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≪トリプルフロア−1≫

 地下5階のスタートだ。階段から下りてすぐのところに、「トリプルフロア」と書かれていた。どうやら5階から7階は複雑に絡み合っており、3つの階層を行き来しながら探索しなければならないようだ。もっともマロールで移動している私たちにとっては、どんな複雑な構成も障害にはならないけれど。

 さて、ここで重要な問題が1つある。それは迷宮が3つの階で1つになっているということであり、この日記も3つを1つにまとめてもかまわないということだ。
 ・・・いいですよね?
 いいですよね!?
 い・い・で・す・よ・ねっ!

 しかしこんなところにメモが残されているということは、私たちよりも先に進んでいる冒険者がいるということなのだろう。これはまずい。急がなければ、報奨を先取りされてしまう。待っていてくださいよ、マナヤ様!


≪トリプルフロア−2≫

 ついに現れた。カニトが効かない高レベルモンスター達だ。しかしカニトが主力魔法だったのは昔のこと。マロール&凶悪魔法による爆撃作戦の前では、新登場モンスター達も、そのほとんどがあっという間に吹っ飛ばされる。苦戦するのはウィルオーウィスプ(鬼火?)くらいだろうか。こいつは非常に防御力が高い上にほとんどの魔法が効かず、こちらの後列へ攻撃することもあり、さらに石化能力まで持っている強敵だ。

 そしてとあるウィルオーウィスプ戦。後列にいたエディシアは、こいつの攻撃を受けて石化した。しかし心配はいらない。マディの魔法ですぐに回復だ。と思ったら、また石化させられた。ええい、もう一度マディだ。ああっ、また石化くらった! なんで3回続けて一番どんくさ・・・もとい、戦闘が専門外の奴を狙うんだよ!
 ・・・もしかしてモンスターたちの間で、幸運の女神像が流行しているのだろうか。だとすると、何度も石化と回復を繰り返していたあの戦闘を誰かが目撃していれば、きっとポーズのやり直しをしていると思ったことだろう。


≪トリプルフロア−3≫

 地下5階と6階の探索がほぼ終了した。そこで以前から気になっていた、地下4階にある落とし穴に落ちてみることにした。この落とし穴は下の階まで落とされるタイプのものなのだが、鍵がかかった扉の奥にポツンと設置されており、いかにも「秘密がありますよ」と言わんばかり。あまりにも怪しいため、これまでは近づかないようにしていたのだ。
 しかし何が出てきても平気な戦闘力と、どこへ落とされても平気な帰還手段(マロールなど)を手に入れた今なら、何が起きても大変なことにはならないと思うのだ。

 そして落ちてみると、予想通り地下5階まで落とされた。探索していると、すぐにまた落とし穴が見つかった。また落ちてみると地下6階へ。そしてさらに地下7階への落とし穴が・・・って、こらっ! こんな仕掛け、普通に引っかかったら全滅へ一直線じゃないか! これだからウィズは油断できないんだよな。えっ、私たち? もちろんマロールを使って、何事もなく帰還しましたよ。

 今日の日記はこれで終了。・・・え、オチがないって? いいじゃないか。落とし穴に3回も落ちたんだから。・・・ううっ、さむっ。


≪トリプルフロア−4≫

 地下7階の敵はさすがに強い。魔法をケチったり、運悪く避けられたりすると、ピンチになることも多い。特に即死魔法は怖すぎる。防御魔法をかけていないと一発で昇天だし、その防御魔法も今のレベルでは信頼性に欠けるからだ。というわけで、久しぶりのリセットを何度かするはめになってしまった。

 後で考えてみると、蘇生に必要な費用はすでにはした金になっているし、蘇生の魔法だって使えるんだから、リセットする必要なんてなかったんだよな。
 ま、失敗すると怖いし(2回連続失敗でキャラクター消滅!)、蘇生すると生命力が下がったり年取ったりすることも多いから、早めのリセットにも意味があるんだけどね。それに特殊能力 “リセット” をたまには披露しないと、私がよりも役に立っていないと思われてしまいそうだから。・・・それだけは絶対に嫌だ。


≪トリプルフロア−5≫

 昇降機を使ってトリプルフロアに下りてみた。どの階も、近くにモンスターの住処があるだけという構成になっており、どうやらここで鍛えてから探索をするのが本来の進み方のようだ。ちなみに地下8階と9階にも行けるのだが、なんとなく怖いので行っていない。地下7階の敵と余裕を持って戦えるくらいまで鍛えたほうがいいだろうしね。
 というわけで、しばらくはこの辺りで訓練だ。

 トリプルフロアは5〜7階。さすがにこの階まで下りると、強力な、そして高額なアイテムが手に入る。そこでボルタック商店に鑑定を依頼するのをやめることにした。ビショップのエディシアに鑑定させれば、高額な鑑定料金がそのまま懐に入るようになるからだ。

 冒険者がパーティを組むのは、戦闘で有利になるという理由だけではない。冒険で求められるのは戦闘力だけではないのだから。1人の人間が全ての技能を修得するのはまず不可能だ。しかし様々な分野の専門家が集まれば、パーティとしてはあらゆる状況に対応できるのだ。そしてここに、7人全員が力を合わせて探索を行う素晴らしいパーティが生まれた。
 さあエディシア、このアイテムを鑑定するんだ!

 「呪われてしまった!」

 ・・・鑑定に大失敗したらしい。よりにもよって、呪われたアイテムの時に。
 結局、またボルタック商店のお世話になることになった。ちなみに呪いを解くのにかかった費用は4000G。しかもそのアイテムは消滅する。つまり4000Gの赤字になったということだ。うーむ、まだエディシアに鑑定を任せるのは無理か。

 専門家の肩書きを持つ人が、肩書きに見合うだけの能力を持っているとは限らない。そして人が集まれば、中には足を引っ張る人もいるものだ。しかしそんな人たちを見捨ててはいけない。目に見える利益を生み出すことだけが、人間の価値ではないのだから。
 エディシアもそんな1人だ。彼女は冒険中にはほとんど役に立たず、今回のように足を引っ張ることも珍しくない。しかしそれでも、このパーティには欠かすことのできない、極めて重要な人材だ。なぜならば・・・
 他に日記のネタがないんだもん!(注)

 しばらく訓練を繰り返した私たちは、優れた装備をいくつも入手したこともあり、通常攻撃にも十分な効果が期待できるほどになった。まだまだ魔法には遠く及ばないとはいえ、コストが無いのだから当然といえば当然だ。もしかすると、今が一番バランスの良い時なのかもしれない。
 そして探索を再開し、最深部に眠っていた墓守の鍵というアイテムを入手した私たちは、トリプルフロアを後にすることにした。

 やった、3つの階が1ページで終了だ!
 地下8階と9階が、ダブルフロアになっているといいんだけどなー。

注:ウィズのプレイ日記を書くのがこんなに難しいとは思わなかった。まるで電話帳を読んで読書感想文を書いているような気分だ(ちょっと大げさ)。で、でも頑張ります!


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