≪新天地に到着≫
翌朝クライスたちは、マーカス大陸の玄関である港町に到着しました。そして4人はこれからのことを相談します。
レイバート「ワタクシはクライス殿についていくつもりですがね。」
クライス「冒険者になるのですか?」
レイバート「ワタクシは吟遊詩人ですぞ。未来の勇者に出会いながら詩の一つも作らなかったとあれば、末代までの笑い草ですからな。」
セザール「ならば、俺もお供するしかないな。こんなやつに付きまとわれたんじゃあ、未来の勇者に未来はないからな。」
レイバート「ほほう。脳ミソ筋肉殿も、なかなか言いますなぁ。」
セザール「いやいや、口先デマカセ詩人にはかなわないさ。」
クライス「・・・。」
エディ「(ひそひそ)ねーねー。クライスって、本当に未来の勇者なの?」
レイバート「(ひそひそ)人に取り入るときは、まずはおだてることですぞ。覚えておくといいですな。」
エディ「???」
クライス「・・・聞こえているんですが。」
≪冒険都市イシェルド≫
ここマーカス大陸にあった国は数百年前に滅びたものの、人が滅びたわけではなく、またスメリア国から植民が行われたこともあって、現在ではいくつかの都市国家が存在し、またそれらをつなぐ街道沿いには町や村が点在しています。
クライスたちは、都市国家の1つであり冒険者の町といわれるイシェルドへ向かうことにします。途中で寄り道して、村4や大魔道師の塔(敵がたまに落とす謎アイテムを、実用的なアイテムと交換してくれる物々交換所)や、海神の神殿にも行ってみました。
ちなみに海神の神殿では、こんな言葉を聞きました。
信者「海の恵みは万人に与えられます。信者かどうかという些細なことを、神は気にとめません。我々もそうありたいものです。」
ほんと、実社会の宗教関係者には、こうあってほしいと思います。
さてイシェルドですが、この近くには巨大な遺跡があるため冒険者にとっては楽園のような場所でして、それゆえ冒険者が大勢集まってくるのです。もっともクライスは冒険者といっても目的をもって旅をしているタイプですので、この町にとどまるつもりはないのですが。そこでクライスたちはこの街で冒険の準備を整え、大陸を端から旅していくことにします。ここからしばらくはプチフリーシナリオです。とりあえず村5、村6、村7・・・と、順番に旅することにしましょうか。・・・だから、手抜きじゃないんだってば。
≪村5≫
港町やイシェルドでもそうだったんですが、マーカス大陸ではリュードという勇者のうわさをたびたび耳にします。なんでも容姿端麗、頭脳明晰、世界最強と3拍子揃った若き勇者なのだとか。そのリュード、なぜかルヴィア教団を目の敵にしており、教団の教会をつぶしながら旅をしているらしいのです。
そんなリュードの名前を、ここ村5でも耳にしました。
冒険者「私たちの実力は本物です。4対1ならば、あのリュードにも負けないでしょう。」
・・・これは自慢なのか、謙遜なのか。ともかくマーカスは、冒険者も冒険の舞台も豊富ということで、優秀な冒険者が多いらしいのです。その大半は遺跡潜りを生業ととしているため、実力の割には名前が知られていないのですが、彼はそんなグループの一員のようです。彼らはこの村から少し離れたところにある、風の草原という場所に冒険に行く計画を立てていました。
ところが、村の人は彼らを見てこんなことを言っています。
いわくありげな村人「彼らは無名ですが、腕は良さそう・・・。でも、帰っては来れないでしょうね。ああ、思いとどまってくれたら・・・。」
風の草原。古い書物にも名前が出てくる場所らしいのですが、一体何があるのでしょうか? ともかく今のクライスたちでは力不足のようですし、用もないので、村6に向かうことにします。
≪ルヴィア教神殿≫
村6に住んでいる人たちは、みんな山の神(玉子が好きらしい)を信仰しているようです。そのためルヴィア教には興味がなく、勧誘に来る人をうっとおしく思っているようです。
マーカスでは頻繁に耳にするルヴィア教団のうわさ。そして教団をつぶそうとしている勇者リュードのうわさ。それに対抗するかのように、勇者クライスのうわさを(尾ひれをつけて)広めようとするレイバート(汗)。
