職安奮戦記

5月12日、まだ残っているはずの失業手当をもらう手続きをそろそろしておこうと思い職安に行った。前の会社を3ヶ月弱で辞めてしまった僕だが、その前の会社での給付日数が多少残っていた。空はどんよりと曇っていたが、雨はどうにか大丈夫そうだったので電車賃を節約するため歩いていくことにした。職安に行ったら離職してしまった理由を訊かれるのだろうか?その時はどうしよう… 「仕事が自分に合いませんでした」にしようか、それとも「会社の雰囲気が自分には合いませんでした」がいいか…?どっちもそうなんだけど。だったら、「仕事も会社も僕には向きませんでした」かな?

そんなことを考えながら歩いて職安に行った。約3ヶ月振りだ。職安の中はちょっと模様替えされていて、仕事を検索するPCのスペースがやや狭くなり、待つ人のためのロビーが拡張されていた。受付の位置もちょっと変わっていた。だけど、中は相変わらずの大盛況のようで検索機が空くのを待っている人、会社紹介や職業相談を待っている人、失業手当の申請や求人の申し込みを待っている人でせっかく拡張されたロビーに置かれたソファも全部うまっていて立っている人も多数いた。特に失業保険の給付の手続きに来る人がひっきりなしだ。次から次にと失業者が産み出されている感じがする。

受け付けで用件を言うと、奥の窓口のところにある箱の中に雇用保険受給資格者証が入ったファイルを入れて順番を待つように支持された。混み具合から、かなり長い時間待つことを覚悟していたのだが、30分くらい経ったところで名前を呼ばれた。男性の職員の前に座ると
「今日はどういうご用件ですか?」
と訊かれた。
「失業手当の再支給の申請についてなんですが…」
と詳しい説明をしようとすると職員が引き取って
「再離職したので、それでですね。え〜と離職の理由は自己都合でよろしいですか?」
とこちらからはあまり説明する必要もなく、手続きは進んでしまった。
「離職証明書とかは今、持っていますか?」
と訊かれたので会社からもらった書類を提出した。職員はそれを雇用保険受給資格者証といっしょのファイルに入れた。
「ではこれを持って2階の26番の窓口に提出してください。離職票はお持ちですか?」
「離職票は勤めた期間が今回3ヶ月くらいだったので必要ないかと思ったんですけど…」と言うと
「短くてもたぶん必要になると思いますので、もし言われたらご用意ください」
と言われた。僕はお礼を言って2階の26番の窓口に行った。下の階に比べるとまだ少なかったが、雇用保険の受給窓口にはかなりの人が順番を待っていた。僕も去年の10月にはああして手続きしたんだなと思い、不思議な気分になってしまった。

僕が指定された26番の窓口は失業の認定などをするところのようで、あまり待っている人はいなくて、ファイルを提出すると割合とすぐに名前を呼ばれた。係りの職員はほとんど何も言わず黙々と手続きを進めた。僕が訊かれたのは離職の理由が自己都合であることだけだった。それと下で言われた離職票が必要なので用意をしてくれということ、明後日に失業の認定があるので来所してくれということだった。離職票はその時に間に合わなくてもかまわないが、それが提出されないと失業手当は支給されないとのことだった。それにしても、明後日、失業の認定…ってやけに早いじゃないか?と思った。

そういえば僕は確か水曜日の4型とかいうヤツじゃなかったっけ?それがまだ生きていたようだ。だけど、もう2日しかないし、その2日のうちに2回以上の求職活動をしないといけないのだろうか?と職安を出てからいろいろと疑問が浮かんできたが、もうどっちにしても2回の求職活動は無理だし、今度の水曜日に行けば何か指示をされるだろう。そしたらそれに従えばいいだけだと思った。


14日の水曜日、認定日の指定時間が8:45〜9:15だったので、久しぶりに早起きをして8時30分に家を出た。今日もどんよりと曇っているけど雨は降っていないので、自転車で行くことにした。帰りにちょっと足を延ばして大きい本屋さんに寄ろうかと思ったけど、まだ開店していないかもしれないし、行こうと思えばいつでもいけるからそれはまた後にとっておくことにしよう。

午前中、職安は1階の検索機は空いていることが多いけど、2階の失業の認定をする窓口は大混雑だ。8:45はたぶんこの日最初の認定なんだろうけど、30分置きに時間が指定されているからすでに9:15〜からの人達も来ていたりする。僕も26番の窓口に書類と提出して柱のわきで待っていたら、目の前の席が空いたので座ることにした。

僕の場合、今日は2日分の認定でさらにまだ離職票を提出していないので、失業手当は支給されないのだけど、この日に行っておかないとやっかいなことになる。不毛な時間ではあるが仕方ない。待っている人も様々だ。年代も性別もありとあらゆるタイプの人がいる。目をずっと瞑っている中年の女性、携帯でずっとメールを打っている若い男性、僕の右隣に座っている中年の男性は英語で書かれた詩のようなものに目を落としていた。

かなりの待ち時間を覚悟したが、以外に早く名前が呼ばれ、あとは事務的に全部進んだ。この次の認定日は6月11日でその日に離職票は提出すればいいということだった。それとこれはわかっていたことだけど、離職票がないと失業手当の支給はできないと申し訳なさそうに言われた。たぶん、僕がいかにも貧しそうにみえたのかもしれない。「ちょっと大変だろうけど…」なんて言われると、そうでなくても胸に迫るものがある。次の時に今回の2日分もまとめて支給になるそうだ。
また、これからはちょくちょく職安に行くことになる。仕事を探すという仕事を日給6500円でやるとでも思うことにしよう。ただし、雇用期間は3ヶ月弱だけど…(^^;

たぶん つづく …(2003.5.15)


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