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≪言葉≫

 この戦争に勝つためには欠かせないと考えられる、竜騎士と飛竜の力。彼らは帝国との戦いで全滅したと伝えられている。しかし私たちは、生き残りがいるという僅かな可能性を信じて、彼らを捜しに行くことになった。
 でも私たちは、彼らのことを何も知らない。彼らが暮らしていたというディストという国の場所さえ知らないのだ。そこでまずはいつものように、アジトを回って情報を集めることにした。

 町人「竜騎士たちは飛竜の言葉が分かるというが、人間に竜の言葉が理解できるだろうか?」

 無理もない疑問だ。それにこれは、私たちの探索にも大きく関わってくる重要な問題だ。竜騎士と飛竜を同時に、あるいは竜騎士を先に見つけることができれば問題ないだろう。しかし飛竜だけを見つけたら? 下手をすれば戦闘になりかねない。
 しかーし! 私たちには心強い仲間がいる。それはガイ。ご存知の通り、彼は動物と会話することができるのだ。彼さえいれば、いつ飛竜と出会っても大丈夫だ。
 ・・・だ、大丈夫だよな? ジャイアントビーバーとしゃべっていたんだから、竜とだって・・・。

 いつも側にいながら全くというほど目立たない彼に、こんな時くらいは活躍してほしいと願う私だった。この日記で目立っているのって、私とヒルダ王女とゴードン王子くらいだもんな。おっと、星になったミセスヨーゼフも目立っていたか。
 ・・・いや、違うな。

 ヒルダ王女  目立っている。
 ヨーゼフ   目立ってしまっている。
 ゴードン王子   笑い者になっている。
 私  さらし者になっている。

 うん、これが正しい表現だ。


≪交渉術≫

 ディストとは遠くにある島国で、船に乗らなければ行けないらしい。そこで無秩序でナンパ自由な港町パルムへ行き、つれて行ってくれる船を探すことにした。しかしなぜか、誰も協力をしてくれない。

 船乗り「なに、ディスト!? だめだめ、他を当たってくんな!」

 ディストというところがよほど危険なのか、それとも他に理由があるのかは分からないが、みんなこの調子なのだ。そこで仕方なく、入り口のすぐ近くにいた、レイラという女性船乗りに声をかけることにした。

 レイラ「ディストまで行く船を探してるんだろ? あんたたち、ラッキーだよ! あたいの船が、ちょうどディストまで行くところさ。乗ってかない?」

 マリア「なんか、怪しいなー。怪しい・・・・」

 うん、怪しい。だから私は、一番目立つところにいた彼女をわざわざ無視して、他の船乗りに話しかけていたのだ。
 思ったとおり、彼女は非常に怪しい。しかも彼女の口調は、なんだかナンパをしているみたいだ。乗せてもらったら、きっと途中で難破するに違いない。

 ・・・。

 ・・・・・・。

 ・・・・・・・・・。

 場を支配する沈黙。やがて吹き荒れるブリザード。ここにアダマンタイマイ(亀モンスター)がいれば、間違いなく凍死する。ああ、亀に生まれなくてよかった・・・なんて言ってる場合じゃない!

 口走ってしまったオヤジギャク。まずい。このままでは、私の実年齢がばれてしまう!
 そこで私は話題を変えるために、マリアの反対を押し切って船に乗せてもらうことにした。・・・が、またもや口を滑らせてしまった。

 私「いいじゃないか! タダだし。お願いしますっ!」

 いかん、これでは本当にさらし者だ。ああ、があったら入りたい。もう墓穴は嫌だけど。
 ・・・ああ、また掘った(泣)。


≪海賊船≫

 レイラの船に乗りこんだ私たち。船乗りたちは忙しく働き、船はディストに向かって進んでいく。
 私たちはお金も払っていないのに、客人扱いされているようだ。特に仕事を強要されることもない。
 のどかなはずの船旅。しかし空気はいまだ重苦しいままだった。一言もしゃべろうとしないマリアとガイ。もちろん原因を作った私が口を開けるはずもない。

 そんな沈黙を破ってくれたのは、船長であるレイラだった。
 空気を読んで行動してくれるなんて、彼女はいい人だなぁ。それで、どんな御用ですか?

 レイラ「身ぐるみ置いていきな。命だけは助けてやるよ。」

 ああ、命だけは助けてくれるのか。彼女はいい人だなぁ・・・って、そんなわけはない。
 周りを見渡すと、船乗りは全員武装して私たちを取り囲んでいる。どうやら本性をあらわしたようだ。
 彼女たちの正体は、船乗りではなく海賊。それくらい、出会ったときから分かっていた。この町に初めてきたときに海賊の姿を見かけていたし、レイラの態度は怪しすぎた。裕福そうな旅人をこうやって海に誘い出しては、持ち物すべてを奪っていたのだろう。

 ・・・と推理してはみたものの、どう見てもこの海賊たちは儲かっていそうにない。もしかして、これが彼女たちの初仕事なのだろうか。普通の船乗りをしていたのに戦争のせいで仕事がなくなって、最近になって海賊に転職(?)したのだろうか。ということは、私たちが彼女たちと戦うと・・・

 反乱軍の雑用係 VS 新人海賊

 ・・・あ、アホらしい。あ、しまった。また本音を声に出してしまった。

 レイラ「なに、やる気かい! 馬鹿な連中だね。野郎ども、やっちまいな!」

 あーあ、怒らせちゃった。
 ということで手下の海賊たちと戦闘になったのだが、彼らの弱さは情けないほど。間違いなく彼らは新人だ。ということで、余裕で海賊たちを成敗する。

 レイラ「あたいらのまけよ。さあ、好きにしな! ・・なんで、殺さないんだい?」

 人を襲って物を奪う。これは許されることではない。でも海賊たちの気持ちも分からなくはない。仕事がなければ食べていけず、食べなければ生きていけないのだから、何があっても犯罪に手を染めないなんていう人は滅多にいないだろう。不条理な環境では、良心に従って生きることなんてできはしないのだ。つまり人は誰だって犯罪者になる可能性を秘めているし、彼らは戦争の犠牲者であるともいえる。
 よーし、こうなったら、みんなまとめて反乱軍に勧誘してやる!

 レイラ「・・一緒に帝国と戦おうだって! あたいらみたいな、はぐれ者とかい・・」

 まあ反乱軍に来たって、用意されている仕事は雑用と戦いなんだが。それでもはぐれ者や海賊よりはマシだろう。

 レイラ「野郎ども持ち場につきな! さあ、ディストでも世界の果てでも、あたいは、あんたについていくよ!」

 レイラはパーティの一員として、船から降りても一緒に戦ってくれるらしい。戦争の犠牲者が手を組み、力を合わせ、戦争を終わらせるために戦う。いい話だ。そもそも仕事はあるが船がなかった私たちと、船はあるが仕事がなかった彼らとの間には、戦う理由なんてなかったのだ。
 ん? ということは、私たちがしたことって・・・

 新人海賊を叩きのめして船を強奪。乗組員を部下にして、美人船長を仲間にゲット。

 い、いかん。これではどう考えても私たちが悪者だ。戦争が終わったら、反乱軍にばれる前に逃げ出そう。幸い彼女たちは、世界の果てまでもついて来てくれるそうだから。
 ほんと、口は災いのもとだよなー(談:経験者)


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