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≪冬の月、11日(木)≫

 今日はマージョリーさんの誕生日。好みが分からないので、お約束のトキメクおさしみをプレゼント。喜んではもらえたが、色つき草のほうが良かったと言われた。くっ、そんな安物でよかったのか。
 その後シアから、色つき草が喜ばれるという話を聞いた。もう遅いよ!

 今日の依頼はゼゼから。幻の「メッシライト鉱石」というものを捜しに行こうというものだ。早い話が男のロマンと言うやつなんだろうな。ぶっちゃけて言えば山師と言うか博打と言うか人生を踏み外しそうなというか、そういう類の無謀な夢だが。
 ともかくインヴァエル川にあるかもしれないということで、一緒に冒険に。でもゼゼのレベルは31だぞ。インヴァエル川の推奨レベルは40。どう考えてもゼゼは足手まといだ。ま、だからこそ私を誘っての依頼なんだろうけどさ。
 ところでこの広いダンジョンの、どこを捜せばいいんだろうか? とりあえず適当に捜しまわってみたのだが・・・。

 ゼゼ「オイラの勘がここだと言っているゼ・・・・・・。」

 頼りがいのない助言をありがとう。
 どうでもいいけど、語尾がカタカナになるのはガジさんの特徴じゃなくて、ドワーフ族の特徴だったんだな。今頃気づいたよ。

 そして怪しい場所の敵を全滅させて・・・って、ゼゼはモンスターにやられてのびていた。全く世話をかけさせやがる。回復魔法で回復させて、ゼゼと一緒に捜索。どうせ見つかりやしないのに・・・。
 ・・・と思っていたら、怪しい鉱石を発見した。どうやらこれがメッシライト鉱石らしい。そしてめでたく凱旋。

 ところが集落に帰ってきたゼゼは、なんと貴重な鉱石をオンドルファさんにあげてしまった。この鉱石のことはオンドルファさんの本を勝手に読んだときに知ったため、鉱石を持っているところを見られて気まずくなったのだろう。それにゴマをすろうとしていたようにも見えた。
 ・・・ゼゼ、下っ端は色々と辛いんだな。強く生きろよ。

 ・・・でもそんな下っ端のゼゼにあごで使われている私って、ヒエラルキーのどの辺に位置付けられているんだろうか? もしかして、一番下? それとも・・・圏外?


≪冬の月、12日(金)≫

 6日にペルシャからの依頼を受けて以降、ペルシャがおかしい。私と話をするたびに真っ赤になってゆでダコ状態だ。イカ好きな人魚がゆでダコと言うのは究極の魚介類という気もするが、このままではいけないと思う。ペルシャから大事な話があるという依頼が来ているのは、きっとそれに関することなのだろう。
 そこで言ってみたところ、すぐには話せないから19時ごろにまた来てほしいという。仕方がないので、それまでは釣りをしたり、町をぶらぶらと散歩したりして過ごすことにした。

 そして19時。ペルシャの目の前で時計を見ながら、時間ぴったりに話しかける。

 ペルシャ「あたしね・・・・・・ヨシヒトくんのことが・・・・・・。す・・・・・・。」

 実はさっきもこんな展開だったのだ。「す・・・・・・」の後はなんだろう。さっきは「すぐには話せないから・・・」だったのだが。

 ペルシャ「・・・・・・すっごくお風呂掃除したいなっ!?」

 ・・・というわけで、掃除を手伝わされることになった。このペルシャ、意気地なし!(笑)

 その後は洗って沸かしたばかりのお風呂につかりながら、壁越しに色々と話をしてくれた。自分は水の中で生まれたのにそこは居心地が悪くて、ぶくぶく上がってきた泡みたいなものなのだと。水の中は居心地が悪いのに、水がなくなったら見えなくなってしまうのだと。
 そんなペルシャにとって、さくやがくれたお風呂屋という仕事は、水のようなものだったらしい。でもさくやは水をくれただけでなく、そこから上がってくるように声をかけてくれた。そしてまた、私も・・・。

 ペルシャは自分の居場所を見つけた。そして幸せもつかんだのかもしれない。ともかく、普段のペルシャに戻ってくれたのは良かった。
 私も自分の居場所は見つけた。でも幸せはというと・・・どうなんだろうか。今でも十分に幸せだ。でもこの幸せを分かち合える家族がほしいとも思う。
 結婚。それを真剣に考えるべき時期に来ているのかもしれない。


≪冬の月、13日(祝)≫

 今日の依頼はさくやから。「モンスターの姿で泊りに来て」という、なんとも無茶な話だ。もっとも前回の依頼で「モンスターをも泊りに来る旅館を経営したい」と言っていたから、その予行練習なのかもしれないが。

 そして行って話を聞いてみたところ、モンスター姿の私を泊めても問題がなければ、さくやの夢を考えてあげてもいいと、しののめさんに約束してもらったらしい。
 た・だ・し、私は普通のモンスターとして泊ってみるということなので、さくやのペットとして扱われるらしいのだが。
 ・・・そういえば昔、私はシアからペットのモコモコ扱いされていたような気がするなぁ。結局モンスターは今でもペットなのか。まあ仕方がないけどね。

 そして実際にさくやと旅館に泊まってみることにした。近くにいた普通のお客さんは、私の姿を見てビックリだ。そりゃそうだろう。いくらモコモコが羊っぽくても、モンスターであることには変わりがないのだから。
 その後食事に行くためロビーを歩いていたら、お客さんの中に病人が出ていた。私のモコモコ姿を見て気絶したのだろうか!?
 と思いきや、実は単なる寝不足で、枕が換わったためのものらしい。結局枕は、私のモコ綿で作ったものがピッタリだったのだが・・・。さくや、ひどいよ、ひどいよ。私の羊毛を勝手に刈るなんて! しかも患者から家族の分のモコ綿まで頼まれて、お金に目がくらんでその分まで刈ってしまうなんて! 今は冬だから毛を刈られると寒いのにさ! しかもその時、外は猛吹雪だったのにさ!

 ともかく、一件落着だ。その後でしののめさんから試すようなことをしたのを謝られたが、仕方がないことなのだろう。言葉の通じないモンスター。この町の人以外は無条件に恐れているであろうモンスター。そんなモンスターが人間と一緒に過ごそうとしていたわけだから。
 それでもしののめさんは、さくやの夢を認めてくれたようだ。人とモンスターとの交流、それが少しずつ身近になってきたのかな? そう感じた出来事だった。


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