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≪フリーRPG「孤島の牢獄」制作日記、その2≫

 今回は職業と種族の紹介です。
 本家ウィズでは転職することができるのですが、孤島の牢獄ではできないようにしました。その理由は・・・あれ? なんだったっけ? えーと、確か・・・あ、そうだ。全ての職業およびキャラクターが同程度の使い勝手になるようにするつもりだけど、転職が可能だとその方向性が崩れてしまうからだった。

 そんなわけで、プレイヤーの脳内イメージに忠実な職業でも損をしないかわりに、超強力な万能キャラクターはどうやっても作ることができません。第一回に書いた物語に登場する冒険王デュランは、すべての職業を足したようなキャラクターということになっていますが、実際にはそんな傑物は作れないわけです。彼には、実は職業が異なる影武者がいたのかも。うん、そうだ、そうしよう。

 ともかく、職業をご紹介します。説明は実際にどうなっているかだけではなく、そうしたいという願望も含まれています。


【戦士】
 最高のHPを持つ。戦闘職用の基本装備に加え、強化長剣と大剣(両手持ち)、強化防具を装備できる。

【盗賊】
 飛び抜けた盗賊技能(宝箱に仕掛けられた罠を見抜き、解除する)を持つ。戦闘はそこそこ。唯一、戦闘中に身を隠して、後列からでも通常攻撃をすることができる。このゲームの短剣は強いため、少しは戦力となるはず。もっとも後列ならば、身を隠すターンが不要な分だけ弓(盾装備不可)を装備したほうが強いはずだが。攻撃重視ならば弓、防御重視または前衛ならば短剣。もちろん前衛は戦闘職に任せた方が安全だが。

【白魔術師】
 白魔法の習得が早い。専用の杖は(プレイヤーの脳内設定による)なにかの加護が得られるため驚異的な物理防御力を持ち、専用の服は高い状態異常耐性を持つ。そのため後列での回復要員としては最高の安定感を持つ。ダメージ魔法も使えはするが、総合的な攻撃能力は最も低い。

【黒魔術師】
 黒魔法の習得が早い。専用の杖は魔力による強力な遠隔攻撃が可能(通常攻撃扱い)で、専用の服は高い魔法抵抗力を持つ。後列のアタッカーとしては総合的に最も優秀。ただし物理攻撃にはめっぽう弱いし、専用杖のダメージはばらつきが非常に大きく安定感がない。

【海賊】
 ウィズにおける忍者(戦士+盗賊)だが、クリティカル能力は無く、レベルが上がってもACは下がらない。
 戦士並みのHPと、まずまずの盗賊技能を持つ。戦闘職用の基本装備に加え、大剣を装備できる。ただし戦士ほどの防御力はないため、大剣の装備はリスクが大きく使いづらい。後述の聖戦士や魔法戦士よりもHPが高く、戦士と同等にしているのはそのあたりのバランスを考慮しているから。実際のところ、大した違いはないけれど。
 クリティカルとAC低下の能力が無いのは、制作ツール由来の仕様を変更できず、バランスに問題が発生すると考えられるため。海賊のイメージとも異なるし。

【聖戦士】
 ウィズにおける君主(戦士+白魔術師)。
 高いHPを持ち、ゆっくりと白魔法を習得する。戦闘職用の基本装備に加え、強化防具を装備できる。
 最終的な基本性能は白魔術師よりも上だが、状態異常に対する耐性が平凡なため、回復役としての安定感では劣る。

【魔法戦士】
 ウィズにおける侍(戦士+黒魔術師)。
 高いHPを持ち、ゆっくりと黒魔法を習得する。戦闘職用の基本装備に加え、強化長剣を装備できる。
 最終的な基本性能は黒魔術師よりも上だが、魔法抵抗力が平凡。そのうえ弓を装備して後列から通常攻撃をする場合、専用杖を装備した黒魔術師に若干劣る・・・ようにしたい。

