2001・8/18(土)19(日)




チェスキー・クルムロフ

 今回の東欧の旅を決めたのは、インターネットでこの美しい、宝石箱のような街の写真を見て、行ってみたい!という気持ちが起こったからだ。もちろんチェコはプラハというヴァルタ川の沿岸に、赤い瓦屋根の間から青銅の塔が顔を覗かせる美しい街がある。チェスキー・クルムロフは、1992年にユネスコの世界遺産に指定された街であるが、とにかくこの街を訪ねることが一つの夢だった・・・・・。


プラハ ヴァルタ川の両岸に広がるボヘミアの古都。幻想を誘う百塔の街。

 ホテルから車で30分。ヴァルタヴァ川の左岸、丘の上にそびえ立つ城郭。プラハ城だ。ここには14世紀のカレル4世から19世紀のルドルフ2世までの建物が一堂に会している。まず、目の前に一対の塔が聳える。聖ヴィート教会だ。何度も手が加えられ、ロマネスク、ゴシック、ルネッサンスの様式が組合わさっている。外壁のモザイク画もすばらしい。堂内にはミューシャの手がけたステンドグラスもあった。見学の後、色とりどりの小さな家が並ぶ黄金の小径に出る。それにしてもヨーロッパの聖堂や教会のステンドグラスはなんと美しいことか。
 プラハの街は、ヴァルタヴァ川に架かるカレル橋とその背後に控えるプラハ城のこの構図だと思う。「音たてやまぬ日々の残響は、色褪せてゆく塀の中で揺れている。輝く名声がひそやかな光のように、静かな宮殿の額の上にしずもっている。」(リルケ)
 ヴァルタヴァ川に架かる、東欧最古の石橋、カレル橋。旧市街につながり、歩行者専用の長さ520メートル、幅9メートル。両脇の欄干には30体の聖人像が立っている。そして橋の上では大道芸や土産物の店でにぎわっていた。
ボヘミアングラスの店で買い物の後、旧市街広場に出掛けた。ティーン教会前の広場はカフェやショップ、ギャラリーにつかわれ、大変な賑わいであった。それもそのはず、旧市庁舎のからくり時計が12時を打とうとしていたのだ。1時間ごとに12使徒が登場し、雄鶏が鳴く精巧な仕掛けだ。そういえばローテンブルクのマルクト広場のからくり時計もユニークだったなぁ・・・・。
 さて新市街周辺はというと、ヴァーツラフ広場が旧市街の端から正面の国立博物館まで700メートルにわたって延びている。両脇には老舗のホテルやショップ、レストラン、デパート、映画館がずらっと建ち並んでいる。2時間ばかり自由時間があったが、家内はパリで買えなかったルイ・ヴィトンのバッグを並ばないで買えたことを喜んでいた。「チェコ人はヴィトンなどに興味ないんじゃないの?」
 曲がりくねった石畳の路地や名も知らぬ建物がプラハの街の美しさを醸しているのを肌で感じた。
聖ヴィート教会壁画 旧市街入り口 旧市庁舎からくり時計


ボヘミアの古城  古城の一つ、チェスキー・シュテンブルク城を訪ねた。

プラハから40キロほど足をのばして、森に囲まれてたたずむ古城の一つ、チェスキー・シュテンブルク城を訪れた。現在は個人の所有で、女性的な白亜の古城だった。内部には狩猟の武具などが展示され、当時の貴族趣味の一端がうかがえた。そこから眼下にはヴァルタヴァ川と緑豊かな森、なんとも言えぬ可愛い家並みが見下ろせた。


チェスキー・ヴディヨヴィッツェ  「バドワイザー」の生まれ故郷。

ボヘミア地方を南にドライブ。夢に見たチェスキー・クルムロフに向かう途次、あのバドワイザー・ビールの生まれ故郷、チェスキー・ヴディヨヴィッツェ(舌を噛みそうな地名だ)に立ち寄った。ここまで来て飲まずにおれようか、美味しく飲みたいがために、教会の前にある塔の252段の階段を駆け上がった。登ったところで15コルネ(45円)。眺めは本当に素晴らしかった。お陰でビールの美味しかったこと。
街の広場 BlackTower Towerからの眺め


チェスキー・クルムロフ  プラハから140キロ。中世の古都。

 ヴァルタヴァ川が、何回も曲がりくねりながら流れている周辺に、最初の居住者が定住した場所がクルムロフと呼ばれた。古ドイツ語の「ねじれた形の川辺の草地」に由来している。15世紀よりチェスキー(チェコの)が加えられた。人口12000人の小さな街。ごく最近までは、ルネサンス時代のまま息をひそめてたたずむ街であったが、1992年に世界遺産に登録されるや、長い眠りから覚めて急に脚光を浴びだしたのだ。高台に立つチェスキー・クルムロフ城は、プラハ城に次ぐ規模。タイムスリップしたような街並み。是非この美しさを見て欲しい。
ブラーシュチョヴィー橋 ホルニー通り
ラゼブニツキー橋より城を望む シャトラヴスカー通り