≪春の月、２６日（月）≫

　牧場の仕事が終わったころ、雨が降り出した。その後雑貨屋へ行くと、カリンが部屋の掃除をしていた。
　・・・偶然・・・だよな？

　今日はモニカちゃんの誕生日。「バラの王子様」大作戦のおかげで、モニカちゃんから敵意は感じられなくなり、普通にコミュニケーションを取れるようになった。ついでだ、プレゼントをあげて作戦の締めくくりとしよう。
　プレゼントは・・・安物の腕輪とか、おもちゃのバッジとかにしようかとも思ったけど、今のモニカちゃんを子ども扱いしたらまた怒られそうな気もする。そこでルビーの指輪をあげることにした。と言っても買値２１８０Ｇだから、ちょっと高めのおもちゃの指輪って感じなんだけど。

　モニカ「うわぁ〜！　ありがと〜〜！！　おにいちゃん、ダイスキ！」

　続いては依頼だ。シアから手紙が来ていた。「妹のことでお礼がしたいです。是非私のところに来てくださいね、王・子・様♪」

　これからずっと、王子様ネタで冷やかされそうな気がするな。これもシアの狙いだったのか？　くっ、シアの弱点を見つけて仕返しをしてやりたいところだが・・・。
　ともかくシアの話では、あれ以来（と言っても昨日の夜から今日の昼までだが）モニカちゃんは、私以外の人とも自然に接することができるようになったらしい。そしてお礼はモニカちゃんからもらってくれという。なんだろう？

　雨の中を走っていくモニカちゃんを捕まえて話を聞いてみたら、私のためにケーキを焼いてくれたという。もちろんシアに手伝ってもらってのことらしいが。
　そして渡されたケーキを食べてみた。私でも作れる蒸しケーキではなく、クリームとイチゴが乗った正統派のケーキだ。うん、美味しい！　
　・・・あれ？　なんだか急に眠気が・・・以前にもシアからもらったケーキを食べて・・・こんなことが・・・あった・・・よ・・・う・・・な・・・・・・Ｚｚｚ。

　・・・はっ！？　雨の中で眠りこけていた私は、当然のようにずぶぬれになっていた。「おにいちゃんは水も滴るいい男だね！」というオチなんだろうか？
　しかしモニカちゃん、シアにケーキ作りを教わるのは止めたほうがいいぞ。念のために言っておくけれど、普通はケーキの材料に、眠り薬は入っていないからな！

≪春の月、２７日（火）≫

　今日の依頼はペルシャから。風呂掃除のアルバイトらしい。
　・・・私、無職じゃないんだけど。まあいいや、近所づきあいの１つってことで協力しよう。
　ということで風呂掃除をして・・・・・・そういえば以前ペルシャの同伴プレイをしていたときに、誰が男湯を掃除するんだろうという疑問がわいたのだが、こうやって人を雇って洗っていたんだな。

　そして仕事が終わってちょっと雑談・・・のつもりが、ペルシャとさくやの出会いと友情のお話に。
　なんでも陸に上がったばかりで自分の居場所がなかったペルシャに、さくやはモップを渡して仕事と居場所を与えてくれたのだという。そうか、先日の依頼で修理をしたモップは、その時からの愛用の品だったのか。ううっ、どれもこれもいい話じゃないか。

　・・・でも似たような話を、どこかで聞いたことがあるぞ。たしか私がここに来たばかりの時に、シアと出会って仕事と居場所をもらったような・・・はっ！
　そうか、ペルシャも私と同じように、いいようにこき使われているんだな。なにせ普通の人間じゃないから！　モンスターに人権はないから！
　でも待ってろよ、もう少しだ。もう少しで私は町のみんなと真の信頼関係を結ぶことができるんだ。そうなったらきっとモンスターハーフにも人権が認められるはずだ！　ペルシャがハーフかどうかは知らんけど！

　さてと、報酬は・・・見なくても分かるぞ。イカだろう？

　正解でした。

≪春の月、２８日（水）≫

　今日は「春の野菜コンテスト」だ。冷蔵庫には他の季節の野菜も入っているため、どれが春の野菜なのか分からなくなりそうだが・・・確かキャベツは春の野菜だったはずだ。マリオンが昨日言っていたから間違いないはずだ。
　・・・いや、マリオンが言っていたからこそ、かえって怪しいのか？　えーっと、えーっと・・・うん、キャベツは春の野菜だ。少なくともミネラルタウンはそうだった。

　さて、普通のキャベツ（レベル４）を出品するか、それともウケ狙いで金のキャベツ（レベル１）を出品するか、悩ましいところだ。きっと去年ならば、迷わず金のキャベツを出品したことだろう。だがまじめ一筋に生きて行くことを決めたこの私、手に取ったのは普通のキャベツだ。ただし冷蔵庫から出したもので、採れたてではないけれど。

　【結果】

　がーん、町一番の農家である私が負けた！　それも、畑仕事をしているようには思えないモニカちゃんに・・・。モニカちゃん、君は一体何を出品したんだ！？
　このイベント手抜きだぞ、詳細を教えろー！