【義賊】
 盗賊+白魔術師。
 まずまずの盗賊技能を持ち、ゆっくりと白魔法を習得する。
 最終的な基本性能は白魔術師よりも上だが、専用装備がない。

【怪盗】
 盗賊+黒魔術師。
 まずまずの盗賊技能を持ち、ゆっくりと黒魔法を習得する。
 最終的な基本性能は黒魔術師よりも上だが、専用装備がない。
 このゲームの罠はそれほど凶悪ではないため、盗賊が1人いれば他に盗賊系キャラを入れる必要性に乏しい(たまに罠を発動させてしまう程度ならば、回復魔法とアイテムで十分に立て直せる)。それゆえ海賊、義賊、怪盗は盗賊をパーティに入れない場合に、その代理として2人ほど入れておけばよいという考えで設定している(2人で盗賊1人と同程度になるはず)。これらは必須職業が存在しないゲームにするための仕様と考えてほしい。

【賢者】
 ウィズにおける司教(白魔術師+黒魔術師)だが、鑑定能力は持たない。
 黒魔法と白魔法をゆっくりと習得する、最終的には最強の魔法使い。ただし専用装備が存在せず、魔法以外はサッパリ。
 鑑定能力がないのは、ウィズにおける司教の重要性が高すぎるため。
 なおアイテムはすべて本来の名前で入手できる。不確定状態での装備や鑑定失敗による強制装備がありえないがゆえに、存在する意味がほとんどなくなる呪いのアイテムは登場しない。高い性能を持つ呪い付きアイテムというのも面白いが、需要は少ないと思われる。ゆえにアイテムの総数を減らし少しでもシンプルなゲームにするため、採用はしなかった。


 お気づきかと思いますが、装備についても書いています。例えば魔法戦士と海賊はタイプが異なる攻撃力の高い武器を装備でき、聖戦士は防御力の高い防具を装備でき、戦士はそのすべてが装備できるようになっています。能力的な部分での差別化がほぼできないツールであるため、このような手段も駆使してその職業だけのメリットを生み出しています。

 バランス的に難しいのが、魔法+αな職業です。魔法能力に限れば最終的には専門家と全く同じになってしまうため、他の部分で差をつける必要があるのです。なので魔法+戦闘という職業の場合には、前衛向きか後衛向きかという違いで差別化を図り、魔法+盗賊という職業は通常攻撃力や総合的な耐久力で差をつけるようにします。
 うまく調節できるといいなー。

 ついでにバランスの話をもう少し。
 戦士は他の戦士系よりも少し物理戦闘に強いだけなうえ、特殊能力がなにも無いため、かなり不利な印象を持たれるかもしれません。しかし孤島の牢獄を含む大抵のRPGでは、物理戦闘力(攻防とも)の影響力が非常に大きいため、ちょっとした差が実際にはかなりの違いになると考えています。
 また賢者は他の魔法系よりも多くの魔法(種類、回数とも)が使えるため、明らかに有利という印象をもたれるかもしれません。しかし魔法の習得速度が遅いため中級、上級の魔法はなかなか習得できず、臨機応変に行動させないと器用貧乏になりかねません。また戦闘中に使える魔法は一度に一つだけであるため爆発力があるわけでもなく、賢者の魔法使用回数だけが残っていてもパーティとしては戦えないため、その実用性はイメージには程遠く、他の職業と同程度であると考えています。もちろん最終的には、魔法に限って言えば最強の存在となりますが、それを言えば白と黒の魔術師は、非常に実用的な専用装備を手に入れられるわけで・・・。

 あ、そうそう。転職不可なうえに全ての職業を同ランクにしているので、就職に条件はありませんし、レベルアップ速度はどの職業も同じです。またキャラクター作成時のボーナスポイント(能力値に振り分けられる)は、16で固定です。粘っても変化しません、悪しからず。

 種族は存在しません。ただしどんな能力タイプかを選択でき、その違いは能力値の上限に影響します。ボーナスポイントが多いので、タイプによる初期値の違いは(極端な振り分けをしようとしない限りは)ほとんどありません。
 ちなみに性別の設定は可能ですが何の意味もありません。性別で能力や装備に違いを作るのは好きではありませんので。
 性格は設定すらできません。これはパーティ構成と職業選択の自由を妨げるうえ、(おそらく)ゲーム中に変化してしまうため、ロールプレイと快適さの両立が出来ないからです。


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