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≪キャラクター作成≫

 ウィザードリィはRPG。それも戦闘と迷宮探索が中心という、極めてゲーム的なRPGだ。だからゲームをするためには、自分の分身となるキャラクター、つまり冒険者を自分で準備しなければならない。しかしウィズの世界では、死ぬとキャラクター消滅ということもあるので、ヨシヒトというキャラクターは作らない。私は指示のみを行う影のリーダーとして、こっそり冒険に参加することにする。

 まずはギルガメッシュの酒場という、冒険者がたむろする店に入る。しかし「これだ!」という人材は見当たらない。これなら自分で才能あふれる人材を探して鍛えたほうがよさそうだ。というわけで開発者が用意していたキャラクターは6人とも削除し、自分で1人ずつ作成することにした。

 およそ10分後、6人の勇者(の卵)が私の下に集まった。彼らを隊列順に紹介しておこう。ちなみにウィズ外伝2に性別は存在しない。私が勝手に決め付けているだけなので注意してほしい。

名前 種族 職業 性格 性別
エディシア(注) 人間 戦士
ファルナ エルフ 僧侶
エレナ エルフ 僧侶
シリュン ホビット 盗賊
リュード 人間 魔法使い
クライス 人間 魔法使い

 足手まといになりそうなのが1人いるが、あとの5人が優秀なはずなので、多分なんとかなるだろう。ちなみにエルフというのは森の妖精で、魔法を行使する能力にたけた美しい種族だ。ホビットは子供のような姿の妖精で、素早さと運の強さが抜群にいい。人間は、たぶん読者と同じ種族だ。ちがってたらごめんなさい。

 しかし前衛3人が女性で、後衛3人が男性か。のちに転職することを考えた職業設定なので偶然ではあるのだが、過激な女性団体から苦情がこないか心配になってくる。ま、その時には、レディファーストだと言ってごまかすことにしよう。

 能力値は、13レベルで転職することを考えて設定する。参考までに、エディシアの能力値を載せておこう。転職先の予定はビショップ(司教:上級聖職者)。必要な能力値は、知恵と信仰心がともに12以上だ。

エディシア
11
知恵
信仰心
生命力 11
素早さ
運の強さ 19

 ぜんぜん参考にならんな(笑)。
 簡単に説明しておくと、作りたてのキャラクターの場合、能力値の平均は9〜10くらい。しかしある程度は自由に設定できるので、このようにレベル1で19(人間の運の強さの最高値)という値にすることも可能なのだ。それと力が11もあるのは、戦士になるのに必要な最低値だから。モデルとなった人物はもっと低いと思うのだが、これは仕方がない。運の強さが19というのは・・・とりあえず、幸運の女神ということにしておいてほしい。断じて、運だけで生きている奴だからという意味ではない。

注:エディシアは、このサイトのアシスタント。詳しくはエセコラム(別窓で)をご覧下さい(読まなくても問題ありません)。


≪パーティ結成≫

 さあ、冒険の始まりだ。ここはアルマールという街。中近東あたりの砂漠の街をイメージするといいのだろうか。ウィズ本来の舞台であるリルガミンの街(西洋風ファンタジー世界)とは若干異なっているようだ。

 そのアルマールにあるギルガメッシュの酒場で、作成した5人の精鋭(+おまけ1人)と合流する。しかしわけあって性格が悪のシリュンは、善の5人とはパーティを組むことができない。というわけで、シリュンを残して迷宮に入る。これは性格の不一致により酒場でパーティを組むことができないキャラクターでも、迷宮の中でならば組むことができるというシステムを悪用活用するというものだ。そのため善の5人を迷宮の入り口に待機させると、私はシリュンを呼びに酒場に戻る。そして迷宮の入り口で、6人の冒険者がそろう。
 よし、これから迷宮の探険を始める・・・前に、街に引き返して旅仕度をするぞ!


≪旅支度≫

 買い物に行く途中で、王宮の前に貼り出されていたふれがきを読む。これによると、「王女マナヤにかけられた皇帝の呪いを退けたものには、望むままの報奨が約束される」らしい。アルマールの街に漂う腐臭と合わせて考えると、この街にとてつもない異変が起きているのは間違いない。
 しかしいくら娘が大事だからって、「望むままの報奨」ってのはまずいんじゃないのか? そんなことを書くと、「マナヤ様と結婚させてください」なんて言い出す不遜な輩が現れますよ、お義父さん!

 顔も知らない王女との逆玉結婚生活を妄想していた私を置いて、6人の冒険者達は買い物にいってしまう。方向音痴な私は置いていかれると迷子確実なので、慌てて追いかける。そして辿り着いたのはボルタック商店。

 ここは冒険者に必要な武器、防具、魔法の道具などを扱っている店で、その他にも迷宮で見つけたアイテムの識別や、呪われたアイテムを装備してしまったときの解呪も行ってくれる便利なところだ。しかし識別と解呪はどちらも高額(売値と同じ=買値の半額)なので、ウィズファンの中にはボッタクル商店と呼んでいる人もいるらしい。海外のウィズファンの間ではなんと呼ばれているのか、非常に気になるところだ。

 1人150G。このわずかな軍資金で買い物をしなければならない。なんだか300円でおやつを買っていた、遠足前の日曜日を思い出してしまう。
 余談だが、「バナナはおやつに含まれるのか」というのがしばしば問題となるが、あれは「弁当箱に入っているものは弁当扱い」という解釈が一般的なので、特大弁当箱、または弁当箱を2つ以上用意すれば、なんだって弁当として持っていくことができるのだ。もしあなたが学生ならば、ぜひ今度、クラス全員でやってみよう。きっと先生は唖然とするはずだ。ただし責任は自分で取るように。

 ・・・なんの話をしていたんだっけ?
 ・・・そうそう、ボルタック商店での買い物だ。しかしデタラメな物価だな。剣(他のゲームでロングソードや鋼の剣と呼ばれるものと同じ)が25Gなのに、革の小手が500Gもするなんて。いったい何の皮を使えば、こんなべらぼうな値段になるのだろう。ミンク? ドラゴン? バナナ?
 値段と性能は比例していないようなので、武器、鎧、盾の最低ランクの物を購入して店を出る。ちなみにお金は、1人に集めたり全員で分配したりできるのだが、今回はそういったことを禁止することにする。少し不利にはなるのだが、度が過ぎた仲良しパーティは好きじゃないのだ。

 買い物が終了したので迷宮へ向かうことにする。
 ところで、王女に呪いをかけた皇帝って、この迷宮の中にいるんだよな? 何の情報もなかったんだけど、違ってたらどうしよう(注)

注:説明書には書いてあるのだろうが、前置きで書いた通り、私は説明書を持っていない。このように、説明書や箱にはプレイヤーに持たせる予備知識と先入観を調節する効果があり、凝ったオープニングやヘルプ機能が可能になった現在でさえ、これらの影響は無視できない。・・・ということにしておいてください。私は箱や説明書を見る(読む)のが好きなんで。


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