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≪フリーRPG「孤島の牢獄」制作日記、その7≫

 迷宮(迷路)の作り方を考えてみました。孤島の牢獄の場合、迷宮というのは廃坑(遺跡っぽいのは地下2階まで)です。そのため縦横無尽に(テキトーともいう)通路を作り、ところどころに休憩所的な場所(小部屋)を作っていけばいいのかな、と思いました。もっともそれは普通の3DRPGのマップと似たようなものであり、それが決まったところで「良い3Dマップの作り方」というのが分かっていないのは変わっていないわけですが。・・・進歩していないとも言います。
 ともかく、とりあえずはテキトーに作ってみて、おかしかったらその都度修正していく、という方針でやってみることにしました。

 以上、ここまでは制作日記っぽい制作日記でした。ここからはそれっぽくない制作日記です。・・・以前に普通の制作日記になると書いておきながら、結局理屈日記に戻ります。でもこれは、書き手が私だから仕方がないよね!?

 さて、今回の話題はモンスターについてです。孤島の牢獄はモンスターのアニメーションが無いどころか、イラストすらありません。ツール自体はイラストを使用することができるのですが、サイズが決まっているうえに自分では描けないため、入れようがないのです。ようするにこのゲームは、文字と線(ダンジョンは、ワイヤーフレームと呼ばれる線画で表示される)だけでできているという、このサイトみたいな地味極まりない見た目です。でもイラストというのは音楽ほどには重要でないと考えており、実際にテストプレイをしても問題はなさそうでした。
 ただしこれは、私がモンスターの姿を知っているから頭に思い描ける、というのが大きいのではないかと思います。それに私は古いゲーマーであるため、見た目がしょぼいゲームに慣れているというのもあるでしょう。
 ようするに、見た目だけは立派なRPGに慣れている人には、かなり厳しいゲームではないかと思うのです。もっとも今どきプレイヤーが「遊んでみようかな」と思ってくれるような方向性のゲームではないですけどね。

 だからといって、何の対策もしないわけにはいきません。そこで考えたのが、ファンタジーゲームでは良く見かける、王道的なモンスターのみを登場させるというものです。ウィズ系3DRPGであるこのゲームをプレイしてくれる人というのは、おそらくファンタジーのモンスターをある程度知っていると思われ、それで何とかなるのではないかと思うのです。今どきのRPGだって、王道的なモンスターは頻繁に登場しますしね。

 もう1つモンスターの話題を。
 ウィズには不確定名というものがあります。出会ったばかりでその正体を把握できていない状態では、本来のモンスター名ではなく、不確定名と呼ばれる大雑把な名前が表示されるというものです。もちろんイラストも本来のものではなく、不確定用のものが表示されます。
 このアイデア、とても面白いんですよ。同じ場所に同じ不確定名を持つモンスターが出現する場合、何度も戦っているモンスターであっても、判別できるまでは手探りで戦うしかないのですから。このようなパターン化された戦闘を防ぐ手段というのは、RPGにおいて非常に重要なものであると考えています。もっともウィズの場合、早い段階でモンスターの正体を判別する魔法を習得できる(しかも長時間持続する)ため、すぐに意味がなくなってしまうのですが。
 そこで孤島の牢獄の場合、初めはその魔法の習得時期を遅くしていました。こうすれば長期間、良い意味で遊びにくい状態が続くからです。でもそれならばいっそのこと、判別魔法を無くしたほうがいいのでは? と思い、削除してみました。

 でもテストプレイをしてみると、不確定状態というのが非常に遊びにくいのです。正体が分からない敵と戦い続けるというのは、はっきり言って訳が分からない戦闘をさせられるようなものです。
 そこで思ったのが、不確定状態を導入したゲームというのは、敵の特徴がまったく分からない(予備知識がない)状態からスタートし、何度も何度もじっくりじっくり同じ階で同じ敵と戦い続け、プレイヤーがその階に出現するモンスターの種類や特徴を知っていくことも楽しまなければならないんだな、ということです。
 このことは、理屈自体は中学生の時から気付いていたんですけどね。今回それを実感しました。
 しかし中学生というと・・・6年以上も前になるんだなぁ(嘘をつかずに年齢をごまかすテクニック)。

 閑話休題。
 孤島の牢獄はウィズ系RPGであり、つまりは迷宮探険とアイテム入手と、何よりも戦闘を楽しむゲームです。ですからその階のマップを完成させてもすぐに次の階へ行くことはせず、じっくりじっくり戦闘を繰り返して、少しずつパーティを強化しながらプレイすることを前提として作っています。ですから不確定名を導入することには筋が通っています。でもそれが楽しさにつながるほど戦闘を繰り返さなければならないのは、ゲーム全体のテンポを悪くし、総合的な楽しさを損ねるのではないかと思うのです。古いゲーマー向けのゲームであっても、そのプレイヤーが古い価値観のままでいるとは限りません。私のように、昔よりもゲームに関してせっかちになっている可能性は多々あります。そもそも古いタイプのゲーマーというのは、今ではそれなりに年をとっている人が多く、ゲームに費やせる時間と気力が十分にある人は少数派ではないかと思うのです。面白いアイデアであっても、そして楽しさを生み出すためであっても、そのために大きなデメリットを抱えるのは、個人的に好きなやり方ではありません。

 そこで孤島の牢獄では、不確定名というシステム自体をなくしました。つまり普通のRPGに近づいたということです。本当は判別成功率の計算式を自分で作る(例えば遭遇回数が増えれば成功率が上昇する)ことで、不確定名という面白いシステムを残したかったんですけどね。
 仕方がないとはいえ、問題のあるシステムを改善ではなく削除という方針で作って行くと、どんどんウィズっぽくなくなっていきます。まあ孤島の牢獄はウィズ風RPGであって、ウィズではないからいいけどね。


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