クライスは今後のためにもルヴィア教というものを知っておいた方がよいと考え、近くの山にできたばかりだというルヴィア教団の教会に向かうことにしました。
途中で巨大な蛇に襲われ、エディシアが戦闘を放棄して逃げ出したりもしましたが(エディ「足がないのは苦手なのよー!」)、この教会の責任者である司祭に面会することができました。そしてクライスは、司祭にいろいろと質問をしてみます。
【ルヴィア教の教えとは?】
司祭「伝説の聖女ルヴィアの意志を継ぎ、この世に真の平和をもたらすべし。すなわち、優しさ、賢さ、強さを兼ね備えた人を育てることです。1つでも、1人でも欠けている限り、この世に平和は訪れないのですよ。」
【なぜ各地で暴動を?】
司祭「どれも世の中を良くしたい、でもその考えを理解してもらえないという、葛藤の末に起きたことです。若さ、の一言では済まされないこともあるようですが、そこにこんな過程があることだけは、理解してほしいものです。」
【リュードとは?】
司祭「教団の存在そのものを否定し、見つけ次第に攻撃してくる狂戦士です。あのようなものがいる限り、この世に平和は訪れないでしょう。」
クライスたちは教団に不信感しか持てなかったものの、だからといってどうすることもできず、納得できないままで教会を後にします。
司祭「それではお引き取り願いましょうか。ここは我々の聖地。異教徒たちに汚されたくはないのです。」
帰る途中で、来るときに襲いかかってきた大蛇が、まだ生きているのに気がつきました。
セザール「村を襲ったらやばいから、とどめを刺しておくか。」
クライス「・・・いえ、助けましょう。もしかしたら、村人の言う山の神かもしれません。」
セザール「あの蛇が神だって? あんなでかいのは初めて見たが、でも蛇は蛇だぜ?」
クライス「山の神は玉子が大好きだそうですね。それに本当の神でなくても、村人にとっては信仰の対象です。神であろうとなかろうと、信じることで安らぎが得られるのであれば・・・。」
セザール「あー、分かった、分かった。嬢ちゃん、頼むぜ。」
エディ「えー。アタシ、足がないのは苦手なのに・・・。」
そしてエディシアは回復魔法を使います。
エディ「神様、精霊ちゃん、お師匠様・・・。誰でもいいからこの蛇のケガをテキトーに治してくださいな。ヒーリング!」
セザール「いつも思うんだが・・・。魔法というのは、そんな呪文で使えるものなのか?」
エディ「これが才能ってやつなのよ。あれ?」
セザール「どうした、蛇に足でも生えてきたのか?」
エディ「そんなわけないじゃないの。でもこの蛇、ちっちゃな羽があるんだよぅ。」
クライス「これは! コアトルの幼生・・・。」
レイバート「なんですと!? 神の化身ともいわれる、あの幻獣コアトルの・・・。」
クライス「このこと、村の人たちは知っていたのかもしれませんね。だとすれば・・・。」
そしてクライスたちは、再び司祭のもとを訪れます。
≪邪教判定≫
クライス「司祭殿、ここは古来より、村人たちの聖地であったことが判明いたしました。この地を汚さぬよう、異教徒は速やかにお引き取り願います。」
司祭「大切なのは現実です。形だけの信仰のために、我々の活動を中止するわけにはいかないのですよ。」
クライス「各地で暴動を起こしているという現実、その破壊活動に罪悪感を持つことすらできない、形だけの信仰。司祭殿の教えに基づき、活動の中止を要求いたします。」
司祭「・・・こいつら、リュードの手先だ!」
そして司祭は、そばに仕えていた騎士2人とともに襲いかかってきます。が、もちろん返り討ち。
エディ「やっと終わったね。これでもう、わけのわからない話を聞かなくていいんだよね。」
レイバート「残念でしたな。司祭というのはルヴィア教では上から3番目の階級ですからな。一番上、つまり法皇をどうにかするまでは、ルヴィア教団に係わることは、今後もありそうですぞ。」
エディ「ううっ。これがきっと、勇者になるための試練ってやつなのね。えぐえぐ・・・。」
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