部署統合顛末

 軽症うつ病の主な症状というのをネットで見ると
 1.何となく憂鬱な気分が続いている。
 2.いつもイライラして怒りっぽい。
 3.本を読む気がしない、テレビを楽しめない。
 4.仕事や家事が以前のようにこなせず、のろくなったように感じる。
 5.何事も先延ばしにしてしまう。
 6.朝早く目が覚める。
 7.この頃、疲れがたまってとれない。
とあった。この7つの症状、自分にすべて当てはまる。不安で仕方ないのだ。それは将来に対する漠然としたものもないわけではないが、近々行われる部署の統合に対するものが大半を占めている。

 ここのところというより、昨年の秋くらいから激減といっていいほど仕事は減ってきている。そのため、現在、2つの事業所でしている仕事をゆくゆくは一箇所に統合して経費の削減を図ろうという案があり、仕事の減る夏場に実験してみて、問題がなければ来年の初頭に行うという計画らしい。

 この話しの出たのが5月の連休明けくらいだったが、この水曜日に具体的な案が示された。それによると実験的に統合を行う期間は7月と8月の2カ月間で、僕ともうひとりのパートさんがその間は統合先の事業所に行って働くことになった。

 しかし、現在、働いている部署には他にもふたりのパートさんがいて、彼女たちに聞いてみたら何の指示もなく、どうしていいのかわからないという。残ってもらうなら、仕事を用意しなくてはいけないはずだが、ほとんど放ったらかしの状態で一体どうなっているのだろうと不安は強くなる一方だった。もうひとつの事業所に行く僕たちもよくよく聞いていると、あちらにも十分な人数のパートさんがいるようで、行ってもする仕事がないことも考えられた。

 水曜日に‘最終段階の計画書’というのを渡されたが、どう見ても行き当たりばったりのもので、営業の集配や後工程の割り当てなど不備ばかりで、統合してみてから考えましょうという感じだった。

 僕はそろそろ潮時かなという思いを強く持った。この仕事はあと3年以内に、なくなる可能性が強く、そのとき自分が会社に残れる可能性は低い。変わるのなら、少しでも若い方がいいはずだし、思い切って決断した方がいいのではないかと思ったのだ。

 部署の統合となる7月、8月、とりあえず長期の休暇をもらい、職探しをして、いい仕事に就ければ今のところは退社すればいいし、見つからなければ実験的な統合の終わる9月から今の職場に復帰すればいいと考えたのだ。

 しかし、現実としては、多少は良くなったとはいえ今の日本経済の景気の悪さ加えて求人数の落ち込む夏場に仕事が見つかるのかという問題があり、そんなことをぐだぐだと考えていたら、冒頭に掲げたような状態になってしまったというわけだ。

 特に辛いのは朝早いうちから目の覚めてしまうことで、どうもこれはうつの典型的な症状らしい。疲れの酷くなったのは妻の実家から送られて来ていたマカが無くなってしまったせいもあるかもしれないが、休日もあまり外に出たいという気持ちがわかないのである。とここまで木曜日に書いたのだけど、事態は一変することになってしまった。

 金曜日、何と部署の統合が社長の一声で白紙になってしまったのである。その理由は「部署を統合した場合、あの会社は危ないのではないかといった類の悪い噂の流れる可能性がある」ということらしい。

 2日前に計画書の渡された時に「まだ社長と大口の顧客の許可はとっていないから、顧客の方から何らかのクレームが出た場合は中止になる」と説明を受けてはいたが、まさか統合を言い出した社長から中止の勧告が出るとは思わなかった。とりあえず、行き先の不透明だったパートさんは胸を撫で下ろし、僕の気も重さも多少は解消された。

 部署の統合は当面中止となったが、根本的な問題は先送りされただけだ。それは会社ではなく、僕自身が答えを出さないといけない。その時間はとりあえず半年くらいありそうだ。それまで、いろいろと考えてみたいと思っている。(2009.6.28)




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