寒い一日

 週末になると何故か天気が悪くなる。先週は台風が来たし、今週は予報では晴れにち曇りになっていたが、朝起きたら曇っていて寒かった。久しぶりにバイクで奥多摩にでも行こうと思っていたのだけど、あまりの寒さにまたふとんに逆戻りしてしまった。

 こんなとき、ふとんの中に自分以外の温もりがあってほしい。だけど、ただ温かいだけじゃだめのような気がする。温かくて匂いがあって、呼吸していないと…。だから、カイロとか湯たんぽとか電気毛布では意味がない。それは女性が一番いいけれど、犬でも猫でもかまわない、自分の外から温かさが伝わってきてほしい。体というよりは心が温まりたいからかもしれない。

 昼くらいにようやく起きだして、焼きうどんにかつおぶしをいっぱいかけて食べた。空は相変わらずどんより曇っている。こんな寒い一日は音楽でも聴いて、部屋の中でのんびりしていようと思った。先日買ったビョークのCD、メダラをかけた。基本的に楽器が使われておらず、ほとんどすべての音が人間の声によって構成されているこの作品は、とても心に響いてくる。原始の匂いが漂って、生というものを強く意識させる。日本人ヒューマンビートボックスのDOKAKAとかいろいろな人が‘声’の参加をしているのだけど、特にイヌイットのスロート・シンガー、Tagaqの息遣いとも喘ぎともいえるボーカルがアクセントになっていて、この作品の雰囲気を作っているように感じた。

 その後はブラーのシンクタンクを聴いた。この作品は昨年の4月末に発売されたものだけど、それから1年半経った今でも僕はよく聴いている。最初に聴いたときは、あまりの音の変化に、これがブラーなのか?と驚いたけど、聴きこんでいくうちにどんどんと好きになってしまった。無国籍っぽい音でベースとドラムが前面に出ていて、ギターはやや控えめといった感じだ。詩はかなり明確で、メッセージ性があり、今の世界情勢と繋がっていて、21世紀型のラブ&ピースのようにも思える。

 僕は気に入った作品は、かなり長い期間聴き続ける方だけど、特にビョークとブラーの作品にそういったものが多い。97年に発売されたビョークのホモジェニックは今でもよく聴くし、ブラーの13は99年の発売以来、シンクタンクが発表されるまで聴き続けていた。

 夕方になって、明日の秋華賞のため競馬新聞を近くのコンビニに買いにいった。今日、初めての外出だ。競馬新聞とポテトチップスをレジに出そうとすると、何処かのおじさんが横からすばやく山ほどの新聞をカウンターに置いた。僕と同じく秋華賞の予想のためなのだろう、夕刊フジとか、夕刊ゲンダイとか、東スポとか4〜5紙あったように思う。馬柱は新聞によって微妙に表記が違うから、自分の馴染みのものを買うのがいいと思うのだけど、各紙を比較することがこのおじさんの予想法かもしれない。

明日の秋華賞を当てて、せめて懐だけでも温かくなりたいものだと思った。(2004.10.16)




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