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≪きまぐれ月記:2006年1月≫

8日 15日 22日 29日

≪1月8日掲載分≫

 あけまして、おめでとうございます。
 今年もよろしくお願いいたします。

 ・・・。

 ・・・・・・。

 ・・・えーっと、口下手で社交性に乏しい私が普通の挨拶をしようとすると、3行目を書くのに5時間ほどかかってしまいそうなので、正月にちなんだ日記を書いて、新年のご挨拶に代えさせていただきます。

 お正月といえばおせち料理ですが、これが縁起を担いだものであることは有名な話です。例えば「昆布はその名前から、よろこぶ」、「レンコンは穴があいていることから、見通しがよい(将来が明るい)」などです。
 でもこれが意外なことに使われていた時代があったことは、あまり知られていないようです。
 意外なこと・・・それはなんと、軍隊での処世術講座。幹部は若手を集めて新年会を開き、おせちを振舞いながら軍人としての生き方を教えていたそうです。

 例えば田作り(ごまめ)。
 これはかつてイワシが、最高級の肥料として使われていたことが元であり、豊作の願いが込められているのですが、軍隊ではこんな意味で食べられていました。

 「これまでの生活は忘れろ。軍隊に骨を埋める覚悟で生きてゆけ。」

 また、おめでたいときに使われる紅白の色分けも、軍隊では「赤勝て、白勝て」という闘争心を煽る意味で使われていました。
 面倒なので、他のものは簡単に書いていきます。

黒豆  みんな同じでいい。自己主張をするな。個性など要らない。
数の子  全員が一致団結して初めて、我々は軍隊として成立するのだ。
巻き寿司  だから長いものには巻かれろ。
昆布  そして腹の中まで黒くなれ。
くわい  1日でも早く芽を出して、
栗(きんとん)  怒りをトゲにして敵と戦え。そして我らがジパング、黄金の国を守るのだ。
エビ  ただし無理をして、ぎっくり腰にはなるんじゃないぞ。

 ・・・というように、本来はめでたいものでも、使い方によってはおかしなことになってしまうのです。

 ・・・え?
 どうせいつものホラ話だろうって?
 念のために調べてみたけど、軍隊とおせちの話なんてどこにもなかったって?
 ギクッ!
 だ、だって、楽しいほうがいいでしょ? ちょっとしたジョークですよ、ジョーク!

 ・・・え?
 ただでさえ怪しいサイトなんだから、事実と冗談を混ぜて書くのはやめてくれ?
 も、申し訳ありません!

レンコン  穴があったら入りたい。
おとそ  ・・・と反省してはみたけれど、分かっちゃいるけどやめられない。


≪1月15日掲載分≫

 ずっと昔に新聞で読んだ話なんですが、女性は買い物をすることがストレス解消になり、男性は逆にストレスになるのだそうです。誤解を与えそうな部分があるので補足しておきますが、ここでいう買い物とは「お金を使うこと」だけでなく、「店内を歩いて商品を選んで・・・」も含まれています。いずれにせよ同じ事をしているのに、男性と女性で正反対の傾向になるなんて面白いですね。

 もっともこの話が掲載されていたのは、世界中から面白い話を集めて短文で紹介するプチニュースの欄なので、事実と言えそうなことは「そういった調査が行われ、そういった結論を出した人がいる」ということだけでして、「その結論が真実かどうかは別問題」なんですが。
 例えば調査はスーパーで行われたのだと思いましたが、そういった店は女性客の割合が多いので、そこに入るとそれだけで居心地が悪く感じる男性は多いでしょうし、男性の中にはスーパーでの買い物に慣れていない人も多いでしょうからね。
 つまり「買い物をすること」以外の要因がストレスにつながっていた可能性も高いので、そのまま信じるわけにはいきません。でも面白い話ではあります。

 さて、なんでこんな話を書いたのかというと、以前の私は「買い物をすることがストレスになる」という男の中の男だったのに、最近では逆に楽しみの1つになってきたことに気付いたからです。1人暮らしが何年も続くと慣れてきて、価値観が変わってくるものなんですね。・・・念のために書いておきますが、性転換したわけではないですよ。
 それはともかく、色々と考えながら買い物を楽しんでいます。

