≪夏の月、23日(木)≫
今日の依頼はイオン師匠から。
「兄貴の様子がおかしいの。」
前からおかしかったと思います。
ということで問題なし。依頼は完了だ・・・というのはダメなんだろうな。ともかく師匠に会ってみよう。
イオン「ここのところ、えらく機嫌がいいの。で、今度ヨシヒトを家に呼びたいって言いだしたんだ。あんた、何か身に覚えある?」
あるといえばある。それは今月の3日、カルロス兄貴の誕生日にプレゼントをした時のことだ。
カルロス「・・・・・・キスしてもいいか? 兄弟。」
で、家に呼びたいと・・・・・・。
・・・・・・この依頼、ここで完了しちゃダメっすか? 何かが非常に危険なんだけどさ!
しかし師匠は、20時〜23時に家に来てほしいという。仕方がない、それまでは釣りでもして時間をつぶそうか。
そして湖に行ったら、ちょうどエリザさんが水着姿で遊びにきていた。
エリザ「大根の皮の水着を作ったので、今日はそれを着てこようと思ったんですけど・・・・・・。なぜかソフィアに全力で止められてしまいました。・・・・・・なぜでしょう?」
頼むエリザさん、妹の気持ちを分かってあげてください!
ああ、どこまで鈍感なんだ、この人は。なんで私は、この人が好きなんだ!?
そうこうしているうちに、20時を過ぎたので師匠の家へ。
カルロス「おうっ! 来たか。まあ、座れ。」
その時、師匠ができたての料理を持ってきた。どうやらパーティのようだ。カルロス兄貴はずいぶんお酒を飲んでいる。大丈夫だろうか? そして食べるだけ食べ、飲めるだけ飲み、しゃべるだけしゃべったら、そのまま寝てしまった。しかも大いびきをかいて。
カルロス(寝言)「安心して・・・・・・妹をお前の嫁に・・・・・・ぐう。妹を・・・・・・頼むぜ・・・・・・すごごごご。」
あー良かった。「お前を俺の嫁に・・・」というわけじゃなかったんだ。
・・・って、えええ!?
≪夏の月、24日(金)≫
今日の依頼はシアから。先日の子モコモコ(ああ、本当に言いにくい)のことで話があるという。「一緒に説得してください!」ということは・・・まさか、子モコモコモコを食べたいというんじゃないだろうな?
これは一大事だ。急いでシアを説得しなければ。
そして行ってみると、私の予想とは違う展開になっていた。
シア「わたし、この子を飼いたいんです。でもおじいちゃんが・・・・・・。」
ウェルズさんは猛反対。当然だ。彼はもともとモンスターを嫌っていたし、シアには仕事があるから面倒をみるのは大変だろう。子モコモコモコモコの一生にも関わることだから、いい加減なことをしてはいけない。それに・・・その子には親がいる。私としても、放っておくわけにはいかない。
そこでこの話は、少しだけ待ってもらうことにした。まずは親モコモコに、このことを話さなくては。
そして花畑に行ってみると、例の親モコモコが子供を捜していた。モコモコに変身して話を聞いてみたら、怪我した子供のために薬草を探していたところ、その間に子供をシアに連れて行かれたという。予想通りだ。
シアには悪いが、私は今回モコモコの味方だ。親子を引き離すわけにはいかない。
だがシアは説得に応じなかった。どうしても子モコモコモコモコモコを飼いたいのだろう。でもそれは、子犬や子猫を飼いたがる駄々っ子と同じではないのか?
しかしシアは私の話を聞いてくれない。そして子モコ(以下モコモコ入力するのが面倒くさいので省略、ところでモコ何個が正解だっけ?)を連れて出て行ってしまった。まずい、追いかけなければ!
シアは花畑にいた。その目の前には、親モコモコがいる。まさか、親モコモコに直談判するつもりだろうか? でもシアにモコモコの言葉が分かるとは思えない。このままではシアが危険だ! なりふり構っていられるか!
私は間に入って説得することにした。
私「モコモコ! 待って! 僕だよ!」
私はモコモコに変身した。シアの目の前で。そしてシアに、その子を親に帰すよう説得した。シアはようやく説得に応じ、子供を親に帰してくれた。
シア「わたし、あの子のこと、全然考えてなかったです・・・・・・。」
さて、ここからが問題だ。どうやってシアに、私のことを説明しようか。
シアは私をどんな風に見ていたのだっただろうか。私の正体に気付いていたのか? 気付いていなかったのか?
彼女はモコモコをどんな風に見ていたのだっただろうか。可愛いと? 美味しそうだと?
・・・いや、そんなことを考える必要なんてないんだ。ありのままを伝えればいいんだ。
私は全てをシアに語った。
シア「ずっと隠してたことは、ちょっぴり悲しいけど・・・・・・。あの嵐の日に出会ったキズだらけのモコモコさんが、こうして私の前にいてくれる。きっと内緒でいることに悩んだ時もあったと思います。それでもモコモコさんのため、わたしのために正体を明かしてくれた。今の私は、ちょっぴりの悲しさなんかじゃへこたれないくらい、あったかな優しさに包まれているんです。」
そしてシアは告白した。私のことが好きだと。
今でもそう言ってくれるなんて・・・。
「この町でモコモコと暮らす方法が、1つだけあります。」
思わず口から出そうになったこの言葉を、私は慌てて飲み込んだ。私はなにを口走ろうとしたんだ。これではプロポーズじゃないか。さすがにそんなことは言えない。でも・・・。
私がシアと出会って1年半。その関係はずっと微妙なものだった。
でも今日になってようやく、私たちは本当の友人になれた気がする。
さて、これで交流祭に踏み切る準備が整ったわけだが・・・ウェルズさんにはしばらく内緒にしておこう。味方は多ければ多いほどいいと思うから。それまではウェルズさんに、うっかり話しかけないようにしなければね!(1度リセットした(汗))
|