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≪春の月、7日(祝)≫

 畑仕事をして、街を回り、その後は昨日と同じくタヌキ退治に挑戦だ。しかし今日もアクティブシードを使うのを忘れたうえに、引き際を間違えてノックアウト。昨日と同じく病院に運ばれたのだが、私が貧乏なため治療費はタダにしてくれた。つまりは、金持ちからはごっそり取るってことだよな? これからは万が一に備えて、宵越しのお金はあまり持たないようにしよう。

 進歩のない私の戦いだったけれど、敗因は分かったぞ。体力も気力も技術もないのに武器を振りすぎて、疲労で自滅していたんだな。疲労ペナルティがビックリするほど大きいのに気づけたのは幸いだ。これからは無理せず、少しずつ鍛えていくことにしよう。どうせ時間はいくらでもあるんだ。あせらない、あせらない。
 だからというわけでもないのだが、今日も就寝は夕方。6泊で睡眠成長スキルが6つも上昇だ。


≪春の月、8日(月)≫

 今日はアマノジャク大富豪であるドンチャコスさんの依頼を受け、無事に達成することができた。依頼を受けただけで斧をもらえ、依頼達成で3000Gって、さすがは大富豪、太っ腹だ。
 ・・・本当におなかが出てるけど。


≪春の月、9日(火)≫

 今日はガジさんの依頼を引き受けた。昨日の依頼と同パターンであるため、引き受けただけでハンマーがもらえそうな気がしたからだ。で、ハンマーはもらえたものの、依頼はまだこなせていない。ま、明日でいいや。
 しかしどうして、みんなボロい農具ばかりくれるんだろう。もしかして、廃品回収業者と間違われてる? それともいらない物を押しつけられているだけなのか?
 私がこの町の一員となるのには、まだまだ時間がかかりそうである。


≪春の月、10日(水)≫

 昨日ガジさんから依頼された鉄って、どこで採れたかなー。どこかで鉱石を見かけた覚えがあるんだが。
 そういえば、このところ毎日通っているプリベラの森で見かけたんだった。さっそく修行を兼ねて行ってみよう。そしてモンスターを無視してハンマーを振り回す。鉱石のついでにモンスターも吹っ飛ばしたが、これはこれで結果オーライだ。
 で、ガジさんに鉄を渡したのだが、ガジさんは働きすぎで疲れて寝てしまった。
 ・・・で、報酬は何だったの? 何をもらったのか分からなかったんだけど。

 その後家に戻ってもまだ時間と体力と気力が有り余っていたので、このところサボりがちな畑仕事をすることにした。しかし私も丈夫になったものだ。少しくらいの畑仕事では、ほとんど疲れを感じなくなってきたからな。
 ・・・と思ったのだが、本当に少ししか畑仕事をしていないだけのような気もする。でもまだタヌキ退治が終わっていない。もうしばらく畑は軽視だ。ほどほどでいいだろう。お金がなくても生活には困らないしね。

 ・・・そういえば、私って何を食べて生活しているんだ? この町に来てからというもの、操作を誤って薬草を2つほど食べたのと、豆まき大会で豆を食べたくらいなんだけどさ!


≪春の月、11日(木)≫

 今日はシアの誕生日だ。しもべ使いの荒いご主人様だが、プレゼントでもくれてやろう。明日が私の誕生日だから、当然2倍返しだよな?
 というわけで、トイハーブ(花の一種)をあげてみた。

 シア「ありがとうございます。同じ好きなものなのに、お誕生日と言うだけで、特別に感じちゃいますね。」

 全ては明日のためだけどね!

 「明日のために」

 言葉だけならかっこいいんだけど、使い方が・・・ねぇ?


≪春の月、12日(金)≫

 今日は私の誕生日。当然ながら町の人からプレゼントがどっさりと・・・
 きっと、どっさりと・・・
 どっさりと・・・
 ・・・・・・。
 ・・・。

 もう寝る! お休み!


≪春の月、13日(祝)≫

 プリベラの森の謎を解き、地下遺跡への階段を発見した。しかし遺跡内部の橋が壊れていて、その先へ行くことができない。橋を直せそうな人なんていただろうか? っていうか、この町に大工さんいないよな? 片っ端から人に話しかけてみて、「昔大工をしていた」「親戚に大工がいる」というような人を捜し出すしかないのだろうか?
 とりあえず、今いるところから一番近くに住んでいる、芸術家のダリアさんに話を聞いてみよう。
 ・・・・・・芸術家?
 そういえば建築っていうのも、芸術の一種として扱われることがあるよな。彼女に頼んでみようか。でも彼女は「レインボー!」が口癖の、「芸術は虹色だ」と思っているような人だしなぁ。こんなレインボーな人に橋の修理を頼んだら、きっと虹の橋が架かるに違いない。
 ・・・ちょっと面白いかも。

