署は、ほとんどない。では、何故、日曜日にこぞって出勤するのかというと、会社の方針、もっと端的にいってしまえば、社長の好みだからである。

 二年前だったと思うが、ある部署が日曜日に出勤しなくても、大丈夫だと判断して、休んだことがあった。その翌週の朝礼で社長はその部署の責任者に対して、「余程、暇だとみえる。自分のところでやる仕事が無いなら、忙しいところを手伝え」といったそうである。このこと以来、たとえ、それほど忙しくなくても、日曜日に出勤することが当たり前になっていったようである。

 ただ、出勤日になっている日曜日は、十二月の第四だけである。その他の日曜日は自主判断ということになるのだが、社長のことを考え、第一から出勤して十二月は休みなしという人までいる。セクハラ社員のNさんである。

 彼はその週の始めから、部署のパートさんに、出られる人は出てと声をかけ、三人のパートさんが出勤した。しかし、三人では思うように仕事は回らず、あまり効果的ではなかったようだ。月曜日、日曜日に自身の仕事をされてしまい、暇そうにしているパートさんが数人いたことでもわかる。しかし、社長は出勤日でない日曜日に誰が自主的に出勤するのかみているらしく、Nさんの休みなしの日々は続く。

 パートさんで日曜日に出勤する理由は、やはりお金という人が多いようである。社員の場合、日曜日に出勤しても残業手当は支給されない。現在、勤めている会社では、月の上限の残業時間が決まっており、それを超える分については、サービス残業ということになる。繁忙期は毎日遅い時刻まで仕事をするため、ほとんどの人が上限の時間を早いうちに超えてしまう。日曜日に、ただ働き…、遣り切れない気がするが、社長を怖れて、唯々諾々と従っているというのが現状である。

 現在勤めている会社の生産は全て受注生産だから、残業が多くなれば利益率は下がるはずだが、ただ働きシステムのあることによって、効率的な仕事というのがそれほど重視されず、長時間労働を厭わない根性が幅を利かせている。今時、珍しいように思うが、意外とこういう会社は多いのではないだろうか?

 会社内で人望を得たかったら、有給を取らず、残業は厭わずである。社員はサービス残業、パートは生活残業という日々が続く。(2012.12.12)




皆さんのご意見・ご感想をお待ちしています。joshua@xvb.biglobe.ne.jp

TOP INDEX BACK NEXT