1779年8月3日、ザルツブルクで作曲される。(自筆楽譜の記載による。)
この曲は、フィナールムジーク(Finalmusik, 直訳すると終了音楽)とされている。フィナールムジークとは、学生(ザルツブルク大学)の基礎学年終了時(8月)の催しのための曲である。通称名の「ポストホルン」は後世名付けられたものであり、郵便馬車用の信号(出発や到着時の合図)に使用されていた小型ホルンが楽器として採用されていることに由来する。このセレナードは全7楽章の構成になっている。ポストホルンは第6楽章に用いられている。
第1楽章 アダージョ・マエストーソ − アレグロ・コン・スピーリト
第2楽章 メヌエット − アレグレット
第3楽章 コンチェルタンテ ー アンダンテ・グラツィオーソ
第4楽章 ロンドー − アレグロ・マ・ノン・トロッポ
第5楽章 アンダンティーノ
第6楽章 メヌエット
第7楽章 フィナーレ − プレスト
ザルツブルク大学は、論理学と自然科学の学部があり、祝賀行事には音楽が演奏された。大学のみの行事ではなく、多くの市民も参加していたようである。大司教のいるミラベル宮殿の庭園と大学広場でフィナールムジークは演奏された。通常、セレナードと行進曲はセットになっており、移動の際の行進曲は、2つの行進曲 ニ長調 K.335(320a) が使用された可能性が高い。
セレナード 第9番は、専門家でもいろいろな解釈が存在している。セレナードは一般的に多楽章で、祝典的な内容、舞曲、メヌエット、協奏曲風的な楽章、交響曲的な楽章等の要素が含まれているので、当然の現象とも言える。
「ハフナー」 セレナード (第7番 ニ長調 K.250)ほど長大な曲ではないが、演奏時間は約40分くらいかかる。聴き方としてはゆっくり休憩を取りながら耳を傾けるのが良いのではないかと思われる。
演奏・録音
RCAレーベル (BMG) ギュンター ヴァント 北ドイツ放送交響楽団 2001年4月 ムジークハレ (ハンブルク) のライブ録音を挙げる。晩年のギュンター ヴァントのコンサートで取り上げた曲目は私の個人的好みと一致する部分が多い。演奏は構造的にしっかりしたドイツ人らしいものである。
Serenade No,9 "Posthorn" in D major K.320
Music was written in Sarzburg on August 3,1779.This music is a Finalmusic.It is the music for the event at the time of a student's basic grade end.Sarzburg university had the faculty of logic and natural science.This serenade has composition of all 7 movements.The Posthorn is used for the 6th movement.
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