ご近所とのトラブル

 今日、家の近くのディスカウント・ストアまで、ヘッドホンを買いに行った。金曜日の夜、仕事が6時くらいに終わり、すぐに家に帰り夕食をとった後、U2の新作を8時くらいから聴いていたら、上の階の住人から音が煩いと苦情が来てしまったからだ。

 いや、いや、金曜日だけでなく、やはり仕事が早く終わった水曜日も木曜日も聴いていたのだ。ボリュームは少し絞ったけど、ほんとに少しだったので上の階の住人も頭に来てしまったようだった。夜にロック音楽をかけるということは、集合住宅ではタブーなことだとはわかっていたが、U2の新作は聴けば聴きこむほど、また聴きたくなる麻薬のような出来のため、ついついそのタブーを冒してしまった。

 しかし、タブーを冒したのは今回が初めてではなく、Blurの「Think Tank」などもかなりのヘビーローテーションでかけていたため、上の階の住人のストレスはかなり前からたまっていたようで、いろいろと言われてしまった。

 上の階の住人は朝早くから仕事があるため、夜の8時過ぎには就寝してしまうそうだが、僕の部屋から流れる音楽が煩くなかなか寝つけないうえに、深夜に前の家の水商売の夫婦が帰ってくる音で起され、さらに明け方には横の家のタクシードライバーの車の音で目が覚めてしまうそうで、体調が悪くて仕方ないと言っていた。

 悪いのは僕だし、苦情は仕方ないことだけど、それなら最初に不快に思ったときに言って来てくれればと思った。だけど、これが最近の人の特徴なのかもしれない。いやなことがあっても、それを我慢して、我慢し続けて、それが限界を超えたときに切れて、いきなり爆発してしまう。

 ストレスが溜まる前なら「ちょっとステレオの音が響きますので、ボリュームを落してもらえませんか」くらいで済むものが、「煩い!今、何時だと思っているの!」になってしまう。今は非常に多くの人間がストレスを限界まで溜めこんでいるように思う。通勤電車などで、それを僕はいつも感じている。

 ちょっと体が当っただけで、或いはちょっと靴や鞄がぶつかっただけで、ぶつけた人間を睨みつけている人の多いこと。プラットホームなどゆっくりと歩いていたら、後から突き飛ばされそうである。橘いずみの「1982年の缶コーラ」という歌の中に、

地下鉄の階段を駆け下りて
閉まるドアをこじ開けて
押し出され、薄い酸素分け合い
空を探して焦ってる
急ぐ用事もないのに慌てて
人の背中を憎んで歩く


という箇所があるが、まさにこれが毎日、毎日の日常だ。朝の道路なども、ゆっくり走っている車などはほとんどなく、皆何かにとり付かれたように先を急いでいる。何時の間にか日本の社会は非常に緊張した高ストレス社会になってしまったようだ。

 買ってきたヘッドホンで、早速U2を聴いた。今までずっとスピーカーで聴いていたためか、ヘッドホンが安物だったためか、音のクリアー感が今ひとつピンと来ない感じだけど、そのうち慣れるだろう。それにこれでいつでも聴きたいときに聴くことはできる。

 その後、今度は今までのようにスピーカーで聴いた。昼間だったけど、昨日の今日だし、ボリュームをかなり落した。あー、でも好きな音楽くらい、大音量でガンガンと聴きたいものである。まあ、仕方ないことだけど…。(2004.12.4)




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