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うちにも定額給付金の申請用紙が届いた。ふたり合わせて24000円と微々たるものではあるが、労働時間を減らされている現状からすれば、まあまあうれしい。経済効果はあまり期待できないとマスコミは報道しているが、少しであってもお金をもらえるのはうれしいものだから、消費に回る分もかなりあるような気もする。 定額給付金を当て込んでというわけではないが、プリンターを買ってしまった。3月中にどうしても印刷しなければいけないものがあって、2年前に5000円で買ったプリンターは半年くらい前から使い物にならなくなっていたため、買うことにしたのだ。
用途はほとんどが文書の印刷だから、多機能で高価なものよりも必要最小限の機能で安いものを買おうと思って妻といっしょに売り場に行き、プリンターを眺めていると販売員が声をかけてきた。 「こちらの機種ですと、CDやDVDのレーベル印刷もできますよ」と今度はEP-301を勧められた。しかし、CDやDVDのレーベル印刷など、ほとんどすることはないだろうし、あまり意味がないように思えた。ただ、染料が6色のものと4色のもので、どのくらい写真の画質に違いが出るのか興味があったので訊くと、サンプルを見せてくれた。 サンプルだから美しいのは当然だけど、それは僕の予想の範囲を超えていて思わず「きれいですね」と声が出てしまった。ただ、染料が6色のものはインクカートリッジが高価なため、ランニングコストがかかりそうだ。そのあたりを販売員さんに訊くと、HPのC5380のところに僕たちを案内した。 「こちらの機種はコストパフォーマンスが大変優れていて、スキャナーもついていますし、当然コピーもできます。文書の印刷には顔料の黒インクを使用しますから、美しく仕上がりますよ。あとDVDやCDのレーベルプリントもできます。パソコンなしでもこの画面から操作できますし、今ならキャッシュバックで2000円戻ってきますよ」当初考えていたエプソンのPX-101よりも値段は7000円以上高いが、妻の心は決まってしまったようだった。買った後のインク代のことを考えれば、HPの方がエプソンより、やや割安にはなりそうだ。 「こちらの機種でしたら、いろいろと遊べますよ」そう言われて、僕の気持ちもほとんど決まったが、少し検討させてくださいと言って、エプソンとHPのカタログをもらってその場を離れた。 そのカタログを見ながら、もうひとつの販売店に向かった。値段を調べるためだ。歩きながら検討した結果は、やはりHPのC5380の方がいいように思えた。もうひとつの販売店も値段は同じだったため、初めの店に戻った。プリンター売り場に行くと、先程の販売員さんがすぐに寄って来た。 「これにします」と僕はC5380を指さした。販売員さんは、戻ってくるとは思っていなかったのだろう「ありがとうございます」とうれしそうに言い、「ほんとはいけないことになっているのですが、これをおまけにつけさせてもらいます」と言って、インクカートリッジを袋に入れてくれた。 家にプリンターを持って帰り、セッテイングをしながら、やはり安い方にした方がよかったかなと思った。CDのレーベル印刷などほとんどしないだろうし、スキャナーも専用のものを買ってしまえば、無用になってしまう。とりあえず、印刷しなければならない文書を印刷した。確かに文字は今まで使っていたプリンターとは比べものにならないくらいきれいである。 箱の中にL判のフォト用紙が入っていたので、試しにペルーに行ったとき、妻の実家にあったデジカメで撮ったデータを印刷してみた。きれいだった。ネガからプリントしたものと比べれば、奥行きがなく平面的な感じはするが、‘遊ぶ’には全く問題ない出来だ。同梱されていたフォト用紙は5枚しかなかったため、週末にL判のフォト用紙50枚を買ってきて、よく写っているものを印刷した。またスキャナーで、旅行したときの写真をパソコンに取り込んだりした。あの販売員さんの言っていたように、いろいろと‘遊ぶ’ことができた。 最小限の機能で、できだけ安いプリンターと考えていたのが、その反対になってしまった。こういうのを無駄使いというのかもしれない。しかし、当初考えていたようなプリンターを買ったとしたら、確かにお金は残るかもしれないが、得るものは少なかったように思う。それは全てのものについていえることだ。そのうち飽きてしまうかもしれないが、当分はこのプリンターで‘遊ぼう’と思う。(2009.4.1) |
