≪冬の月、6日(金)≫
今日の依頼はグルテンさんから。パーティ用の料理が必要だから手伝ってほしいということだ。ちょっと大変そうな依頼だが、やってみよう。
そしておひたしを作って持っていったところ、十分に満足してもらえた。
砂漠の水辺でダック(アヒル)をゲット。可愛いなぁ〜。もちろんあげたものは雑草の類。下手な鉄砲数撃ちゃ当たる作戦だ。これ、とっても楽なのでお薦めだ。料理を作るのって、材料集めや材料保管に苦労するからね。
そうそう、今日はゾウのジャンボに乗って町に行ってみた。モンスターだって可愛いんだよ! と言うところを見せたかったからだ。でもみんな無反応。普段の会話と変わらない。
・・・もしかして、現実逃避?
≪冬の月、7日(祝)≫
このところ、やりたいことが多すぎて時間が足りない。急ぐことはないんだからゆっくりすればいいのは分かっているのだが、それでも時間がほしいのだ。
さて、今日もいつも通りにモンスターの世話をして、畑仕事をして、それから依頼だ。トゥーナから話があるのでちょっと付き合ってということらしい。用件は、モコモコとの散歩ですか?
氷原に咲く花まで行きたいということで、私は彼女を連れていった。
そこにいたのはモコモコだった。なぜモコモコがこんなところに?
様子を見ようと近づこうとしたら、トゥーナに止められた。
トゥーナ「怖がられるから、怖いんだよ。・・・・・・怖がられるのが、怖いんだよね。だから・・・・・・あんまり近づき過ぎたらダメなんだよ。」
おびえていたモコモコは去って行った。
トゥーナ「・・・・・・あんたも。あんたも・・・・・・これ以上、あたしに関わらないほうがいいよ。・・・・・・・・・・・・。アタシに近づく人は、みんな消えちゃうから。・・・・・・もう、ずいぶん前になる。あたしはここに遊びに来て、そこで仲良くなった子がいたの。でも−−。ここで、消えたの。・・・・・・あたしの、目の前でね。だから・・・・・・。あたしはもう、・・・・・・あんたと一緒に、居たくない。・・・・・・もう、あたしには近づかないで。それが今日の・・・・・・、・・・・・・あたしからの、最後の依頼。」
嫌だ。そんな依頼、私は受けられない。
・・・でも、それを言葉にすることはできなかった。トゥーナはきっと、ずっと前から深く悩んでいたのだろう。そんな彼女に、軽はずみなことは言えない。でも、でも・・・。
消えてほしくないからあたしに関わらないでほしい。
悲しすぎるじゃないか、そんな生き方は。
でもそれならガジさんはどうなんだ? 私なんかよりもずっと強い絆で結ばれているはずのガジさんは・・・。
・・・もしかしたらトゥーナは昔、ガジさんにも同じことを言ったことがあるのかもしれない。そしてガジさんは、それを乗り越えることができたのではないだろうか。だからこそトゥーナは、ガジさんを信頼しているのではないだろうか。
でも私には、どうすればいいのか分からない。こんな時、ガジさんなら・・・。
そんな私の気持ちを察してくれたのだろうか。ガジさんから手紙が来ていた。
ガジ:トゥーナのことだけどナ。ちょっと来てくれるカ?
ありがとうガジさん、この依頼、すぐに受けさせてもらいます!
この掲示板の依頼は今日はもう受けられません。
そりゃないよ、開発者さん!(涙)
その後私は、森でチロリとバッファモーをゲット。ついでに砂漠でダックをゲット。さらに滝でコケホッホー(ニワトリ)2羽とバッファローをゲット。何かに憑かれたようにモンスターを次々にゲットしていく。ちなみに全員雑草の類で勧誘した。元手は0Gの濡れ手に泡だ。
なんとなく、なんとなくだが悪いことをしているような気がしてならない。別に、非行に走ったわけではないのだが。
≪冬の月、8日(月)≫
今日すべきことははっきりしている。でもまずは牧場の仕事からだ。・・・って、モンスターたち元気良すぎ! ブラシがけしたいのに、動きが早くて捕まらないよ!
なんとか仕事を終わらせて、ガジさんの元へ。ガジさんは私を砂漠につれていった。そして・・・のんきに鉱石を採っている。
ガジ「石は静かだけど、頑固なヤツばっかなんダ。こんな冷たい体で、震えながら、いつか暖かいところで話しかけられるのを待ってるんだヨ。そういう生き方しか、できないんだろうナ・・・・・・」
ガジさんは鍛冶仕事の話をしてくれた。でも私には、トゥーナの話にしか聞こえなかった。きっとガジさんも、そのつもりで話してくれたのだろう。
トゥーナは友達を失って以来、ずっと一人で生きてきたんだろうな。本当はみんなと楽しく生きたいのに。
でも今はガジさんがいる。カリンやソフィアもトゥーナを大切な友達だと思っているはずだ。もちろん私だって・・・。
「怖がられるから、怖いんだよ。」
昨日のトゥーナの言葉、それは自分の経験から学んだことなのだろう。友達になった人を消してしまう恐ろしい魔女。彼女は自分をそう思っているのだろう。だから自分の存在が恐ろしい。友達を作ることが恐ろしい。
でも私は、彼女を怖いとは思わない。だってトゥーナは、普通の女の子じゃないか。きっと友人の消失には、何か他に原因があったのだ。だからそれを突き止めれば・・・
トゥーナ、昨日の君からの依頼、引き受けさせてもらうよ。君が言葉にしたほうじゃなくて、君が言葉にできなかったほうの依頼をね。雑用キングに任せとけって!
≪冬の月、9日(火)≫
トゥーナから手紙が来ていた。件名も内容もない、トゥーナらしさ爆発な手紙だ。でもそれだけではないことは、昨日のことから想像できる。
と思っていたら、それだけだったらしい。ガジさんが風邪をひいて寝込んでいるので、どうやらその代役をやってほしいということみたいだ。具体的には、ドクロを持ってきてほしいらしい。ドクロならば砂漠のボスが落としたな。ファイアーボールを使えばエンシェントボーンなんて、一歩も動かずに倒せるから楽勝だ!
トゥーナによると、ゴブリン(小鬼)もドクロを落とすらしい。ま、ボスのほうがいいや。3回倒して2回もドクロを落としたからね。
・・・と思ったら、肝心な時に落としてくれなかった。仕方がない、ゴブリン退治に励むとするか。
幸運にも10匹目くらいで落としてくれた。よし、トゥーナのところに戻るぞ。
そしてドクロを使った仕事のお手伝い。鍛冶はあまり得意ではないのだが、素人でもないので手伝いくらいはできるだろう。
そして鍛冶仕事完了。丁度その時、ガジさんが起きてきた。体調はもういいみたいだ。何やら色々と誤解があって今回の依頼につながったようだけど、結果的には良かったのかもしれない。トゥーナから、この一言が聞けたから。
トゥーナ「・・・・・・ありがと。」
トゥーナは人生に絶望してはいない。だからこそ助けを求めているんだ。その助けを求める手、私は決して離さない。決して・・・。
|