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≪秋の月、23日(木)≫

 今日はドンチャコスさんが我が家にやってきた。

 ドンチャコス「エリザはたいへん正直で優しくナイ子なのデスが、その言葉に、むやみに傷つけられることがありまセン・・・・・・。」

 愚痴をこぼしに来たらしい。しかもエリザさんの話とは・・・。まさか私がエリザさんのことを好きなのに気づいて、妨害作戦に出たのか!?
 ふっ、その程度のデマで私を欺こうとは、ドンチャコスさんもまだまだ甘いのう。(恋は盲目、でもエリザさんとの仲良し度は平凡だったりする)

 今日の依頼はクルルファさんからだ。食糧難のため、魚の調達をしてほしいらしい。魚釣りなら得意だ、任せてくださいよ!
 まずは湖でサンマを釣って・・・次は森でアマゴを釣るついでに焼きいもでモコモコ2匹目を勧誘しようかな。と思ったのに、モコモコは喜んでくれなかった。残念。最後は川でワカサギ狙いだ。
 依頼された3種類の魚を渡したのだが、クルルファさんは食糧難に陥った原因を人間のせいだと思っているようだ。人間のせいばかりにするのも・・・そう言ったら、凄い剣幕で怒られてしまった。人間は悪なのだと。
 たしかに人間には悪い部分が多い。でもそれを言ったら有角人はどうなんだ? 良い人だっていっぱいいる人間のことを悪だと決めつけることだって悪なのではないのか?
 怒りで我を忘れては、真実を見誤ってしまう。そしてそれは誤解を生む。悲劇を生む。しかしクルルファさんの思い込みは相当激しいようだ。彼女の目を覚ますためには、相当なショックが必要なのかもしれない。

 余談だがクルルファさんは長老とはいえ、寿命が長い種族のうえに人口3人の集落の長老と言うということもあって、見た目はかなり若い。11人目の配偶者候補のようだ。それなのに、エリザさんが配偶者候補じゃないってなぜ!? えーい、私はあきらめないぞ! いつか必ず、エリザさんのハートをゲットして見せる! ゲームの仕様なんかに私は負けないぞー!(注:無理)


≪秋の月、24日(金)≫

 今日の依頼はオンドルファさんから。オンドルファさんは有角人の男性で、クルルファさんとは幼馴染らしい。依頼内容は、以前に花を採ってしまったサボテンに栄養剤を与えて元気にすること。ちょっと危険な仕事ではあるが、今の私ならば簡単だろう。
 そして栄養剤を与えたら、あっという間に花が咲いた。・・・これならいくらでも花が採れるんじゃないだろうか。しかし、現金なサボテンだ。

 午後からはモコモコ狩りだ。そして2匹目の勧誘に成功。チロルってのもリスっぽくて可愛かったから、それもほしいなぁ。そして可愛いモンスターたちで牧場を埋め尽くすのだ! うふっ、うふっ、うふふひひひ・・・。


≪秋の月、25日(祝)≫

 今日の依頼はゼゼから。パイナップルを3つ取ってこいって・・・冷蔵庫に何個か入ってたかな? まあいいや、引き受けよう。
 ・・・冷蔵庫には1つだけか。よし、後2つは砂漠の入口でパイナップルモンスターを倒してゲットするぞ!
 そして長い長い戦いののち、夕方になってようやく3つ目のパイナップルを入手することができた。

 ちなみにこのパイナップルの使い道だけど、どうやらクルルファさんへのプレゼントだったらしい。
 こらー! 好きな人へのプレゼントなら、自分で獲ってこいよ! そりゃあ採ってくるよりは大変だけどさ。盗ってくるわけじゃないんだから、やりがいはあると思うぞ、私は!

 以上、漢字の勉強でした。
 ・・・でもなんでこの世界、パイナップルを獲ってこないといけないんだろう?


≪秋の月、26日(月)≫

 きっかけは偶然から。草刈りをしていたらカマが出荷箱に当たってしまったのだが、その時ダメージ表示が出たのだ。もしかして、出荷箱に耐久力が設定されているの? もし壊しちゃったらどうなるの?

 ・・・・・・うずっ。うず、うず。やってみたい!

 そこで挑戦してみました出荷箱破壊! 強力な炎属性の剣でバッサバッサと切り刻んだら、あっというまに木材1つに早変わり。
 ・・・・・・やっちゃった。本当にやっちゃった・・・。
 これ、どうしよう? カリンに怒られたりするのかなぁ。それともカリンに喜ばれたりするのかなぁ。
 と思っていたら、画面を切り替えたら復活していた。なぜ!?
 画面を切り替えたら復活するのはモンスターの特性だ。するとこの出荷箱って・・・かみついたりしないよね?

 そんなふうに遊んでいても時間が余ったので、久しぶりにポストの依頼だ。

 【依頼主:ショコラ】あたいと決闘だよ! 君と白黒つける時が来たわ!

 大食い勝負ですか!? っていうか、雌雄を決するじゃなくて白黒つけるってなに!? 私もしかして、何か悪いことでもしましたか!?
 ともかく、ショコラに会ってみよう。自宅にいないということは、病院だな。
 でも私、この前の大食い大会で3位だよ? 優勝じゃないよ? もしかして、ショコラよりも上だったのが気に入らないの?

 ショコラ「へっ? 何言っているの? あたいだって食べてばっかりじゃないんだよ。今回は料理で勝負! 美味しい料理を作ったほうの勝ち!」

 というわけで、おにぎりで勝負することになった。しかし私の料理スキルは32と高く、おまけにドンチャコスさんからはコック見習いの肩書までもらっている。この素人はだしの腕前を見せてやる!

 そして決戦は食堂で行われることになった。ところがショコラにおにぎりを見せたところ、「え? 何?」ときたもんだ。もしかして勝負のこと忘れてた?
 ともかくショコラは私が作ったおにぎりのあまりのおいしさに驚き、戦意喪失。私の勝利ということになった。報酬と賞品として、イチゴのタネ2袋。
 ・・・もしかして、これでイチゴをいっぱい作ってプレゼントしてほしいってことですか? それともこれでイチゴをいっぱい作って、今度こそ大食い勝負ってことですか?
 この町の人、ほのぼのとしているようで、実は計算高いみたいです。筆頭、シア。


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