マジックナンバー点灯!


 ついに昨日(7月8日)、阪神にマジックナンバー49が点灯した。プロ野球に詳しい人なら知っているだろうけど、マジックナンバーとは他の5球団の自力優勝が消えた時点で点灯する。阪神が勝つごとに1つ減り、マジック対象チームが負けても1つ減る。ただ、阪神に負けが込んできたりして他球団に自力優勝の可能性が復活した場合は消滅する。点いたり消えたりする、だからマジックナンバーと呼ばれているようだ。

 阪神にマジックがついたのは1985年に優勝して以来18年振りだ。この年は僕がちょうど社会人になった年でもある。1985年の時はマジックがついてもまだ優勝できるかどうか半信半疑だった。だけど、今年は優勝を確信しているし、点いたり消えたりするマジックだけど、たぶんもう消えることもなく、順調に数が減っていくような気がする。そして、9月中旬くらいには0になると思う。

 阪神ファンになってもう30年が経つけど、小学生の時は死ぬまでにはせめて1回くらい優勝をみたいなと思っていた。阪神ファン、特に長いファンは阪神に対して屈折した複雑な気持ちを持っている人が多いと思う。‘信じられないけど、愛している’というまるでB級の恋愛映画に出て来る男女の間にあるような感情だ。

 今まで十数年にわたっていくら気持ちを寄せても裏切り続けた男或いは女が、急に誠実になって僕の、私の気持ちに応えるようになり、信頼できる存在になったのだから今まで溜まっていた恋愛感情が爆発するのは当然のように思う。これだから阪神ファンは止められない。

 阪神のマジックは大変うれしいけど、僕の方のマジックナンバーは気づいたらかなり減っていた。今日、認定日だったので職安に行った。今まであまり考えないようにしていたけど、雇用保険受給者証に押された失業保険の残日数が22日になってしまった。往年の阪神の4番、田淵の背番号ではないか…

 これがそのうちムーアくらいになり、アリアスになり、藤本、片岡と1桁台になってさらに今岡、金本、沖原、藪、八木、そして谷中になって最後に秀太…、そろそろ本気にならないと、と思った。( 阪神の選手に詳しくない人すみません(^^; )

 職安で自分の名前が呼ばれるまでの間いろいろと考えてしまった、一体、自分はどうなりたいのだろう?と。気づくと65歳くらいから人生を逆算している自分がいて、愕然としてしまい自己嫌悪を襲われたりする。今の自分は自由と安定というおよそ相容れない2つのものを知らず知らずのうちに両方とも追い求めている気がする。

 この2つを同時に手に入れるのは絶対に不可能だ。どちらかに比重をおきながら、うまくバランスをとって妥協点を探すしかないのだろうけど、その妥協点を見出すことができない。こんなことをいくら考えても答えがでないのは当たり前で、いくら考えても答えはみつかるものではない。答えは探すものではなく、自分で決めるものだから。

 とりあえず、あまり先のことを考えるのはできるだけ止めようと思った。知らず知らずのうちに考えていたりするけど…。生き方を考えるということは死に方を考えることなのかもしれない。

‘過去に囚われず、明日を考えず’という心境になるのはなかなか難しい。(2003.7.9)




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