 「夕飯は野菜炒めにしようかな。野菜はあの店が安いから、今日はそこへ行こう。」
 「150g88円の高級もやしが、包装の見ばえが悪いという理由で20円!? ラッキー!」
 「ありゃ? この豚肉、どう見ても同じ物なのにラベルが違うぞ? 張り間違いなんだろうか。値段がずいぶん違うから買おうかな・・・でも、それでもグラム138円は高いな。お、148円のが3割引か。148×0.7で105円弱。微妙だな。な、なにぃ!? グラム98円のが、消費期限間近だから半額だと! 食べきれない分は冷凍すればいいだけだから、迷わず買いだ!」

 ・・・こうやって書いてみると、楽しみの方向性が偏っている気もしますが、楽しければそれでいいのです。
 ちなみに普段は手が出ない高級もやし、もの凄く美味しかったのです。つるっとした食感がなんとも言えず、これなら野菜嫌いの子供でもいっぱい食べられるんじゃないかと思ったくらいです。その日の野菜炒め、主役は間違いなく高級もやしでした。それくらいの衝撃でした。
 それ以来、私はまっすぐに傷物売り場へ向かいます。・・・定価で買う気はありません。

 こんな風に私は買い物を楽しんでいるわけですが、気持ちにゆとりが出てくると周囲を見る余裕も出てくるものでして、色々と発見することもあります。
 家電や衣類も扱っている大きなスーパーへ行ったときのことです。エスカレーターで2階に上がると、すぐ後ろにいた男の学生さんが、急に走り出して私を追い抜いていきました。「何があったか知らないけど、そんなに急がなくてもいいのにな。若いねぇ。」と内心クスッと笑っていたのですが、周囲を見たときにその理由が分かりました。

 「ここ、女性用下着売り場の真ん中じゃないか!」

 私も慌てて逃げ出しました。お店の人は、商品の陳列位置を考えてほしいと思います。

 というわけで、今回は買い物の話を書いてみたのですが、実は買い物の楽しみはそれだけではありません。買い物を終えて帰宅してからも、もう1つの楽しみが待っているのです。それは買い物袋を開けて中身を整理するときのことです。

 「さて、今日は何を買ったんだっけな〜。」

 ・・・私の記憶力、大丈夫でしょうか。


≪1月22日掲載分≫

 このサイト、メインコンテンツであるはずのエセコラム(別窓)を1年半以上も更新していません。非常に焦っています。「エセコラムは2月の更新を目標にしています」と、ついうっかり公言してしまったのですが、書かなければならないのは私なんですよね。私が書かないといつまでたっても更新されないんですよね。時計を見つめて「あ、また1秒すぎた。あ、また1秒すぎた。」って嘆いていても、時間は待ってくれないんですよね。
 あーあ、時間が止まってくれないかなぁ。

 「えーい、時間よ止まれ!」(時計の電池を抜いてみた)

 ・・・お願いですから本気にしないでください。ちょっと錯乱しているだけなんですから。
 あ、2月になったらこうするのはどうでしょうか。

 「寒くて布団から出られないので、春になるまで更新をお休みさせていただきます。」

 だって「心頭滅却すれば火もまた涼し」って言うでしょ。炎でさえ涼しくなるんですよ。この寒い時期に心頭を滅却して更新しようとしたら、大変なことになっちゃうじゃないですか!

 あー、本当にどうしよー!
 ・・・あ、せっかくなので、錯乱状態でなければ恥かしくて人に聞けないような疑問を3つ。

 疑問その1。
 嫌な夢の途中で目が覚めたときって、「ふぅ、夢だったのか」と思いますよね?
 楽しい夢の途中で目が覚めたときって、「はぁ、夢だったのか」と思いますよね?
 ではホラー映画好きな人が怖い夢の途中で目が覚めたとしたら、いったいどう思うんでしょうか。

 疑問その2。
 血液型占いを信じている人って多いですよね?
 もちろん信じていない人だっていますよね?
 では血液型占いを信じやすい血液型って何型なんでしょうか。

 疑問その3。
 「雌雄を決する」という言葉って、女性のスポーツ選手に対しても使われるのでしょうか。その場合、勝った人は雄でしょうか、雌でしょうか?

