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≪RPGコラム、その6:中古販売について≫

 「PS4では中古ゲームがプレイできない」という噂があったらしいですね。私はそのことを、「その噂は事実ではないっぽい」というヤフーニュースを見て初めて知りました。
 ゲーム制作会社の人が中古ゲームのことをどう考えているのかは分かりませんが、おそらくは「中古販売に否定的だけど、今さら否定してもデメリットの方が大きいのは明らかだから仕方なく容認する」という人が多いのではないかと思います。でも私がもしゲーム制作会社の人間であれば、中古販売を大歓迎します。理由は簡単、私はあまのじゃくだから。
 ・・・ではなくて、もちろんちゃんとした理由があります。もっともコンピュータゲーム全体のことは分からないので、RPGに限った話ではあるのですが。

 コンピュータゲームというのは、比較的安い値段で長時間遊べる、コストパフォーマンスに優れた娯楽です。しかしそれは、そのゲームが「当たり」だった場合のみ。「ハズレ」だったらお金と時間をドブに捨てるようなものです。そして現在の市販RPGは、「ハズレ」とか「当たりではないけどハズレというほどでもなく、もったいないから我慢して遊ぶ」ということが圧倒的に多いのではないかと思います。

 そんな現状ですから、知らないゲームを購入するのはバクチです。レビューだって、ただ読むだけではその多くがあてになりません。レビューから本質を読み取る能力が必要になるからです。そのためゲームを知るためには、実際にプレイしてみるのが一番です。
 となれば全てのゲームに体験版を用意するのが理想なのかもしれません。でもそれはそれなりに労力と資金が必要になるはずです。また現在のRPGがやり込み要素を入れることによってプレイ時間を引き延ばそうとした結果、ゲームの質が低下して売り上げが落ちるという本末転倒な状況にあるように思えてならないのですから、体験版が一般的になれば、体験版の見せ方にのみ力を入れるという本末転倒な状況が作られるのではないかと思えます。それに体験版を提供するのが困難なメーカーや商品もあれば、手に入れることが困難なユーザーもいることでしょう。

 そこで私が考えている手段が、中古販売を利用するというものです。中古がいくら売れても、ゲーム会社には1円も入ってきません。十分なお金が入ってくるような仕組みを作るのも難しそうです。でも中古商品は、自社商品を多くのユーザーに知ってもらう手段になりえると考えています。つまりゲーム会社は1円も使うことなく、中古販売店に広報活動をしてもらっていると考えれば良いのです。
 ゲーム会社は質の高いゲームを作ることに専念し、中古販売店の存在を利用してまずは自社製品を多くの人にプレイしてもらうこと目指す。そして自社商品のファンを増やして、以降の作品を新品で購入してくれる人を増やしていく。それは決して、不可能なことではないと思うのです。特にシリーズものだと効果は大きいはずです。実際ドラクエやFFのような有名なシリーズものだと、評判が売り上げに結び付いているのは、その続編であることが多いように思います。
 もちろんどんなに好きな会社のゲームでも、中古しか買わない人もいるでしょう。でもそんな人は、ゲーム会社の経営を圧迫するほどには多くないと思うのです。

 ゲーム作りで食べているのならば、その仕事に誇りを持ち、品質で勝負してほしい。そしてそれは、実力さえあれば不可能なことではないはずですし、自社にとって最大の恩恵をもたらす最高の手段でもあるはずです。少なくとも、私にはそう思えてなりません。


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