春なのに

梅の花

 3月に入って、一時は真冬に戻ったかのような寒い日が続いたことがあったけど、先週は暖かくなり、東京の桜の開花予想日が今週の木曜日18日とでた。本来ならうれしくて今日のような陽光溢れる日には外でのんびりとポカポカ陽気を楽しみたいところだけど、僕はいつもこの季節になるとかなり憂鬱になる。だいたいの人は察しがつくと思うけど、花粉症の季節でもあるからだ。

 外を歩いている分にはそれほどでもないのだけど、電車などに乗ると知らぬ間に鼻水が垂れてきて、目もかゆくなる。この不治の病と一生つきあっていかなければいけないのかと思うとほんとに辛くなってしまう。今年の場合はさらに風邪もそれに加わって、僕を痛めつけるのだ。

 風邪は先々週の金曜日あたりから酷くなり、土曜日は1日寝こんでしまった。おかげで楽しみにしていた弥生賞も買いに行けず、TVだけでの観戦となってしまったけど、こういうときに限って予想が当たったりするから腹立たしい。

 先週はその風邪の影響で仕事も辛かった。熱は下がったのだけど、咳が出て止まらなくなる。特に夜になり、寝床に入ると酷くなり、あまりよく眠ることができず、日中もうつらうつらとしていた。せめて風邪だけでも何とかなれば、花粉症の方に集中できるのでまだいいのだけど、今は前門の虎に後門の狼といった感じだ。(ちょっとおおげさ)

 話題は変わるけど、今日3月14日はホワイトデーという日らしい。ほとんど毎日は何かの日ではあるようだけど、このホワイトデーというのはそのわけのわからない日の王様のような感じがする。

 ホワイトデーは単独で存在するものではなく、バレンタインデーと対を成しているのは誰でも知っている。したがってこのわけのわからない日が存在する責任はバレンタインデーにある。しかし、バレンタインデーはわけのわからない日などではなく、ローマ帝国時代のキリスト教司祭であるバレンチノを起源とした欧米でも存在する歴史のある日だ。

 現在、欧米ではこの日に恋人・友人・家族などが手紙やお花、お菓子などを贈る習慣になっているようだ。特に女性から男性という決まりはなく、男性からも女性に贈り物をする。それが日本では女性から男性にチョコレートを贈る日になってしまった。始めは女性が好きな男性にチョコを贈り、愛の告白をする日とされていたが、どんどんと拡大して特に想っていなくても、同じ職場で働いているというだけで贈る義理チョコなどと呼ばれるものまで出てくるようになってしまった。

 僕がもらえるチョコといったら同じ職場にいる女性からか、当時毎日のように昼のランチに通っていた喫茶店のおばちゃんからのものだけで、バレンタインデーに愛の告白をされたことなど記憶がない。喫茶店のおばちゃんからもらったチョコにはかなり気を使った。そのもらったチョコを会社に持ち帰ったとき、僕が密かに気持ちを寄せている女性に変な誤解を受けないかなどと本気で考えたりした。また、同僚にはそのチョコによって自分は実はもてるのだと誇示したいような気持ちもあり、それを隠したいような、見られたいような複雑な気持ちになったりした。

 その後に来るのがホワイトデーだ。そんな日があるおかげで、チョコをくれた女性には一応義理を通さないといけなくなり、僕の職場には女性が多かったため、毎年かなりの出費を強いられる日になってしまった。

 何故、日本におけるバンレンタインデーは女性から男性にチョコを贈る日になってしまったかというと、1958年に東京都内のデパートでチョコレート業者が行なったバレンタイン・セールのキャンペーンがきっかけになりだんだんと定着していったようだ。そしてバレンタインデーが徐々に一般的になっていくと、それを受けて飴菓子業界の全国組織である全国飴菓子工業協同組合が1978年の名古屋における総会で飴菓子業界の総意として決議採択された全飴協ホワイトデー委員会が組織され、2年間の準備期間を経て1980年3月14日に第1回ホワイトデーが誕生したそうだ。(ホワイトデー公式サイトより)

 バレンタインデーがだんだんと商業主義に染まっていき、さらに利益を得ようとホワイトデーが提案され実施された。クリスマスなどは最たるものだろうけど、日本人は商業的な利益に結びつくとなれば何でも利用しようとするように思える。そしてお金にあまり結びつかない風習や行事はだんだんと忘れ去られていく。経済よりももっと文化や芸術を大切にする国になってほしいと思う。

 今年はバレンタインデーが土曜日になり、ホワイトデーが日曜日でほっとしている人も少なくはないだろう。僕もそのひとりだ。モテない男の単なるヒガミかもしれないけど。(2004.3.14)




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