 あ、もう1つあった。
 マユを全部そってわざわざ描いている女性っていますけど、あれって元々の形が気に入らない人だけでなく、薄いのが嫌だから濃く見せるためにそうしている人もいるって聞いたことがあるんですが、そういう人って多いんですかね。だとしたら髪の薄さが気になる私もマネをして、全部剃って黒く塗ったらどうでしょうか。

 (床屋にて)
 私「スキンヘッドにしてください。」
 床屋「トッピングは、海苔、黒ゴマ、イカ墨のどれにしますか?」

 うわー!(錯乱中)

 ・・・いや、本当にやったりはしませんけど。でもこんなことを書いて現実逃避をしたい今日この頃なのです。
 ところでいつも思うのですが、真面目な文章や面白い文章を書くのは苦労するのに、こんな言い訳めいた文章だけはスラスラと書けるのは、いったいなぜなんでしょうね。

 仮説1:自分を守りたいから。
 仮説2:必死だから。
 仮説3:いつものことだから。


≪1月29日掲載分≫

 ニュースを見ていると、久しぶりにBSE(狂牛病)の話をやっていました。といってもニュースを見ること自体が久しぶりだったので、BSEの話そのものが本当に久しぶりだったのかは怪しいところですが、それはさておき。
 なんでも米国から輸入した牛肉の中に、取り除くことが決められている背骨が混ざっていたため、輸入が再び禁止されたのだとか。そのため日本人のコメントは米国に対する批判的なものばかりだったのですが、その反応がかなり気になりました。

 そもそもBSEの怖さって、いったいどれくらいなのかご存知ですか?
 マスコミ等の情報を元にすると、「BSEは感染すると非常に恐ろしいが、感染する可能性はきわめて低い」というのが真実のようです。また現在では危険部位とそうでない部位がはっきりと分かっており、加工の段階で分離することができます。それ以前に日本人は、危険部位である脳や脊髄などを食べる習慣がありません。しかも事故的な理由で危険部位が肉に混ざってさえ、問題になる確率は非常に低いようです。なぜならBSEは牛には感染しやすいのですが、人間には滅多に感染しないからです。
 BSEがどれくらい感染しにくいかというと、危険な牛ばかり食べていて、しかも食文化の関係で危険部位すらも大量に食べていたイギリスの人が、現在でも元気に暮らしているくらいです。死亡者数は人口5900万人程度のイギリスで、BSE無対策時期に年間数十人(通算で150人強)。ちなみに1国で世界のほとんどを占めています。

 でも「ほぼ安全といっても、100%ではないんだろ? 実際に150人以上が亡くなっているんだろ?」と思われる人は多いと思います。しかしそれも半分は誤解です。

 まず、100%の安全性が確認されている食品は存在しません。逆に一般的に売られている食品の中には、ごく稀に食中毒の原因となる菌が含まれる生卵や、理性だけでなく命を無くすことすらあるアルコール飲料のように、危険であることが確認されている物も数多く存在します。なぜならば、“100%の安全” を求めていては何も食べることができず、何も売ることができないからです。食事というものは “ある程度の安全” が保証できれば、それで妥協するしかないのです。

 食品には衛生上の問題だけでなく、精神衛生上の問題も存在します。
 BSEの場合は感染している牛でさえ、危険部位のみ食用不可で、肉や牛乳だけならOKというのが衛生上の境目のようです。しかし精神衛生上の問題があるため、多くの日本人が嫌がります。これは当然のことのように感じますが、まったく同じような怪しい食材が、身近にいくらでも存在します。
 例えばフグはどうでしょうか。フグは普通に食べると確実に中毒を起こし、高い確率で命を落とす、BSE感染牛よりもはるかに危険な食材ですが、みんな料理人を信じて食べています。自分で料理して食べる素人だっています。どちらも100%の安全が保障されているわけではないのにです。毒性は弱いものの、ジャガイモの芽や病変部(皮が緑色になっている部分)を取り除いて調理するのも同じようなものです。
 このように精神衛生上の問題は、事実を知らなければ無制限に厳しくなるので注意が必要です。

