阪神タイガース優勝おめでとう!!


ついにその時が来た。1985年の優勝から18年…長かった、ほんとに長かったけど、うれしい、ほんとにうれしい…。

 僕が阪神を応援し始めたのは1973年、小学校3年生の時だった。東京の小学校だからクラスに阪神ファンは僕ひとりくらいしかいなかった。この1973年、古い阪神ファンなら知っていると思うが、大変くやしい思いをした年だ。

 巨人と阪神がペナントレース後半になって激しく争い、阪神が終盤になって首位に立った。新聞には巨人V9ピンチという活字が踊っていた。近所の年長の子供達に僕と大洋ファンの友人は後楽園球場に連れていってもらったが、球場内には満員で入れず、球場の外にある白墨で書かれたスコアボードで途中経過を見ていた。

 2−5と劣勢だった阪神は田淵に満塁ホームランが出て、6−5と逆転した。巨人ファンだった近所の年長の子供達は、機嫌が悪くなり、僕と大洋ファンの友人を置いて帰ってしまったため、途中で電車賃がなくなり、最後の3区間くらいは歩いて帰った。

 その試合は結局、阪神が1点差で勝った。そして次の試合…。後から考えればこの試合が大きなポイントだったのだ。阪神は巨人投手陣を打ち込み、2回表で7−0と大きくリードしていた。阪神の投手は確か江夏だったと思う。楽勝かと思ったが、巨人が追い上げ壮絶な試合になった。そして最終的に10−10で引き分けた。

 この後、巨人はヤクルトに負けたりして、阪神にマジック1が点灯した。そしてナゴヤ球場、中日に勝てば優勝という試合で2−4で負けた。この試合の阪神の先発は江夏、中日は星野だった。その星野さんが阪神の監督となり、阪神を優勝させることになるなんて、とても不思議な気分になる。そして、ちょうど試合が行なわれている時に巨人ナインを乗せた新幹線がナゴヤ球場の横を通り大阪に向っていた。

 そして、甲子園での巨人との最終戦、勝った方が優勝という大一番になった。この試合で阪神は0−9と高橋一三投手に完封され負けた…

 スター選手がたくさんいるのに何故か阪神は優勝できなかった。僕はせめて死ぬまでに1回でいいから、阪神の優勝をこの目でみたいと思った。そして長い、長い年月が経ち、あの1985年がやってきた。

 1985年…、この年は僕の社会人1年目だった。このとき阪神は打線は強いが先発投手陣が弱く、シーズンが始まる前までは優勝するとは思っていなかった。会社の同僚とどのチームが優勝するかを賭けをした。同僚は自信を持って巨人に賭けた。僕は、願望だけで阪神に賭けた。シーズンが始まると阪神には分けのわからない勢いがあった。そして、伝説になった甲子園での巨人戦、槙原からのバース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発で今年は何か違うな…と感じた。しかし、それまで裏切られ続けた長年の歳月があり、マジックが出てもまだ優勝するとは思わなかった。マジックが一桁台になるくらいから、これはほんとに優勝してしまうかもと思うようになった。

 そして神宮でのヤクルト戦、中西が投手ゴロを一塁に送った瞬間、僕は泣いていた。この年は日本シリーズもあの強いライオンズに勝ち球団始めての日本一に輝いた。賭けは願望が自信に勝った。

 しかし、ここから長い暗黒時代が始まる。それまでの阪神は優勝はあまり出来なかったが、決して弱いチームではなかった。脆さと強さが同居していた。強い時は異常な強さを発揮するが、簡単に連敗をしてしまったりする。それが阪神の魅力だったのかもしれない。

 85年の優勝後、急速に阪神は弱体化していった。掛布、バースをいった中心選手が相次いでリタイヤしてしまい、若手も育たず、ほんとに弱いチームになっていった。それまではセリーグで唯一最下位のないチームだったのに、優勝した2年後にはもう最下位に転落していた。

 そんな阪神に優勝のチャンスが来たのは92年だった。この時はヤクルトと争った。ヤクルトの9連敗などもあり、僕は阪神の優勝をほとんど確信していた。しかし、死のロードで大きく負け越し、シーズンの終盤で失速してしまった。そしてこの年以降、最下位を繰り返すようになる。

 99年、野村監督になり、春先に連勝して一時首位に立ったりしたが、シーズンが終わってみれば最下位だった。そして、この年から3年連続で最下位となり、野村監督でも阪神を浮上させることはできないのかと絶望的な気持ちになった。そして、終に最後の切り札という感じで02年、星野監督が就任した。

 02年は開幕から7連勝をして、6月まで首位を走っていたが、W杯が始まった6月に失速してしまい、4位に終わった。しかし、僕には少しだけど光が見えたように思えた。

そして今年…

ほんとに、うれしい…、ほんとに。 おめでとう阪神タイガース、ありがとう阪神タイガース。(2003.9.15)




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