≪ＲＰＧコラム、その４：オンラインＲＰＧの理想像≫

注：ここで扱うオンラインＲＰＧとは正確にはＭＭＯＲＰＧ（多人数同時参加型オンラインＲＰＧ）のことなんですが、見慣れない用語だと感じる人も多いと思うので、オンラインＲＰＧと表記しています。

　私はオンラインＲＰＧをプレイしたことがありません。そんな人にオンラインＲＰＧを語られるのは嫌な人もいるでしょうが、気にせず最後まで読んでいただければ幸いです。

　私はオンラインＲＰＧにはほとんど興味がありません。興味があるのは、オンラインＲＰＧのシステムはどうあるべきか、ということに限られます。
　なぜそんなことにしか興味がないのか。それはオンラインＲＰＧを普通に作っても、例え大人気ＲＰＧをオンライン用にしても、良い作品にはできないだろうという確信があるからです。

　良いオンラインＲＰＧを作ることはできないと考える最大の理由は、ゲームクリアの存在がないからです。いえ、一応ストーリーの終了というのはあると思います。でもそれでゲームそのものを終了させてしまっては、運営者が十分な利益を上げることができません。つまりオンラインＲＰＧは、プレイヤーにいつまでも遊んでもらわなければならない娯楽だと言えます。
　しかしＲＰＧには、レベルという存在があります。絶対にないとダメな物ではありませんが、レベル（類似のパラメータを含む）なしで長時間楽しめるＲＰＧを作るのは困難でしょう。少なくとも私には思いつきません。そしてレベルの上限を無制限にし、それに対応したモンスターや冒険などを用意し続けるのは、様々な理由で無理があると言えます。そのため既存のオンラインＲＰＧでは、レベルが上がりにくくするなどの方法でごまかしているようです。

　いずれにせよ、ＲＰＧには終わりがあるものなのです。そして終わらせてはならないというオンラインゲームとの間には、分かりやすい矛盾が発生するのです。そのうえレベルが存在する以上、プレイ時間が大きく異なる人との協力プレイが困難なものになるため、オンラインＲＰＧだからこその楽しさが生まれにくくなっているとも言えます。
　はっきり言ってメチャクチャです。だからこそオンラインＲＰＧで傑作と言えるものは、普通のやり方では何十年たっても生まれないと私は考えています。

　ただし先ほどの否定理由には抜け道があります。それを生かせば、傑作を生み出すことも可能でしょう。
　その抜け道とは、キャラクターのレベルを無理なく自由に変更できる手法を導入することです。そしてストーリー進行以外にも楽しめる要素を導入することです。
　そんなシステムを持った有名な１人用ＲＰＧが、実は既に存在しています。それはポケットモンスター（以下ポケモン）です。

　ポケモンでは主人公は一切成長しません。そして戦闘要員であるポケモンは、いくらでも捕まえることができます。つまりレベルが上限に達しても別のポケモンを育てればいいだけですから、無茶なことをしなくても超長時間遊べるようになります。また大量に捕まえていれば様々なレベルのポケモンを使えることになりますから、プレイ時間が大きく異なる人とも問題なく遊べます。さらに対戦要素が存在するため、全イベントを終了させてもゲームの終了とはなりません。
　つまりたったこれだけのことで、オンラインＲＰＧの欠陥を改善することができるのです。

　どうでしょうか。既存のオンラインＲＰＧに大きな問題がある理由、そしてその解決策。私は筋が通っていると思うのですが。
　それゆえオンラインＲＰＧで大成功を収められるのは、ポケモンおよび類似のシステムを持つゲームのみである。これが現在の私の考えです。