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≪トリメア湖≫

 海神の神殿に戻ってきたときには、頼んでいた調査は終わっていました。

 司祭「ブルードラゴンがトリメア湖で目撃されました。トリメア湖は、かつて水の宝珠が保管されていた場所です。ブルードラゴンは宝珠を取り戻そうとしていたのでしょうか?」

 海とつながっているといわれ、それゆえ海の魚が獲れるトリメア湖。どうやらブルードラゴンは、地下水脈を通って湖にやってきたようです。いえ、戻ってきたというほうが正しいのかもしれません。
 クライスたちは水中で戦うのは無謀と考えて、岸におびき出して戦うことにします。作戦は簡単、傷つけた家畜を以下動物愛護団体からの苦情が怖いので省略。

 ブルードラゴンは予想通り強敵でしたが、パーティの実力が上がっていることもあり、何とか勝利。漁師たちの協力を得てブルードラゴンの解体をしましたが、水の宝珠を飲み込んではいませんでした。どうやら湖に潜らなければならないようです。
 しかしこの湖は深く、人魚がらみの仕事で潜った海よりも長時間の潜水が必要となります。ファルナの魔法では(MP的な)不安が大きく、より長時間の潜水時間を求めて、魔法の薬に頼ることにしました。都合のよいことに、エディシアの師匠は錬金術師(魔術品作りが専門の魔法使い)であり、エディシアによれば水中呼吸の薬の製造は十分に可能だということでした。


≪手を取り合って≫

 サリスの魔術師ギルドに戻り、エディシアの師匠を訪ねます。ところが私室には見当たりません。その時、寝室からリュードが現れました。

 リュード「クライス、ちょうど良いところに! 高導師殿が倒れていた。大事ではなさそうだが・・・診てやってくれないか?」

 エディ「お師匠様が!? どいて!」

 エディシアはリュードを押しのけて寝室へ行きます。クライスも様子を見に行きますが、足手まといになりそうだったので、リュードがいる部屋に戻ります。

 クライス「彼女に任せておけば大丈夫でしょう。ところで、あなたがなぜこんなところに?」

 リュード「フェイデルが姿を消して5年。いつ再襲撃があってもおかしくないのに、魔術師ギルドの対応が遅れていたからな。忠告に来ただけだ。それともう1つ、君たちの行方を知っているかもしれないと思ってな。」

 クライス「?」

 リュード「ルヴィア教団の大神殿が見つかった。奴らを倒すため、君たちの力を貸してほしい。報酬は・・・。」

 クライス「そんなものはいりませんよ。その代わり、私たちにも力を貸していただけませんか? ・・・私は、フェイデルを倒したいのです。」

 リュード「利害が一致するというわけか。・・・分かった。よろしく頼む。」

 そして2人は固い握手を交わし、リュードは部屋を後にします。その直後、エディシアが戻ってきました。


≪アタシの進む道≫

 エディ「お師匠様なら大丈夫。疲れがたまっていただけだから。もともと体が弱くて、今までにもあったことだから・・・。」

 エディ「・・・アタシ、ここに残るよ。お師匠様のこともあるけど、アタシ自身のためにも・・・。今まで本当に楽しかった。でもそれは冒険ができたからじゃなくて、みんなと一緒にいられたから。やっとそれに気がついたんだ。そして、アタシが本当にやりたかったことにもね・・・。クライスにもシリュンにも、本当に感謝してるよ。2人と出会えてなかったら、アタシどうなっていたか分からない。ファルナはこんな姉を持って、恥ずかしい思いをしてきたと思う。でもこれからは、自分に自信を持って生きていける気がするの・・・。」

 エディ「仲間としての最後の仕事、水中呼吸の薬はアタシが作るわ。・・・みんなのことは忘れない。だからクライスも・・・。」

 クライス「何を言っているんですか。進む道が変わっても、私たちは何も変わりません。私たちはいつまでも仲間ですよ。」

 エディ「・・・うん、そうだね。お師匠様が元気になったら、アタシ毎日、冒険者ギルドに顔を出すよ。だからサリスに戻ってきたときには、冒険の話を聞かせてね。約束だよ!」


≪水の迷宮≫

 エディシアから水中呼吸の薬を受け取って、4人はトリメア湖に戻ります。

 シリュン「これ、エディシアが作ったんだろ? 本当に大丈夫なのか?」

 ファルナ「あら、姉さんが信じられないっていうの? じゃあ私から飲むわよ。(ゴクン)うっ・・・。」

 シリュン「そんなことだと思ったぜ。・・・ファルナ、大丈夫か?」

 ファルナ「・・・味以外はね。」

 それはさておき、4人は海藻で作られた迷宮に挑みます。凶暴な魚やらカニやらが襲いかかってきますが、それほど苦戦はしません。なにしろエディシアが抜けてリュードが加入。そのおかげで戦闘力が大幅アップしていますから。
 ・・・エディシアが役立たずだったわけではないんですけどね。彼女は攻撃魔法と回復魔法の両方が使える、間違いなく便利な人材でした。でもリュードはそれに加えて攻撃力と耐久力も抜群なので、やっぱり差が出るんですよ。なにしろ隊列最後尾だったエディシアから、最前列のリュードに代わったわけですから・・・。

 そして4人は、最奥部の祭壇に安置されていた水の宝珠を入手します。魔物が守ってはいましたが、本来の守護者ではないので倒すのは楽なものでした。


≪ブルードラゴン戦の後日譚≫

 トリメア湖畔にある村10では、旅人ラッシュが起きていました。なんでも今だけの期間限定で、ものすごくおいしい肉料理が食べられるのだとか。

 海神の信者A「私たちは海神の信者を代表して、“勇者の贈り物” を食べにきたんです。」

 海神の信者B「海神に仕える者として、全ての海鮮料理を知る義務があると思うんですよ! というわけで、いったっだっきま〜す。」

 旅人「これはうまい! しかし一体、何の肉を使っているんだ? 牛でもなし、豚でもなし・・・。」

 お忍び貴族「素晴らしいお味です。わざわざイシェルドから訪ねてきたかいがありましたな。」

 地元漁師「おおっ、クライスさんたちじゃないですか! あんたたちのおかげで、この村は大もうけだよ、わっはっは!」

 シリュン「・・・今だけの期間限定で、オレたちのおかげで、謎の肉って・・・アレだよな?」

 クライス「・・・アレでしょうね。」

 ファルナ「・・・わたしもそう思う。」


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