 それから「人口5900万人のイギリスで、極めて危険な食事が行われた結果、年間数十人の死者をだした」という数字。でもこれより恐ろしいものは身近にいくらでも存在します。例えば現在の日本で最も有害な存在だと思われるタバコによる死亡者数は、「日本だけで年間10万人弱」、BSEよりも怖さを実感しやすい交通事故だと、「日本だけで年間7000人程度」です。

 というわけで現在の日本人に関しては、BSEの危険性は考えるだけ無駄といってもいいくらいです。既に存在し、しかしほとんど非難されることのない身近な危険と比較するならば、100万分の1にもならないでしょう。それなのにBSEがこれほど非難されるのは、明らかにおかしいことだと思いませんか? でもその理由は簡単です。

 「タバコやお酒は好きだから、危険であることは認めないし理解しようとも思わない。危険であることが分かっても我慢する。(または)タバコの臭いは嫌いだし、酔っ払いも嫌いだけれど、法律で認められている身近なものだから仕方がないと思う。」
 「でもBSEのことはよく知らないし、他の国で他の人がしている仕事の問題だから、巻き込まれるのは嫌だ。」
 「プロならば責任を持って完璧な仕事をするべきだ。もっとも自分は平凡なサラリーマンだから適当に働いていても構わないし、会社勤めというのは大変だから、少しくらいの妥協は許されるけれど。」

 わがままですよね。判断の基準になっているのが自分の都合だけなんですから。
 もちろんBSEが危険であることは事実ですから、無視して良いことではありません。生産者側での対策は必要ですし、きちんとした対策をきちんと実行してもらわなければ困ります。またBSEに感染した牛の映像は多くの人が見ていると思いますから、消費者が気味悪さを感じることは仕方がありません。
 でもBSEを怖いと思うのであれば、他の病気や事故の怖さを想像することだってできるのではないでしょうか。「BSEによる死者・・・人口が日本の半分弱の国の人が、危険な生活をしていて年間数十人」「タバコによる死者・・・日本だけで年間10万人弱(そのうち数千人は非喫煙者)」などという数字から、現実を想像することだってできるのではないでしょうか。

 BSEを否定するのであれば、それよりはるかに危険なものも否定してください。他人のミスやモラルの欠如を否定するのであれば、自分もきちんとした行動をしてください。それが筋というものです。筋を通さずわがままを通そうとすれば、別のどこかでもっと大きな問題が発生するのですから。
 調度良い例が、JT(日本たばこ産業)のコマーシャルにありました。ボランティアでゴミ拾いをしている映像を映しながら言っていたのは、こんな言葉です。

 あなたが気づけば、マナーは変わる。

 これ、正しくは「JTが気づけば、マナーだけでなく様々なことが変わる」でしょう。タバコの問題に関しては、根本的な原因であるタバコそのものが存在しなければ、マナーなんて考えなくてもよいのですから。「タバコで金儲け」というわがままを通そうとしなければ、喫煙者にマナーを求めなくても、それに付き合わされる非喫煙者の協力がなくても、タバコがらみの問題はすべて解決するわけですからね。

 ところで、万が一にも無いことだとは思いますが、もしBSEの常識が覆され、今後一切牛肉を食べることができなくなったとしたら、人間の健康に影響があると思いますか?
 もちろん、まったく影響ありません。牛肉に含まれる栄養素は他の獣の肉、たとえば豚肉の特徴とよく似ており、栄養面での完全な代用ができるからです。そもそも牛肉を食べる習慣がない国や地域なんて、いくらでもあります。
 つまり牛肉とは嗜好品に近いものであり、贅沢品です。美味しいことと、料理のバリエーションを増やすこと以外には、メリットらしきメリットはありません。逆にデメリットはいくつかあるようです。そんな牛肉で大騒ぎできる日本って、本当に幸せな国だよなぁと思います。少しずれている気はしますけど。


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