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≪冬の月、14日(月)≫

 今日の依頼はクルルファさんから。シアに花畑を教えてもらったので、一緒に行こうということらしい。
 砂漠で生まれ育ったクルルファさんだから、きっとあの光景を見たら驚くだろうな。今は真冬だけど、あの場所は常春だからな。
 そして花畑へ。予想通り、クルルファさんは驚いてくれた。

 クルルファ「こんな世界もあったんですね。」

 砂漠の世界しか知らないクルルファさんも、世の中には綺麗な景色があることを知っている。でもそれは星空であり・・・おそらくはそれだけだ。町の女の子が普通に戯れるような花畑を知らずに育ったのだ。町の人にとっては身近な、ありふれた幸せや感動を知らずに育ったのだ。それはとても不幸なことだと思う。
 でも、今からでも遅くはない。この町にはいくつもの絶景がある。これからそれらを見てほしい。そして町との交流を決断したことを喜んでほしい。
 クルルファさんから失われていた幼き日の幸せ。それをこれから取り戻すことはできない。でもその代わり、これからの幸せを作ればいいのではないだろうか。幸い有角人は長寿なのだ。時間はいくらでもあるのだから。
 もっともサザエさん的かつドラえもん的な時間で暮らしているこの町だから、みんな不老不死なんだろうけどね。


≪冬の月、15日(火)≫

 きょうは「あっちこっちで! 釣り大会」の日だ。もっとも去年優勝しているので、今年は気楽に楽しむつもりなのだが。集落の人も参加してくれるしね。
 ・・・と余裕を持って大会に臨んでいたら、うっかり参加登録するのを忘れて大ピンチになったりもしたが、制限時間8時間のところをたった4時間半で9種類釣りあげ、見事優勝だ。

 【結果】

 1位  ヨシヒト  9種類
 2位  トゥーナ  5種類
 3位  ショコラ  3種類

≪冬の月、16日(水)≫

 今日の依頼はオンドルファさんから。クルルファさんへのプレゼントを考えているので、力を貸してほしいということらしい。
 ・・・ああ、そうか。明日はクルルファさんの誕生日なんだよな。それでか。
 と思いきや、日ごろの感謝の気持ちと言うことらしい。誕生日前なのは偶然だったのか。

 オンドルファさんの計画では、旅館に泊まってもらおうということらしい。でも自分では勝手が分からないので、代わりに予約してきてほしい・・・と。
 その後いろいろとあって集落の3人で泊ってもらうことになり、3人分の予約を済ませ、依頼は完了だ。
 私も明日の準備をしておこうかな。ちょうどクルルファさんからの依頼が来ているしね。


≪冬の月、17日(木)≫

 今日はクルルファさんの誕生日だ。そして引き受ける依頼は、クルルファさんからの「チョコクッキー、・・・・・・作れませんか?」というものだ。本当に甘いものが好きなんだな。プレゼントを兼ねて2つ焼いて持っていこう。

 クルルファさんは、うれしさのあまり卒倒した。って、そこまで好きなのかっ!?

 せっかくということで、お茶を入れてもらって一緒に食べることにした。なんだか誕生パーティみたいだ。でも2人だけって言うのもさびしいな・・・。
 と思っていた時、シアが遊びに来た。ちょうどいいや。クッキーはいっぱいあるから(お盆サイズが2つ(笑))一緒に参加してもらおう。
 そして女の子2人の甘いもの談義。まあ私も甘いものは好きだから、その気持ちはわかるけどね。

 そして楽しい時間はすぐに過ぎ去り、パーティはお開きに。
 いやー、あれだけのチョコクッキーを3人で食べたんだ。・・・みんな太っただろうな。


≪冬の月、18日(金)≫

 今日の依頼はゼゼから。「相談したいことがあル」という手紙で物陰に呼び出したりして、一体何の悪だくみをするつもりだ?
 と、ゼゼを最大限に理解したつもりでの解釈だったのに、実はこれまでの感謝の気持ちを込めて、クルルファ長老にプレゼントをしたいということらしい。さて、何をプレゼントすればいいんだろうか?

 A.花なんてどう?
 B.あまいものなんてどう?
 C.絵なんてどう?

 うーむ、困った。クルルファさんと言えば甘いものだが、昨日いっぱい食べたから、体重が心配になっているかもしれない。砂漠で生まれ育ったクルルファさんだから花も喜ぶだろうが、一生ものの絵だって捨てがたい。こうなったらアレしかない。サイコロだ。1,2でA、3,4でB、5,6でCにしよう。そーれ、サイコロ、コロコロ・・・6だ。
 ・・・が、ゼゼは絵が描けないそうだし、ダリアに弟子入りするという案は当然ながら却下。ゼゼまで「レインボ〜」とか言い出したら大変だからな。残念だが、絵は諦めよう。
 そこでサイコロのふり直し。奇数ならA、偶数ならBだ。5が出たので甘い物ということになった。

 ゼゼはケーキの作り方が分からないという。でも感謝の気持ちが伝わればそれでいいわけで、多少の出来の悪さは笑って許してくれるだろう。
 ・・・笑えないような出来だったらどうしようもないけれど。
 とりあえず、ケーキの材料をゼゼに渡して、この依頼は終了だ。健闘を祈る。

 仕事が終わったら、いつものグリモア狩りだ。その結果、ついにレベルが100に到達した。そこでグリモア狩りはこれで止めることにする。このところ、ほとんどいじめ状態だったからね。ちょっとかわいそうになってきたし。

 その後町を散歩していると、シアからアップルパイをもらった。シアから手作りのお菓子をもらうのはこれで3度目だけど、食べると常に眠くなるのはなんでだろう? まさか本当に睡眠薬が入っていて、私が眠っている間に怪しい改造を・・・。それとも改造した部分の、定期的なメンテナンスか?
 うーむ、やっぱりシアって怪しい。怪しいんだけど・・・私にとっては一番の恩人でもあるんだよな。


≪冬の月、19日(祝)≫

 今日はウェルズさんの誕生日だ。プレゼントは「野之花火」という花。花屋の主人に花を贈るのは無駄な気もするし、その一方で私が愛情を込めて育てた花だから喜んでもらえるという気もする。ようは博打だ。結果は成功。やっぱりプレゼントは心だよね。

 今日の依頼はクルルファさんから。最近集落の人からばかりだな。まあいいけどさ。
 内容は、「なんだか最近変なんです」「体の調子がおかしいんです・・・・・・。」
 そして行ってみたら、オンドルファさんとゼゼも心配して、クルルファさんのテントの前に集まっていた。クルルファさんはこのところ上の空で、仕事が満足にこなせないらしい。そしてクルルファさんからの依頼で来たというのに、本人に会ってみると帰ってほしいと言われた。

 そんな話を外野の2人としていたら、オンドルファさんに心当たりがあったらしく、クルルファさんと何やらお話を・・・。
 どうやら原因は恋の病というやつだったようだ。そして感染源はこの私。そういえば町の女の子たちにも感染させているなぁ。

 ・・・もしかして、私ってば恋の疫病神ですか?


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