 よし、彼女に頼むぞ!
 と思ってアトリエに行ってみたのだが、運悪く彼女は留守だった。仕方がない、他の人に話を聞いてみよう。
 そして近くにいたウェルズさんに相談してみると、鍛冶屋のガジさんか芸術家のダリアさんなら何とかしてくれるかもしれないという助言をくれた。
 ・・・って、本当にダリアさんでOKなのか!? まさか本当に虹の橋イベントが起こるのか!? めっちゃ楽しそうじゃないか!
 でも彼女は留守だしな。仕方がない、ガジさんに頼んでみよう。

 そして鍛冶屋に行ってみたのだが、ガジさんは橋の修理はしたことがないため、ダリアさんに頼んだほうが良いとのこと。
 本当に虹の橋イベントが起こるのか!? 開発者さん本気ですか!? もしかして、このゲームの開発者って、発想が私と同レベルなんですか!? それはアレだぞ、色々と!

 うわーっ、話の続きが楽しみになってきた!

 ガジ「ちょっと後悔するかもしれないけどネ。」

 むしろ期待していますよ!

 鍛冶屋を出た時、ちょうど近くをダリアさんが通りかかったのでお願いしてみた。

 ダリア「橋を直すのは簡単だけど、わたしの芸術には何の関係もないのよね〜。」

 私「げ、芸術的な橋を架ければきっと、みんなダリアさんの芸術の素晴らしさに気づくと思いますよっ。」

 自分のセリフながら、うさん臭さ爆発だぁ!

 ダリア「よ〜し、任せなさい! すぐに立派な橋を架けてあげるわ! 芸術が! 橋が!! わぁたしを呼んでいる〜!!!」

 私の怪しげな話術に乗せられ、ダリアさんは森に向かって走って行った。

 ダリア「ここね、私を待つ橋は! レインボ〜!」

 そして地下に突撃していった。

 ダリア「うぉぉぉぉおおおおおおおおおおっ! これぞっ! 究極っ! レインボーッ!!! カ・ン・ペ・キ! 完成したわ! これでまたわたしの芸術が知れ渡るわね〜♪」

 ダリアさんはあっという間に橋を架け終え、アトリエに戻って行った。
 さて、完成した橋を見に行ってみるか。楽しみだなぁ〜。わくわく。

 架かっていました、虹の橋! もう、笑うしかないでしょう!
 もっともこんな森の奥の地下遺跡にかかっている橋なんて、誰も見てはくれないだろうけどさ。

 そしてその先に進み、イタズラタヌキを軽く倒したその先には、不思議なオーブ(宝珠)が納められていた。

 私「なんだか懐かしい感じがする・・・・・・。さわってみよう。 うわっ!」

 オーブに触れると、懐かしい記憶がよみがえってきた。

 私「そうだ・・・・・・! 僕はモンスターと人間の両親から生まれたんだ。だからモンスターの姿になることができるんだ!」

 な、なんだってぇ!!!
 私は初めから持っていた謎のアイテム『変身ベルト』で、モンスターに変身できるようになった。

 私「僕が人間とモンスターのハーフだってバレたらまずいだろうな・・・・・・。今は、僕がハーフだってことは隠しておこう。それにしても・・・・・・。オーブに触ったら記憶が戻ったぞ・・・・・・。でも、まだ分からないことが多いから、全部の記憶は戻ってないのかも・・・・・・。他にもオーブがあるか探してみよう。」

 その後、自宅に戻ろうとすると、怪しい男を見かけた。追っていくと、その男は砂漠に入って行った。砂漠の推奨レベルは15。今の私は9レベル。悔しいが、すぐに追いかけるのは無謀そうだ。このことは心にとめ、またいずれ向かうとしよう。
 そしてそのまま寝ようとも思ったのだが、体力、気力、時間いずれも十分に残っている。そこで釣りをしてみることにした。2日後に釣り大会があるため、練習しておこうと思ったのだ。
 で、釣りなのだが、思った以上に楽しかった。でも湖で釣りをしたのに、なぜイカが釣れたのだろう。うーむ、妙な土地だ。

 しかし私の出生の秘密には驚いた。私は自分をモンスターだとばかり思っていたが、普段は人間の姿で、たまたま変身していたときにこの町に落ちてきたんだな。
 そうだ、私はハーフであって、モンスターではないんだ。
 ・・・でもやっぱり、モンスター使いには頭が上がらないんだろうなぁ。


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