職安奮戦記 新しい仕事


 失業保険が切れてから1ヶ月が経った。そろそろ仕事を始めないと経済的にきつくなってくる。先週からほとんど毎日、職安に通う日々が続いた。検索して面白そうだなと思う仕事は緊急雇用対策用の求人だったりと短期のものばっかりだ。こうなったら短期の面白そうな仕事を乗り継ぎ乗り継ぎして世間の荒波を乗り切って行こうかなどとヤケ気味になってしまった。

 そんな時、アルバイトだけどやってみたい仕事が見つかった。時給は900円からだから普通といったところだろうか?ただ就業時間が6時間と短い。900円で6時間だと1日5400円、月22日勤務するとしても1ヶ月11万円ちょっとにしかならない。せめて1日7時間は働けてさらに残業できるようなところでないと暮していくことはできない。

 そういえば千葉労働組合連合会青年部のメンバーが最低賃金の時給677円で1ヶ月間の生活体験をした。1日8時間、月22間働いたとして得られる収入は12万円弱、これから税金、年金、家賃、電話代などを差し引いた3万円弱で1ヶ月間暮せるかどうかという実験だった。

 11人でスタートしたが、次々と落伍者がでて限度額内で1ヶ月間生活できたのは男性2人、女性1人の3人だけだった。‘友人から飲みに誘われてもいけない’とか‘化粧もしなかった’‘CDやビデオは我慢した’との意見も出され、中には体重が8キロも減ってしまった人もでて「これでは健康で文化的な生活は送れない」との結論になったようだ。さらに栄養士からは、「必要カロリーの半分しか摂取できていない」「副食が少なすぎて美容と健康にダメージがある」などの指摘があった。
となると僕の場合もほとんど同じような額だから、苦しいというより生活できないだろう。せめて1日8時間働けないと辛い。やってみたい仕事なので職安の職員に相談してみることにした。求人票には就業時間として9時〜16時と10時〜17時と書いてあったのでこれを9時〜17時にできないだろうかということと、残業はどのくらいあるのかを訊いてみて、その結果応募するかどうかを決めようと思った。

 すると9時〜17時はOKということになったが、残業はほとんどないということだった。後は個人的に面接に行ったうえで確認した方がいいと思い、面接を受けることにした。

 そして本日、面接に行った。他に男女ひとりづつ見えていて、僕が行った時にはもう説明をされていた。どうもいろいろな職種を募集しているようで、受付の女性にいろいろと訊かれて戸惑ってしまったが、先に来ていた2人といっしょに説明を訊くことになった。

 職安の求人票では長期での募集になっていたが、実際は12月末までの契約でそこから長期希望の人はそれまでの働きぶりを見て考えるということだった。残業のことを訊いてみると僕の行くことになっている部署は、それなりにあるらしい。12月末で一旦契約が切れるというのは不安だけど、アルバイトではよくある話だし、自分のやってみたい仕事なので採用されたらやろうと思った。12月でお終いになったら、またその時考えればいいことだ。

 話しているうちに僕の経験と資格がかなり評価されているのがわかった。そんなに大した経験でもなく、今までほとんど役に立たなかった資格だが、何か持っていればいいこともあるのかもしれない。

 その後、担当の人が社内を案内してくれた。仕事はそんなに難しくなく、やる気があれば大丈夫そうだ。採否は電話連絡でということだったが、どういうわけか僕は即採用になってしまい、16日から出勤することになった。

 もうひとりの男性といっしょに駅まで帰ったが、「おめでとうございます」などと言われ照れてしまった。その男性は今まで重機の組み立てとかをずっとやっていたとのことで、今度の仕事は全く始めてだそうだ。まだ、何人か面接には来るようだけど、いっしょに面接を受けた女性も含めてまた会えるといいなと思った。

家に帰ると、この前履歴書を送った会社から不採用の通知が来ていた。(2003.9.11)




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