風紀委員会・4


                「小野〜」

                水曜日。

                時は昼休み。

                名前を呼ばれた和明は声のする方へ顔を向けた。

                「何?」

                声の主は、教室の後方にあるドアの前でこちらを向いていた。

                「後輩くんが呼んでるよ」

                「後輩?」

                部活に入っていない和明に後輩と呼ぶような相手と言えば―

                「秋月、くん…?」

                とりあえず、ドアの元へ向かうと、やはりそこに居たのは華音だった。

                「すいません。お呼び立てしちゃって」

                「いや…どうしたの?」

                華音は人好きのする笑顔を浮かべて、筒状になった紙を差し出した。

                「ポスター、規定枚数分出来上がったので持って来ました」

                「もう出来たの?すごいな…。でも、金曜日でよかったのに」

                「一応早めにお渡しした方がよいと思って。先輩、もうお昼食べました?」

                華音はそう言って教室を覗き込むと、和明が座っていた辺りを見やった。

                「いや、まだ食べてないよ。これから買い出しにでも行こうかと思ってたとこ」

                「それならちょうどよかった。よかったら、食堂ででもお昼一緒しませんか?」

                「え?」

                思ってもみなかった誘いに和明は一瞬戸惑った。

                友達が居ないわけではなかったが、

                昼休みも委員会の作業をすることが多い和明は、

                基本的に1人で昼食を食べていた。

                それを分かっているのか、特に誘ってくるクラスメートもいなかったのだ。

                「あ、ごめんなさい。迷惑だったらいいんですけど…」

                「あ、いや、そうじゃなくて…ちょっとびっくりしただけ。

                財布持って来るから、待っててくれる?」

                和明は慌てて弁解すると、財布を取りに席へと一旦戻り、

                華音と共に食堂へと向かった。

                 

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今回、ちょっと短めです;
続きがどうしても思い浮かばなくて…
Lu.umiにバトンタッチ♪
(2005/02/20 HINATA)