北の大地に

 土曜日から夏休みに入った。今の職場は特定の夏休みがないようなので、今月の当初に恐る々、7月24日から8月8日まで休みたいと申請したところ、どうぞどうぞという感じで許可になってしまった。今の仕事は、夏季は特に暇になるようで、7月中旬から9月中旬までは好きなだけ休みをとってもいいようだし、むしろ休んでほしいらしい。とはいっても、その間に給料は出ないわけで、中には40日以上休む人もいるけど、そんなことをしたら僕は生活苦に陥ってしまう。会社側としては2週間は、短いようで後1週間くらい休んでほしいようなことを言われたが、聞かなかったことにして誤魔化すことにした。

 今の職場だけで生計を立てている人たちは大変だ。ある男性は夏休みなどいらないと言ったらしいのだけど、ベテランの人も1ヶ月くらいは休んでいるのだから、お前も休めと2週間くらいは強制的に休まされてしまうようだし、ある女性はこの2ヶ月間、月・火と出勤するだけで、週休5日制になってしまった。夏休みをたっぷりとれるのが、いいのか悪いのかわからなくなってしまったけど、仕事に対するモチベーションが低下したことだけは確かだ。そんなことなら2週間といわず、3週間くらい休んで…と考えたけど、やっぱり最低限の収入がないときつい…とうじうじと考えた。

 夏休み初日の昨日は友人たちと久しぶりに飲み会をした。この友人たちとは年に2〜3回くらい定期的に集って飲むことにしている。僕が次々と職場を変えるなかで、得た最大の財産といえるのが、こういった気の会った何でも話せる仲間だと思う。始めて会ったときは30代の人がひとりいただけだったけど、今はもう20代の人はいなくなり、40代カルテットができるくらいになってしまった。だけど、不思議とみんな見た目には年をとらず、昔のままだ。一部の人は、やや体型が変わったり、髪が薄くまたは白くなったりしてるけど。

 そして、明日、月曜日からバイクにテントを積んで約2週間の北海道旅行をする。昨年は行かなかったけど、ここ10年くらいほとんど毎年のように夏は北海道に行っている。高校のとき、修学旅行で行ったのが始めてで、その時のバスガイドさんが北海道開拓には、囚人たちが大きな役割をしたと話してくれた。その後、自転車や車で、ここ10年くらいはバイクで行っていて、始めの頃は観光地を周ることが多かったけど、最近では夏の一時期、涼しいというよりは寒いといった方がいいかもしれないけど、北の大地でのんびりと過ごすという感じになってきた。昨日いっしょに飲んだ友人の夫が「俺が行きたいのは北海道だけ」と言っていたけど、僕もほとんどそれに近い。僕にとって北海道はただエキゾッチクな北の大地というだけでなく、故郷のように思えるのだ。

 北海道はもともと開拓民が集って社会ができていった場所だからかもしれないけど、旅行者に対して非常に大らかでやさしい。これは日本で一番というより、世界で一番といってもいいかもしれない。地元の人も気軽に話し掛けてきてくれるし、缶コーヒーや牛乳など奢ってもらったことも多い。それに、何でもお金の本土と違い、それが無くても楽しく過ごせる。無料の温泉やキャンプ場が非常に多く、お金を取るところでも低料金なところがほとんどだ。だから、全国からいろいろな旅行者が集る。食べ物も美味しいし、手付かずの自然もまだ豊富に残っているし、そんなわけで僕は北海道が大好きになってしまった。

今年もまた、そんな北の大地に帰っていく。(2004.7.25)




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