≪フリーRPG「孤島の牢獄」制作日記、その8≫
地下3階からは廃鉱だから迷路だよー。ということを前回の制作日記で書いたわけですが、迷路らしい迷路って、3DRPGにおいてはあんまり面白くないような気がしてきました(根拠なしの想像)。そこで鉱夫たちが自分たちの掘った坑道で迷子になる事態が頻発し、その反省を踏まえて地下4階からは迷路にならないような掘り方をしたことにして、迷路らしくない迷宮にしようと思います。実際に困ったのは鉱夫ではなく、私の方だけどね!
さて、ゲーム制作はほとんど進んでいないのに、なぜか制作日記だけがどんどん更新されていく不思議な企画、孤島の牢獄制作日記の8回目は、状態異常について書こうと思います。
まずはいつものウィズの話から。
ウィズは状態異常が非常に恐ろしいゲームです。毒、マヒ、石化は死や全滅につながるためリセットしたくなるほどですし、バランスが非常に厳しいゲームであるため、一時的な魔法禁止状態でもパーティ壊滅につながることは珍しくありません。そんなウィズの中でも特に恐れられているのがレベルドレイン(レベルを下げる)、そして最悪の事態であるキャラクターの消滅です。この2つはあまりにも強烈であるため、大衆向けRPGには存在していないほどです。
ではそんな強烈なものが、なぜウィズというゲームには存在しているのでしょうか。実を言うと、どちらもはっきりとは分かりません。ですが思い当たることはあるので、それをもとに想像していることを書いてみようと思います。
まずはレベルドレインについて。
ウィズの元になったD&Dではエネルギードレイン(日本語版の名称。原版は知らないがおそらく同じ)という名前であり、幽霊や吸血鬼のような不死系モンスターが、生物の命を吸い取るという行為を表現しているのだと思います。RPGが想像力を働かせて遊ぶゲームである以上は、このような雰囲気作りにつながる個性を持たせるのは必要なことであると思います。
また以前の制作日記で、ウィズやD&Dはダメージを受けないように知恵を絞って戦う(場合によっては戦いを回避する)ゲームであると書きましたが、それは敵の攻撃が強烈であってこそ意味を持つことです。そう考えた場合には、高レベルになると怖さが薄れる毒やマヒに変わってレベルドレインを登場させることは、筋が通っているようにも感じます。
ウィズは逃亡成功率が非常に高いことや、レベルドレインを使ってくるモンスターの大半はキャラクター側の特殊能力で消滅させれられることからも、レベルドレインを使う敵とはまともに戦ってはいけないという前提で制作していると考えることもできます。ザコ敵から逃げ回るのはホラーゲームであって、ヒロイックファンタジーのゲームではありませんが、少しならばホラーの要素があったほうが楽しくなることもあるでしょう。
ですがウィズもD&Dも、レベルアップが非常に遅いゲームです。そんなゲームでレベルを下げられたら、やる気をなくす人だっていることでしょう。レベルを上げることがRPGの目的や楽しみ方ではありませんが、レベルが変化しなければいつまでも同じような場所で同じような敵を相手に同じようなシナリオをプレイするしかなく、それは飽きることにつながります。このデメリットは、前述のメリットとは比較にならないほど大きなものです。ようするに、レベルドレインは存在しないほうが良いのではないかと思うのです。
ただしここまでの話は、すべてウィズとD&Dにおけるレベルドレインの場合です。少し手を加えれば、メリットがデメリットを大きく上回る仕様にすることも可能なはずです。ようは失ったレベルを回復できるようにすればいいのです。拠点に帰って宿に泊まる、あるいは教会(病院)で治療費を払うことでしか回復できないようにすれば、冒険中はレベルの回復ができないため、緊張感をもたらし楽しさを生み出すが嫌になることはないという、理想的なペナルティとなりえるはずなのです。重要なのは、魔法やアイテムで冒険中に回復させることはできないということです。
というわけで、そんなシステムにしたかったんですけどねー。出来ないツールなので、泣く泣くレベルドレインは廃止しました。
レベルドレインが無くて、イラストもなくて、こんな不死系モンスターのどこが怖いんや!
・・・って苦情がきたらどうしよう。うーむ、制約の多いゲーム作りは難しい。もっとも自由度の高いツールを使っても、私が作りたいゲームは作れそうにありませんので、このツールに大きな不満は無いわけですが。
ともかく仕方がないので、不死系モンスターは毒やマヒなどの状態異常てんこ盛りにしようと思います。でも弱点が多いので、獲得経験値は少なめです。力押しで戦うのは損ですよー。
あ、そうそう。ウィズの不死系モンスターって、レベルドレインを始め厄介な特殊能力を持つものばかりなのに、獲得経験値が少ないんですよ。これってキャラクター側の特殊能力で消滅させられる(専用の大きな弱点がある)からだと思うんですが、わざと「戦うと損をするモンスター」として設定している可能性もあると思うんです。ウィズのモンスターって、強さと獲得経験値のバランスがメチャクチャなものが多いんですが、ここまでひどいと意図的だとしか思えませんので。そして割に合うモンスターを見極めるのもゲーム性の1つなんじゃないかと思うのです。これ、なかなか面白いアイデアだと思うんですよ。私は好きじゃないけどね!
つぎはキャラクター消滅について。
・・・と思ったのですが、長くなったので今回はここまでにします。
さて、ウィズ経験者に宿題です。手塩にかけて育てたキャラクターが消滅してしまう可能性があるシステムについて、あなたはどう感じていますか? なぜこんなふうに作られていると思いますか?
RPG理論のように模範解答(教科書)が存在しない分野って、自分の経験をもとに自分なりの考えを持つことが大切であり、また楽しいことだと思うんです。ですからRPGに詳しくなりたければ、本やネット上の文章を読んで「ふーん」とか「なるほど」とか「それは違うだろ」とか思うだけではなく、普段から自分で答えを見出そうとする癖をつけておく必要があると思っています。
というわけで、次回までに色々と考えてみてほしいと思うのです。次回の話をどんなふうに書けばいいのか悩んでいまして、次の更新はちょっと遅くなりそうですので。だから時間はたっぷりありますよ!
あ、そうそう。いい答えを思いついたら、メールや掲示板で教えてくれてもいいですよ。もちろん「奇遇ですね。私も同じことを考えていたんですよー」と言いつつ、アイデアをパクって次回の更新に使ったりはしませんからね!
・・・本当ですよ?
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