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≪地下1階−1≫

 ここは地下迷宮。一寸先は闇・・・と言うほどではないが、周囲のわずかな空間しか見ることができない。多くのモンスターや罠が待ち受けているというこの迷宮を、こんな状態で進まなければならないのは危険極まりない。しかし恐れていては先に進めないし、何も得られない。リーダーたる私は勇気を奮い起こし、行き先の指示を出していく。
 始めの分かれ道はまっすぐに、次の分かれ道は左に・・・うげげ、また分かれ道だ! これはまずい、このままでは確実に道に迷ってしまう。全員、引き返すぞ!
 こうして、私たちの記念すべき初冒険が終了した。

 ・・・終わってどうする。


≪地下1階−2≫

 迷宮に再挑戦することにした。今回の目的は、入り口のすぐ近くにあった扉を開けてみることだ。そして慎重に開けてみると・・・うわっ、真っ暗だ! これぞ真の闇。本当に何も見えない。これはヤバイ、全員退却!

 入り口まで引き返してきた私たちは、今度は左手法という手段を試してみることにした。これは壁の左側にそって進んでいくというもので、本来は迷路から脱出する時に使われるものだ。しかしこれを応用して左の壁に沿って進み、帰りはその逆を行えば、どんなに複雑な迷宮でも確実に帰還することができるのだ。これを使わない手はない。
 ところが、しばらく進んで敵と戦い、傷を癒すために街へ引き返している途中で、ローブを着た男(注)の攻撃魔法を受けてリュードが死亡! 早くも1回目のリセットをすることになってしまった。
 しかしこの作品はリセット前の状態に関係なく、北を向いた状態で再開される。そして私は、どの場所でどの方向を向いた状態でセーブされたのかを覚えていなかった。
 ・・・えーっと、つまり、早い話が道に迷ったということだ。

 迷子になっても気にしない不屈の精神を持つ私は、迷ったことをおくびにも出さず、リーダーとして指示を出していく。そして出口を求めてさまよっていると、シリュンが何かに気付いた。壁を調べてみると・・・おお、隠し扉じゃないか。しかしその先へ行く余裕なんてないので、扉はそのままにして出口を探し続ける。
 しかし大人が迷宮で迷ったら、迷子なんて言い方しないよな。もしかして、これって遭難!?

 これで帰れなかったらどうなるんだろう。プレイ日記はいきなり終了か? それともやりなおして、日記はごまかして書くか?
 しかし道に迷いなれている私は、豊富な人生経験を生かして歩き続け、なんとか帰還することができた。
 人は経験を糧にして成長し、大人になっていく。つまり私は、立派な大人になれたということだ。若い読者は私を見習い、立派な大人になってほしい。

注:ウィズでは、敵の正体が常に分かっているとは限らない。正体の判別は自動で行われ、失敗すると不確定名というあいまいな名称で表示される。しかも不確定状態のイラストまで用意されているという凝りようだ。しかし早い段階で正体を識別する魔法を修得できるので、中盤以降の敵は不確定状態が存在しなくなってしまうのだが。そのためそれを良しとしないマニアの中には、その魔法を修得しても使わない人がいるらしい。


≪地下1階−3≫

 3度目の挑戦。今度は初めの分かれ道で右へ行ってみる。するとすぐに行き止まりになり、2つの扉がついていた。開けてみると、どちらもモンスターの住処になっていた。おお、出入口のすぐ近くに稼ぎ場所があるんじゃないか。
 というわけで、私達はその後しばらく、そこで戦闘訓練を行うことにした。

 見つけた訓練所と街を何度も往復する。スティンクスライム(ヘドロのような敵)を魔法で眠らせ叩き斬り、ローグ(野盗)を倒して金品を巻き上げ、こちらの2人の僧侶には攻撃魔法ばかり使わせるという、何か間違っている戦いを繰り広げているうちに、冒険者たちのレベルがあがる。
 そしてある日、奴らと再会した。ローブを着た男の3人組だ。以前の遭遇ではリセットしたために、実際には初登場となるのだが、キャラクターは知らなくてもプレイヤーは覚えている。ここで恨みを晴らしてやるぜ!

 僧侶のバディオス(痛み)と魔法使いのハリト(火の粉)。合わせて4人分の攻撃魔法が炸裂する。
 それらの魔法は、どちらも敵1体に1〜8のダメージを与えるという、弱いうえに運の要素が強いという頼りないものだ。しかしこの辺りで登場する敵が相手ならば十分な威力であり、今の私たちにとっては最強の攻撃手段でもある。
 そして結果は・・・8ダメージ! 8ダメージ! 6ダメージ!
 まるでプレイヤーの恨みが後押ししたかのような幸運により、奴らはあっさり蹴散らされた。


≪地下1階−4≫

 全員のレベルが4になった。使える魔法が増え、装備も少しだけ良くなった彼らにとって、地下1階の敵はさほど恐ろしいものではなくなっていた。そろそろ訓練を終了させ、探索を開始しよう。
 ちなみにシリュンには、小型の弓を装備させている。彼は同時に盾も装備している。器用な奴だ。

 探索開始後、すぐに道に迷ってしまう。しかし心配はいらない。魔法使いがデュマピックという、地図を表示する魔法を覚えたからだ。私のパーティには魔法使いが2人いるため、合わせて最大で7回も使用することができる。これは非常に心強い。
 しばらく探索を続けた後、デュマピックで地図を確認する。
 ・・・おかしい。行ける場所は全て回ったし、隠し扉も全て見つけたはずなのに、まだ大きな空欄がある。これはもしかして、地下2階からしか行けないのではないだろうか。よし、地下1階の探索はここで終了だ。次からは地下2階に挑戦だ!


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