Music description

作品解説


  16   レクイエム 追加
更新日時:
2006/04/30 
 モーツァルトのレクイエムが未完成ということに関連して、蛇足であるが若干述べたいことがあるので追加した。
 未完成に終った曲はたくさんある。その中で、比較的演奏の機会が多いのは、モーツァルトのレクイエム、シューベルトのロ短調の交響曲、ブルックナーの交響曲第9番などであろう。例えば、シューベルトの交響曲第7番(8番)の場合、2楽章で充分に完成していると表現する評論する人達が多い。しかし、現実に、シューベルトは第3楽章の力強いスケルツォを書き始めている。私は第3楽章の冒頭の断片まで演奏するのが理想であると思う。事実上無理であるならば、次のスケルツォの楽章を予感させる演奏でなければならない。古典的枠組みを持つ交響曲を2楽章で完結させる演奏はおかしいと思う。(セレナード第13番 アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525 の項のコメント部分参照)
 また、先日亡くなったイタリアの作曲家 ルチアーノ・ベリオ氏(1925ー2003.5.27)の作品にシューベルトの「レンダリング」(直訳すると翻訳という意味であるが)という曲がある。交響曲第10番となるはずの草稿を組み立てたものである。余計な編曲をせずにシューベルトの素材を使い、つなぎの部分はシューベルトのモチーフを現代音楽風に用いている。つなぎの部分はちょうど意識が混濁しているようなイメージがする。云わばシューベルトに対するオマージュの曲であるが、シューベルトに敬意を払い、愛情が感じられる。よくあるゲテモノや売名行為の曲ではない。現在は海外盤で数種類CDが出ているので興味のある諸氏は聴いて欲しい。未完成の曲に対する一つの指針であると思う。
 
演奏・録音
 
 シューベルト/ベリオのレンダリングについては、没後ということもあり、現在、ベリオ自身の指揮、ジョナサン・ノット指揮、エッシェンバッハ指揮、シャイー指揮のもの等があるが、デッカレーベルのシャイー指揮のCD(476 2830)を推薦する。シャイーはこの曲を深く理解している。
 
Reqiem (Addition)
 
There are much musics which finished incomplete.Probably,as for Mozart's Requiem,Symphony of Schubert's B minor, Symphony No.9 of Buruckner,etc, there are comparatively many performance opportunities in it.
For example,in the case of the Symphony No.7(8) of Schubert,there are many people who will express if it has fully completed by two movements and who criticize.I think that is a mistake.Shubert is begining to write the forcible Scherzo of the 3rd movement actually.I think that an ideal peforms even the fragment of the begining of the 3rd movement.However,if impossible as a matter of fact,we must be the performance which makes a presentiment of the movement of the fllowing scherzo have.
Moreover,the music Shubert's "Rendering for Orchestra" is in the work of Luciano Berio (1925-2003).I want interested ladies and gentlemen to hear.I thnk that it is one indicator over incomplete music.
 


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