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≪魔法の国、ミシディア≫

 アルテマ探索の任務を受け、魔道師の国ミシディアへ向かった私たち。ミシディアの場所は少し分かり難いのだが、私は元の世界での記憶を生かし、少し迷っただけで到着した。

 この国は面白い。出会う人がすべて魔道師なのだ。きっとファイア(炎)やサンダー(雷)、ケアル(回復)のような初級魔法など、日常的に使われていることだろう。

 母「お待たせー。今夜のおかずは焼き魚よ。」
 子「ママー! 今日もまた焦げてるよ!」
 父「どうせまた、ファイアをかけ損ねたんだろ。母さんは火加減が苦手だからな。ああ、俺は何でこんな奴と結婚したんだか。」
 母「あなた、それはどういう意味ですか。またサンダーを味わいたいのですか。」

 &△%$○#!!!

 子「おばあちゃーん! またパパがピクピクしてるよー! ケアルしてー!」

 ・・・こんなファンタジー世界って嫌だな。


≪ファイナルファンタジー≫

 この国で情報を集めている途中、百科事典のようなものを発見した。読んでみると、これまでに私たちと関わりのあった事柄もずいぶん書かれていた。女神のベルのこと、飛竜のこと、そしてもちろん、アルテマのことも。
 地獄の魔王の宮殿パンデモニウムがこの世に現れたとき、危機を逃れるために生み出された究極の魔法、アルテマ。しかし余りにも強力なその魔法の存在が世界の混乱につながることを恐れ、巨大な塔を作って封印したのだとか。この話が真実だとすると、アルテマというのは途方もない可能性を秘めていることになる。故フィン王が切り札になると期待したのも当然といえるだろう。

 この本はかなり古いものらしく、大戦艦はもちろん、フィン王国の紋章である “のばら” のような比較的最近のことは載っていなかった。しかし飛空船のことが書かれていたのは驚きだ。技術そのものはかなり昔から存在していたようだ。
 飛空船について、この本にはこう書かれている。

 「新しい技術の産物。このような技術が増えれば、そのうちに、魔法はこの世から消えてしまうだろう・・・・」

 そう、魔法は科学と共存できない。どちらかで十分ならば、人は便利な方を1つだけ選択するものなのだから。科学が一般的になればなるほど、魔法の必要性は失われ、伝統文化という一部の人だけのものになってゆくだろう。

 空想から現実へ。
 魔法の世界から科学の世界へ。
 剣や魔法が失われ、竜や妖精が住めなくなっていく、終わりゆく世界の物語。
 ゆえに、ファイナルファンタジー。

 ファンタジー世界とは、空想の中にのみ存在するものだ。しかしいずれはこの本に書かれている通り、空想の世界からも消えていってしまうのだろうか。

注:ファイナルファンタジーというタイトルの意味は、私の十八番のこじつけです(ああ、一気に現実の世界へ・・・)。


ひとり言:ゲーム性を重視する私が最も好きなRPG、それがこのFF2。でもこの作品に今でも強い印象をもっている理由は、ゲーム性とは関係のない2つの事柄です。その1つが反乱軍アジトのBGM。そしてもう1つがこの、飛空船の説明です。ファンタジー世界に科学的な要素はいらないと思っている私ですが、神秘的な存在であってほしい魔法への憧れと、その特殊性ゆえに競争になれば科学が勝つだろうという悲しい推測が、この短い文章にも込められているように感じたのです。ちなみにテキストが大幅に変更されたGBA版では、このテキストも変更されています。非常に残念!


≪試練≫

 この国で情報を集めたところ、ミンウはずっと前に、アルテマが封印された塔に向かっていることが分かった。私たちも急がなくては。
 しかしその塔に入るためには、既に持っている白い仮面のほかに、黒い仮面とクリスタルロッドが必要になるという。ミンウに追いつくのは、まだ先の話になりそうだ。

 意味がさっぱり分からない2つの仮面だったが、前述の本にそのことが書かれていた。どうやらどこかにドッペルゲンガーという魔物がいて、そいつをどうにかするために必要になるらしい。本にはこう書かれていた。

 「白い仮面を地下の女神に捧げよ。良き心あらば、ドッペルゲンガーは動きを止める。黒い仮面をドッペルゲンガーにかぶせよ。彼はなんじの悪しき心と共に去る。」

 地下の女神というのは、この国にある女神像のことだろう。これに白い仮面を捧げると、ドッペルゲンガーの動きが止まるらしい。
 私はドッペルゲンガーという奴に興味があったので、そいつがいるという洞窟(クリスタルロッドがあるらしい)へ行ってみたのだが、そいつは私のそっくりさんだった。しかし鏡に映った姿のように私と同じ方向に動くせいで、邪魔になって洞窟の先へ行くことができないのだ。どうやらこいつはアルテマを求める者を試す試練の1つであり、本の記述から推測すると、試されるのは私の心のようなのだ。

 地下の女神像の前まで戻ってきた私は、ドッペルゲンガーの動きを止めるために、白い仮面を像にかぶせようとする。
 ・・・が、その手が止まった。確か本には、こう書かれていたはずだ。

 「良き心あらば、ドッペルゲンガーは動きを止める。」


 もし、万が一、ドッペルゲンガーが動きを止めなかったとしたら・・・。
 これは、まさに試練だ! 


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