≪春の月、3日(火)≫
いやー、よく寝たな。なんと16時間の爆睡だよ! おかげで睡眠成長スキルが上がって、まさに寝る子は育つだ。
この世界、何をしても何らかの経験値がもらえて頻繁に何らかのスキルが上がるので、とても気持ちがいい。
さて、午前中は畑仕事をして、昼からは街に出てみようか。
しかし畑には様々な植物が生えていたから、これらを出荷すればちょっとした小遣いになると思っていたけれど、どれも凄く安いんだな。本当にちょっとした小遣いにしかならなかったよ。
そして街。
宿屋に入ったところ、右手から温泉担当のペルシャさんが、左手から宿屋担当のさくやさんが現れ、客(私)の奪い合いになった。
もしかして、これが男の夢、伝説の両手に花ってやつなのか?
ペルシャ「あたしのお客さんだよーっ!?」
さくや「な〜に言うてんねや。うちに泊まりに来たお客はんに決まっとるやん。」
うわー、この人たち、私の財布にしか興味がないみたいだよー!
さくや「うちに泊まって、ゆ〜っくりしてもらったとこで、お風呂に入ってもらう! これでどないや!」
ペルシャ「うんっ! そうだねーっ! そうしようっ!」
しかも私のお金の使い道を、勝手に決めてしまってるよー!
とりあえずその場は女将である、しののめさんに助けてもらったものの、なんだかなー。
しかし、自宅の隣が宿屋って・・・泊る意味があるのか?
その後、食堂にもよって様々な住人と出会うことができた。私のことはすでに、町中に知れ渡っているみたいだ。どんな噂なのかは怖くて聞けないが。しかしどうやら、シアレンスはかなり小さな町らしい。・・・っていうかここ、どう考えても村だよね?
そうこうしているうちに夕方になり、私は帰宅することにした。さて、ゆっくり寝るぞー!
≪春の月、4日(水)≫
今日も午前中は働いて、午後からは街の探索だ。今日は違う道を行ってみよう。
そして13時半に雑貨屋に入ってみた。
カリン「本日の営業はもう終了しました。」
早っ! っていうか、彼女とは昨日会ったけど、そうとうな怠け者だ。働く気などカケラもないのだろう。でも、これはこれで、見ている分には面白いし微笑ましい。問題は・・・彼女がうちの出荷を担当しているってことだけど。
お次は花屋だ。例のシアが経営しているというのだから、気をつけておかなければ。
シア「いらっしゃいませ♪ あっ、ヨシヒトさん。待っていましたよ♪」
待ち構えていたらしい。ほんと、油断の出来ない人だ。が、彼女はアクティブシードという変わった種をくれた。このタネを植えると、すぐに成長して仕事を手伝ってくれるようになるらしい。一見親切な行為に思えるが、彼女のことだ。きっと裏があるに違いない。
その後、町の人からの依頼が書かれる掲示板の説明をしてくれたのだが・・・えーっと、つまりは、このアクティブシードを使って、頑張って仕事に励んでくれというわけだな? ほら、裏があった。ほんと、モンスター使いの荒い人だよなぁ。まあ、はっきりした目的があったほうが生活も充実するというものだ。これからは依頼を頑張ってこなしていこう。
初めての依頼はシアからだ。引越してきたばかりだから、みんなに挨拶しに行くように言われた。妙な依頼だが、モンスター使いのシアにとっては、ペットをしつけるような感覚なんだろう。それに私は、モンスター使いには逆らえない。本当は少しずつ街を回るつもりだったのだが、今日のうちに回ってみることにしよう。・・・って、もう2時前なんだけど、時間は大丈夫かな?
とりあえず、鍛冶屋に行って、次はアトリエに行って、次は病院に・・・って、この町、変な人ばかりだなぁ。特に同世代の女の子。普通の人が1人もいないような気がするぞ。もっともこの町で一番ヘンなのは、人間ですらないっぽい私だけどさ。これぞまさしく、類は友を・・・それはさておき。
結局この日のうちにはあいさつ回りを終わらせることができず、この依頼は明日に持ち越すことになった。
おかしいな。全部の家を回ったはずなのに。もしかして、住人全員に挨拶しないといけないのかな? うわー、これは大変だ!
ともかく、寝よ、寝よ。
≪春の月、5日(木)≫
何とかあいさつ回りを終わらせることができた。その途中でみんなが話していたのが、明日行われる豆まき大会のこと。
・・・で、なにゆえ鬼が私なの? もしかして、私の正体がモンスターだってこと、みんなにバレてたりしますか?
≪春の月、6日(金)≫
豆まき大会だ! 昨日のうちにルールは確認しておいたから、今日は張り切って鬼役を務めるだけだ。
ちなみに鬼は豆に当たれば当たるほどいいらしく、当たることで得られる得点を競うものらしい。
よーし、当たるぞー! ・・・っていうか、これ、当たるというよりも食べてませんか? ま、いいけどね、そのほうが。この町に来てから、ほとんど何も食べてないしさ!
よーし、食べるぞー!
【結果】
1位 |
モニカ |
6370点 |
2位 |
グルテン |
4534点 |
3位 |
トゥーナ |
3658点 |
私は・・・あ、得点を見るの忘れた! っていうか、見る余裕なんてなかったよ!
しかし結構頑張ったつもりなのに、3位にも入れなかったのか。まあそれでも、参加賞のレシピを3つもらうことができたから良かったけどさ。
その後、シアの祖父であるウェルズさんからイタズラタヌキ退治を引き受け、プリベラの森に向かうことにした。
ところが奮闘むなしく、道中でゾウに蹴とばされてノックアウト。タヌキに会うことすらできなかった。うーむ、これは大変だ。しばらくは修行に励もうか。
そういえば、アクティブシードを使ってなかったな。明日からはもっと頭を使ってみよう。これまで全然使ってなかったからなー。
・・・念のために書いておきますが、これまで全然使っていなかったのはアクティブシードであって、頭ではありませんよ? なんですか、その目は!
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