23日間のバカンス

 23日の土曜日から8月14日の日曜日まで、まるまる3週間夏休みをとる。日数にすると23日間、25日から8月11日まで17日間、北海道旅行をするので大半は涼しく快適?に過ごせそうだ。

 今の職場は夏、仕事量が激減するので夏休みは取り放題というわけで、40日間という人もいる。ただ、いいことばかりではない。本来ならパートやアルバイトでも規定の時間以上働いている人間には有給休暇がつくはずなのだけど、この会社はそれがない。だから、8月の給与を考えると寒い気分になってしまう。社員の残業代さえ、まともに払わない会社だから…とほんとは諦めてはいけないのだろうけど、僕を含めてみんな何も言わないでいる。ただ、有給はないが、パート・アルバイトにもボーナスが出るので、まあトントンという考えもできる。

 パート・アルバイトは長期の休みを取れるし、仕事量が落ちる時期に経費を削減したい会社側はそれを奨励しているのだけど、正社員はというとそうはいかないらしい。仕事量は落ちるが、仕事はそれなりにあるわけで最低限の人数は必要なのだ。業務の性質上、入って来た仕事に迅速に対応しないといけないので、まとまった休みは取り難いようで3日から長くて1週間くらいのようだ。

 ここでふと考えてしまう。果たしてどちらがいいのだろうかと…。もちろん、そんなことは人によって結論は違ってくることだろうけど、僕にとってはお金よりも時間の方が今は貴重だ。子供の頃、たっぷりとあった‘まとまった濃厚な時間’というものは社会に出るとほとんど持つことができなくなるからだ。

 仕事に追われ、生活に追われ、時間は細切れになって行く。そしていつしか、時間を切り刻むことに慣れ、その破片をうっちゃるだけの生活になる。次に‘まとまった濃厚な時間’を持てるのは…、下手をすると老後。僕にはそんな悪夢はとても耐えきれなかった。

 このたっぷりの時間を、初めてといっていい‘バカンス’にしようと思う。今まで、会社を辞め1月近く旅行をしたことはあったが、それは‘バカンス’とは呼べなかったような気がする。僕のとってのバカンス、それは自然の豊かな中でゆっくりとした時間を過ごすこと。昨年、北海道で出会った人を見て、どうしてもそんな時間を持ちたくなった。

 自然豊かなャンプ場にテントを張って、本を読んだり、辺りを散策したり、うたた寝をしたり、ずっと空や海を見ていたり、周りの人たちとおしゃべりしたり…。

 2週間では短過ぎる、かといって1月休むとなるとクビの怖れもないわけではない。そんなところから3週間という期間になった。行きのフェリーと帰りのフェリーは決まっているが、それ以外の予定は全くない。今考えているのは、全てにのんびりしようということだ。

 果たしてどんな‘バカンス’になるか、行ったら、行ったでまたいつものように‘ツーリング’になってしまうのか、それはわからない。だけど、わからないからいいということもあるし、思う通りにならないから活力が生まれるということもある。

 どうなるか、わからない。しかし、当面の感心事は北上して来そうな台風7号の動きだ。北海道の行きのフェリー、かなり揺れそうである。(2005.7.24)




皆さんのご意見・ご感想をお待ちしています。joshua@xvb.biglobe.ne.jp

TOP INDEX BACK NEXT