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≪地下2階−5≫

 戦力が大幅にアップしたので、元気良く迷宮に挑戦だ。入ってすぐに、覚えたばかりの常駐呪文を使ってみる。いや、使ってもらう。
 まずはラツマピック。これはモンスターの正体を完全に見破る魔法で、これを使っていると「ローブを着た男」などという不確定状態が存在しなくなるのだ。
 続いてロミルワ。これは暗闇を照らす明かりの魔法で、迷宮での移動が非常に楽になる。暗所恐怖症の人には必須の魔法だ。
 最後はマポーフィック。これはなんと、全員の防御力を上昇させる魔法だ。

 常駐呪文のおかげか、それともマハリトとラハリト、さらには僧侶系の攻撃魔法であるバリコ(カミソリの風)までが乱舞する凶悪なパーティ構成のためか、もはや地下2階の敵は敵じゃない。いや、敵は敵なんだが。

 スフィンクス戦の前に、行ける所は行っておこう。そんなつもりで探索を続けていたのだが、気になる出来事が続いた。チャーマーが友好的なモンスター(注)として出現したのだ。しかもその直後に、スフィンクスまでが友好的なモンスターとして出現する。まさか、奴らは単なるザコなのか? 隠し扉の奥にいたのも、マハリトに耐えたのも、いきなりマハリトを使ってきたのも、全ては偶然だったのか? そしてスフィンクス戦のことを考えずに魔法を使いまくり、使用回数が激減している今、突然戦わなければならなくなることもあるのか?

 不安は的中した。現れたのは、スフィンクス3体とチャーマー5人。
 まずい。使えるダメージ魔法は、マハリトとバリコが1回ずつ。バリコの威力はマハリトにも劣る。どうする? 戦うか、逃げるか・・・。
 私が選択したのは「戦う」だ。考えてみてほしい。スフィンクスが中ボスでないのなら、序盤に出現するザコでしかないのなら、滅多にマハリトなど使ってこないはずだ。そしてマハリトとバリコを集中させれば、一気に全滅させることだってできるはずだ。チャーマーの方はカティノ(眠り)とモンティノ(魔法封じ)の魔法で行動を封じれば・・・。

【戦闘】
 リュード : チャーマーにカティノを使うが全く効かず。
 エレナ : チャーマーにモンティノを使うが全く効かず。
 スフィンクスその1 : マハリトでこちらに大打撃を与える。
 スフィンクスその2 : マハリトでこちらを壊滅させる。
 ヨシヒト : リセットして、この戦闘をなかったことにする。

 さて、探索を繰り返していた私たちはレベル8に到達した。しかもなんと、エディシアの知恵が上昇だ! しかし彼女の上昇はこれだけで、他の人たちもさっぱり。ファルナにいたっては、逆に生命力が下がってしまった。どうやら奴の知恵を上昇させるだけで、今回の運を使い果たしてしまったらしい。ロクでもない幸運の女神だな。
 いや、もしかするとレベル7〜8の間は、エディシアの学力向上強化期間になっていたのかもしれない。彼女の教育に手を焼いたため、他のことにまで手が回らなかったのだ。しかし5人がかりでこれならば、彼女のビショップへの転職は、考え直した方がいいのかもしれない。
 ・・・でもウィズの職業には、遊び人や道化師なんてないんだよなぁ。

注:ウィズには友好的なモンスターというのが存在する。この場合には戦うかどうかを選択でき、戦うと性格が善のキャラクターが悪に変化することがある。逆に戦闘を避けると、悪のキャラクターが善に変化することがある(性格が中立のキャラクターは変化しない)。そのため善悪混合のパーティを維持するのは、リセットなしでは難しい。このプレイ日記で後に登場する上級職のロードは善、忍者は悪の性格でしかなれず、性格が変化してしまうと専用の強力な装備を身につけられなくなるため、この2職業の好きな方に性格を合わせるのがウィズの基本だ。もっとも上級職は専用装備なしでも強いので、選ばれなかった職業は、悪のロードや善の忍者として活躍するわけだが。


≪地下2階−6≫

 地下2階の探索の最後になって、ついにもう1つの上り階段を見つけることができた。そして上ると、地下1階の未探索部分に到着だ。

 地下2階で鍛えたため、地下1階での戦闘は非常に楽だ。魔法重視のパーティではあるが、ほとんどの敵を武器攻撃で簡単に倒すことができる。
 そうそう、エディシアがシャムシールという曲刀を購入した。その結果、これまで武器攻撃では滅多になかった2桁のダメージが頻繁に出るようになった。
 すごいぞシャムシール。強いぞシャムシール。
 ・・・え、エディシア? ・・・はっきり言って、役に立ってません。だって2桁ダメージなんて、マハリトでも簡単に出るんだしねぇ。

 地下1階の探索には意外にてこずった。街へワープさせられる罠があったからだ。こういうものはうまく使えば役に立つのだが、今の私たちにとってはジャマでしかない。それに1度目は仕方がないのだが、なんと2度も引っかかってしまったのだ。記憶力の悪さに自己嫌悪してしまう。
 みんなの冷たい視線を感じながらも探索を続け、地図の空欄を埋めていく。そして見つけた怪しい部屋で、仕掛けにくさびを打ち込むと・・・。


≪地下2階−7≫

 地下2階の落とし扉が作動しなくなっていた。その先にあったのは昇降機(エレベーター)。どうやら地下1階から4階まで行けるようだ。しかし1階の部屋は、出入口のすぐ近くにありながら間に障害(ゲーム開始直後に見つけた暗闇の通路)があるため、実用性は低そうだ。今は、だけれども。

 これで地下2階までの探索が終了したことになるのだが、私たちは、その後も地下2階での冒険を続けていた。なぜなら、重大なやり残しがあるからだ。それを終えるまでは、先へ進むことなどできはしない。
 扉を開ける。・・・違う。
 また開ける。・・・また違う。
 さらに開ける・・・またまた違う。
 どこだ、どこにいる。出てこいスフィンクス。出てきて尋常に勝負しろー!


≪地下2階−8≫

 決戦の時が訪れた。ついにスフィンクスとチャーマーの群に遭遇だ。しかしなかなか出会えなかったため、ザコとの戦闘で経験値を稼ぎすぎ、私たちのレベルは9に達していた。現在の主力魔法はカニト。不死系やレベルの高い敵にはまったく効果が無いとはいえ、それ以外の敵1グループを確実にチリにする凶悪な魔法だ。ラハリトの2倍、マハリトの3倍ものダメージを叩き出すマダルト(吹雪)が窓際に追いやられていると書けば、その威力を分かってもらえるだろうか。

 そんなわけで、私に2度もリセットをさせたスフィンクス達は、何もできずに蹴散らされたのだった。
 ・・・尋常な勝負にならなかったな。


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